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カーテンの「形状記憶加工」と「簡易形態安定加工」。特徴の解説と応用事例。

2021年02月09日

カーテン 形状記憶加工 最大幅

形状記憶加工 形態安定加工 比較 違い メリット デメリット

本日のブログでは、ポリエステル製カーテンならではの魅力の1つとされる、「プリーツ加工(ヒダ付け加工)」について、事例と併せて解説いたします

ポリエステルは、ナイロン・アクリルとともに、3大合繊の一つに数えられる繊維であり、現在では最も使用されている合成繊維です。

1941年に英国で誕生したポリエステルは、当初、天然繊維である羊毛を代替するものとして開発され、1970年代になると衣料品として爆発的に普及し始めました。

現在、ポリエステル加工品の中には、ウールシルク綿がもつ意匠と質感を精巧に模した製品が流通しており、軽く、耐久性があり汚れにくい、色落ちしにくい、防炎加工が容易、洗濯によるシワや収縮が少ないといった特徴を活かして、カーテンやレースでの需要も右肩上がりに伸びています。

こういった素材の機能性で重宝されるポリエステルですが、更なる長所として、熱を加えると柔らかくなり、冷ますと硬くなる熱可塑性という性質があります。

今ではポリエステル(100%)カーテンの主流ともいえる「プリーツ加工」は、ポリエステルの熱可塑性を利用して任意の形状に安定させる加工のことで、これにより型くずれや裾の広がりを抑え、美しいドレープ性が長期間持続するようになりました。

ご覧の画像は、製品サイズ: W6000 × H2600の大開口窓に「形状記憶加工」で製作したカーテンと「簡易形態安定加工」で製作したレースを組合わせた納品事例ですが、ポリエステル繊維でなければ、これだけ分量がある生地を規則的でコンパクトに扱うことは難しいでしょう。

 

「形状記憶加工(上級形態安定加工)」と
「簡易形態安定加工」の違い。

カーテン プリーツ加工 メリット

川島織物セルコン ファインウェーブ メリット

ご採用のカーテンは川島織物セルコンの生地で、メーカー呼称: 『ファインウェーブ(上級形態安定加工)』と呼ばれる、形状記憶加工のカテゴリーに属する加工で納めています。

プリーツ加工は「形態安定加工」とも言われ、出来上がったカーテンにスチームアイロンをかける要領で蒸気(熱)をあて、ヒダのプリーツを整える「簡易形態安定加工」と、波板状の型紙に乗せた生地を真空状態になる釜に入れて、高温のスチーム(蒸気)を当てながらポリエステルの熱可塑性で持続性の高い型をつける「形状記憶加工(=上級形態安定加工)」のいずれかで仕立てられます。

簡易形態安定加工の場合、縫製品の幅に制限されることなく対応しやすいことや、1.5倍ヒダやフラット(※条件あり)など、ヒダ倍率を抑えた縫製品にも対応できる手軽な加工として市場に浸透していますが、厚みがあって硬いカーテンでは1回の洗濯で形態安定が取れてしまうこともあるため、その様な生地は形状記憶加工が推奨になっている場合があります)。

形状記憶加工の場合は、型紙に乗せたカーテンをを専用の真空窯に入れて時間を掛けて加工するために加工コストが掛かることと、釜の容量の都合上、国内メーカー品では製品幅(片側):W3000mmが製作上限となっていること、強固な形態安定を掛けるため、2倍ヒダ程度の型で加工する必要があるなど注意点がありますが、生地が厚く硬めのカーテンには推奨されることの多い加工となっています。

形態安定の持続性は、生地の厚みや硬さにもよりますが、目安として簡易形態安定加工は1~3回程度、「形状記憶加工(=上級形態安定加工)」であれば5回以上の洗濯を繰り返しても美しいウェーブが保たれると言われていますので、当社では生地の特性と縫製スタイルとの相性を考慮して適切なプリーツ加工をお勧めしています。

事例の様に、製品幅:W6000mm (※片側: W3000mm)というのは、一般的に「形状記憶加工(=上級形態安定加工)」としては上限値といえるサイズになりますが、ポリエステルの熱可塑性を利用し、真空釜の中でじっくりとヒダの型を定着させることにより、洗濯してもアイロンや乾燥機など、熱を当てなければウエーブの規則性は長期間維持される納まりになりました。

 

プリーツ加工の応用事例。
アクリル混、裏地付のカーテンに形状記憶加工。

先の説明の中で、プリーツ加工はポリエステル100%生地に限られると述べましたが、ここからはプリーツ加工の番外編ともいえるポリエステル以外の素材を含むカーテンでのプリーツ加工についてのご案内です。

 

マナトレーディング レガータ カーテン 形態安定加工

表地で採用したマナトレーディングの『レガータ』は、クラシカルな縦ストライプが美しい朱子織(サテン)ですが、アクリル55%、ポリエステル45%とプリーツ加工には不適な混紡生地のため、カタログの写真を見ても判るとおり自然な裾の広がりが生じることは避けられないといった印象です。

