高さの異なる「多角形窓」をすっきりと演出。
スタイル・カーテン納品事例
窓幅: 7m超、設置高:3m、両翼に幅が異なる135°コーナー窓を持つLDの大型でのスタイルカーテン納品事例。
幅広窓の全体像をカメラ撮影で行うと、1枚で撮りきれないため、本日のブログでは、16秒ほどの動画で撮影した全体像のイメージ紹介をご用意しました。
取付高が低く不揃いな横広窓。
使い易さと美しさの両立を考える。
写真撮影による2分割での納品前の様子はこちらで、「装飾バランス」を採用する際の主要な注意点は以下のとおり。
① 一番の問題点は 「カーテンボックス」不在の窓であるということで、窓枠と同系色のカーテンレールが露出して取付られている。
② 窓枠内設置のカーテンレールは、ベランダへの「出入口窓」や、換気ができる「腰高窓」ごとに区分して分割設置されている。
③ カーテンレールが設置位置が窓枠内(床上200cm以下)の低い位置に設けられた、「横縦比・7:2」の横広窓となっている。
④ 135°の角度で両翼を形成しているコーナー窓は、左翼が幅120cmあるのに対して、右翼は90cmと小さい、4:3の非対称形になっている。
⑤ ベランダへの「出入口窓」も、左翼側にレイアウトされているため、窓全体を見た場合、横方向のプロポーションは、左にボリュームが付き易い形状になっている。
このように本来、「装飾バランス」の設置を視野に入れていない窓設計で、「装飾バランス」の提案を行うことは非常に困難なこと。
何故なら、ベランダへの出入りと換気窓の機能性への配慮と窓全体の連続性と豪華さを演出するスタイリングが求められるからです。
特に、出入口窓用の丈と、腰高窓用の丈を混在させたレイアウトにすると、日中の納まりは悪くないのですが、夜間、カーテンを閉めた時に、丈の長い出入口窓での不揃いが異質に見えてしまいまうため、カーテンの丈を統一させたスタイリングの中にその他の課題の解決策を盛り込むことになりました。
「カーテンボックス」不在の窓で、
美しい「懸垂曲線」を考える。
一番の難点であった、「カーテンボックス」不在の窓での『スワッグバランス』提案。
この状況では、カーテンボックスのメリットである、カーテンレールを隠すという機能が含まれせん。
また、カーテン(レース)上部にある「芯地」と「ヒダ山」が露出される設置スタイルとなっています。
取付高の低い(H200cm以下)横広窓で、美しい「懸垂曲線」を描くスワッグを考える場合、「スワッグの総数」、「幅と高さ」の組合せに悩まされます。
バランスの装飾効果を高めるポイントとして、第1に考えるのが、窓の高さと幅それぞれのバランス比率の確認ですが、日本語で言う「バランス」を、英語で表現すると、以下の異なる意味の使い分けになります。
V: 「valance(上飾り)」 を意味するバランス。
B: 「 Balance(比率)」 を意味するバランス。
「カーテンボックス」が、天井など高い位置に設けられている窓であれば、「スワッグ」のボリューム(=ふくらみ)をたっぷりと持たせることができるため、カーテンレールを隠すとか、芯地の長さを短くするなどの微調整まで考えることはありません。
しかし、取付位置の低い窓で、装飾の役割を持つ垂れ飾りが窓を圧迫してしまっては本末転倒となるため、こういう状況では「懸垂曲線」を浅く描きながら、窓全体のプロポーションを整える必要があります。
取付高が低い窓で懸垂曲線を貧弱に見させないための極限での調整は難易度が高いものとなります。
スワッグの垂れ幕でカーテンレールとカーテンの吊り元を隠す条件はクリア。
スワッグのくびれたエリアでも極力、カーテン・レースの芯地を隠す工夫は、芯地の長さを75mm(標準:90mm)を変えることにより調整しています。
「装飾タッセル」をまとめる「ふさかけ」。
固定式とマグネット式を使い分けて。
カーテンとレースの長さは、腰高窓も出入口窓の長さに合せた床までの長さで揃えて、ダイナミックな連続性の得られスタイリングを目指す一方、美しいスタイリングと共存させる形で求められた、ベランダへの出入り、手軽な換気といった、「機能性」の工夫も考えました。
連続性がありながらも、実は分割されているそれぞれの窓は、2セットの「両開き」と、2セットの「片開き」で構成されています。
特に両翼の「片開き」に挟まれている、2つの「両開き」窓は、ベランダへの出入りと、換気を用途にしているため、左右どちらにも開閉できる納めを考えました。
ここでは、「両開き」用カーテンレールの左右に、互換性のある「サイドマグネットランナー」を後付して、ベランダへの出入りや換気にも配慮した開閉パターンを両立させることができました。
両翼の「片開き」窓で使う「ふさかけ」は、しっかりと「装飾タッセル」を固定するタイプを使用。
さりげなく見せる真鍮の輝きとデザインがお客様のこだわりポイント。
互換性のある「サイドマグネットランナー」を後付けした、ベランダへの「出入り窓」と、換気可能な「腰高窓」のあるコーナー側には、「ふさかけ」を固定するスペースが用意されていないため、磁力の強い「機能性ふさかけ」を活用いたしました。
135度の「コーナー窓」。
コーナー角に応じたスワッグシュミレーション。
135°の角度で屈折しているコーナー窓を横断するスワッグの作製にあたっては、事前の加工シュミレーションを経ておさめました。
135°コーナーを正面から見たイメージ。
135°コーナーを上から見たイメージ。
事前の検証を踏まえて、両翼の長さが異なる(左4:右3)コーナーも、極力自然なスワッグの流れの中で美しく整う納めとなりました。
「意匠性」と「機能性」の両立。
複数の難題を乗り越えて。
こうして、昼夜で別の表情を見せる、幅7m超の大型横長窓の完成。
大面積の窓をまとめるカーテンには、縦ストライプと上質なダマスク柄の組合せが美しいマナトレーディングの「マルメゾン」を選び、やはり、縦ストライプ地に、ペイズリーを模した伝統的な「カシミール柄」が緻密に描かれた、川島織物セルコンの『カシミールボーダー』との組合せで演出いたしました。
様々な工夫を凝らして、お客様のご希望に叶う、「意匠性」と「機能性」に応えたスタイル提案を行うことができました。
◆ 当社 ・「装飾バランス」の特集ページを見る。
https://www.mitsuwa-i.com/balance.htm
◆ 当社・『オーダーカーテン』の特集ページ を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/sub2.htm
◆ 当社・『輸入カーテンの特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/inhouse-2.html
ミツワインテリア: https://www.mitsuwa-i.com/
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