 

形状記憶加工 遮光裏地付

遮光1級裏地の『レガータ』は、ポリエステル100%素材なのでプリーツ加工対応生地ですが、遮光裏地付カーテンにプリーツ加工を施す場合、前幕も裏地もポリエステル100%でなければなりません。

こういった組合せの場合はプリーツ加工無しで納めるしかないのですが、裏地までつけると、生地のボリュームがついてしまうため、裾の広がりも強調されてしまいます。

 

アクリル カーテン 形状記憶加工

ポリエステル100% 以外 形状記憶加工 カーテン

お客様のご希望は、好みの生地に遮光裏地をつけてプリーツ加工で納めたいというものだったので、こちらの窓ではメーカー縫製ではなく特殊な形状記憶加工に対応してもらえる縫製工場に依頼しています。

ポリエステル100%素材以外の生地にも形状記憶加工が施せる特殊技術の秘訣は加熱温度と時間の微妙な調整にあり、真空窯を使ったプリーツ加工でのみ可能とのこと(※簡易形態安定加工での対応は不可)。

長年の試作を重ねた結果習得された職人の技術により、裏地付という無理難題でありながら、プリーツ加工非対応生地に形状記憶加工を施すことができました。

 

裏地付 カーテン 形状記憶加工

特殊形状記憶加工については、あくまでも余技(番外編)としてのご紹介ではありますが、プリーツ加工の世界はなかなか奥が深いです。

当社でも特殊形状記憶加工品の縫製サンプルをご用意いたしました。

 

◆ 当社・『オーダーカーテン』の特集ページ を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/sub2.htm


◆ 当社・『輸入カーテンの特集ページ』を見る。

https://www.mitsuwa-i.com/inhouse-2.html

 

ミツワインテリア:  https://www.mitsuwa-i.com/

 

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ノーマン「桐ウッドブラインド」の展示品紹介と納品事例。

2021年02月03日

***2024年5月更新情報***

NORMAN ノーマン 桐 ウッドブラインド 取扱店 東京 神奈川 ショールーム 価格 

ノーマン 桐 ウッドブラインド 事例 ブログ

本日は、NORMAN(ノーマン)「桐ウッドブラインド」の当社展示品紹介と、実際の納品事例をご案内させていただきます。

 

 

NORMAN(ノーマン)の「桐ウッドブラインド」。
多彩なカラーバリエーションとスラットバリエーション。

ノーマン 桐 ウッドブラインド 取扱店 展示 価格

 

ミツワインテリアでは、ノーマン・「桐ウッドブラインド」の展示品を、カラーチャートサンプル形式でご用意。

スラットバリエーションも、標準仕様の50mmとオプション63mmをご覧いただくことができ、当社ご来店が難しいお客様におかれましては、出張採寸時に現地で展示品をご覧いただけるサービスも行っています。

 

ノーマン 桐ウッドブラインド 価格 取扱店

 

『標準カラー(全28色)』は、桐柾目材の美しい木目を活かしたステインカラー(15色)と、スタイリッシュな空間にも映えるペイントカラー(13色)で構成されています。

 

ノーマン 桐ウッドブラインド マットフィニッシュシリーズ 展示 取扱店 NORMAN

『マットフィニッシュシリーズ(12色)』は、自然由来の植物油からつくられた塗料で仕上げるシリーズです。

有害物質を排出する化学物質を使用しない浸透性の塗料が木の呼吸を活かしたまま、素材の劣化も抑制します。

桐の風合いを楽しめる艶無しの仕上げは木の魅力を大きく引き出すハイエンドカラーで、艶なしの質感は光沢を抑えた塗り壁や天然素材を多用した住宅との相性も良好です。

 


桐ウッドブラインドのメリットとデメリット。
ノーマン製品のこだわりについて。

高級家具の素材としても知られる桐材は、調湿性能が高く加工しやすいことから、四季のある日本でも古くから親しまれてきました。

また、木材としてはバルサ材についで世界で2番目に比重が軽いという特性があります。

ウッドブラインドとして製品化された場合は一般的に知られるバスウッド比で50%程度軽量化が実現し、操作性の向上が期待できるというメリットが得られますが、反面、スラットの反りや収縮による歪みも懸念される事から、桐ウッドブラインドの製造にあたっては様々な工夫と改良が講じられて製品化されています。

 

2004年から桐材を使用したブラインド開発に取り組んできたノーマンの場合、原木から自社工場の厳しい品質基準のもと、乾燥、採材、断裁それぞれの工程を専門スタッフが熟練の技術で連携して最適な品質と技術で整えてきていますが、その中で最もこだわっているのが素材採り段階での柾目材の採用にあります。

 

桐ウッドブラインド
「柾目材」と「板目材」につて。

 

ウッドブラインド 柾目 板目 違い

柾目材(まさめざい)とは、切り出し面に対し木目が平行に整列するよう裁断された木材の呼称で、一般的に高級家具などで使用されている素材です。

 

桐 ウッドブラインド 柾目 板目

ブラインドはスラットが命。

桐材の場合は、伝統的なウッドブラインド材として使用されているバスウッドと比較して、気温と湿度の変化が大きい窓まわりに設置した際にスラットの反りや収縮が生じやすい懸念があるため、ノーマンでは、素材採りの段階で従来型の「板目採り」より手間とコストが数倍かかる「柾目採り」を採用することでこの問題を克服しています。

柾目材を使用することでスラットの反りや収縮を最小限におさえられることができ、軽量な桐材をウッドブラインドとして安心して使用できるクォリティに引き上げています。

 

遮光性とプライバシー性へのこだわり。

ノーマン製品のこだわりは、素材以外について言えば遮光性プライバシー性への配慮でも感じられます。

一般的に、ウッドブラインドではスラットの昇降にかかわるルートホールからの光漏れや、スラットの隙間からの光漏れは避けることができません。

近年では昇降コードを通す穴を排した高遮光ブラインドも登場していますが、スラット間の隙間からはそれなりに光が入り込みます。
ノーマン製品でも当然スラット間の光漏れは伴いますが、「スマートプライバシー機能」という、スラットの回転幅と立角度を改善する機構デザインを組み合わせることで、光漏れの割合ををより軽減させ、寝室での使用を想定した遮光性の改善を目指しています。

 

イメージで説明すると、ノーマン製品では昇降コードの穴は存在しますが、極力小さく、そしてスラットの後方に配置することで全閉時にスラットの重なりに隠れる設計になっています。

 

高遮光 ウッドブラインド おすすめ 人気

 

「スマートプライバシー機能」イメージがこちら。

スラットの回転幅と立角度を垂直に近づける機能を開発することで、上方から射し込む光を大幅にカットできるようになりました。

ただし、反射光の少ない濃色系スラットと比較してホワイト系スラットは閉じた状態でも”反射光”が間接的に入りやすくなるという注意喚起があり、この実例を以下の納品事例でご紹介しています。

 

 

NORMAN(ノーマン)の「桐ウッドブラインド」。
『マットフィニッシユシリーズ』納品事例。

マットフィニッシュシリーズ ウッドブラインド  ノーマン 

 

こちらは、ノーマン「桐ウッドブラインド」マットフィニッシュシリーズを1階と2階の階段窓にご採用いただいた実際の事例で、採用色はマットホワイト(1003)、スラット幅はオプションの63mmです。

 

ノーマン ウッドブラインド 63mm

階段 窓 ウッドブラインド

1階の階段に近接する窓には中央2分割で設置しています。

 

ノーマン 桐ウッドブラインド オスモ

ノーマン ウッド ブラインド スマートプライバシー

天候は快晴でしたが、太陽の直射が入らない窓ではスラット間の光漏れも少なくかなりの高遮光を実感できました。 

「スマートプライバシー機能」を搭載した製品の光漏れは、上部側が少なく下部側で多少見受けられるといった印象です。

 

続いて、2階の階段窓。

 

調光状態でも冬晴れの強い陽射しが照りつけています。

 

ノーマン ウッドブラインド 遮光性

「スマートプライバシー機能」を使用した全閉時の様子。

メーカー説明にもある様に、ホワイト系スラットは閉じた状態でも”反射光”が間接的に入りやすくなるという状況がこちらです。

寝室で白系スラットを検討されているお客様におかれましては、このいちばん厳しい条件を加味してのご検討推奨いたしますが、遮蔽性の高い製品であることは間違いありません。
多少の光漏れは気にならないというお客様にはお勧めできる逸品です。

以上、本日はノーマン「桐ウッドブラインド」について、展示品の紹介と製品特性、そして事例紹介をご案内させていただきました。

 

◆  当社・『木製ブラインドの特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/tokyo-b.htm

 

ミツワインテリア:https://www.mitsuwa-i.com/

 


 

***編集追記***

ノーマン ウッドブラインド 他社ウッドブラインド 比較 ショールーム

ノーマン・ウッドブラインド コードレスタイプ ニチベイ スマートコード式 比較

JBS ウッドブラインド トーソー

ミツワインテリアでは、ノーマン・ウッドブラインドを始めとした「木製ブラインド」の展示が大変充実しています。

店内では、国内外ブランドメーカーの人気製品を、「電動モデル」も含めて、35機種(7社)の展示品をご用意しています。

ノーマン製品については、桐ウッドブラインド・標準カラー(50mm)の展示品をループコードタイプとコードレスタイプで、マットフィニッシュシリーズ(63mm)とウエスタンレッドシダー(WRC)の展示品をループコードタッチでご用意しています。

当社にご来店いただければ、取扱い7社の製品比較を小窓から大型窓までご覧いただくことができ、スラットのサイズ、質感、色味の比較はもちろん、窓のサイズに応じた様々な操作性の体験を含めた製品比較が可能です。

東京・神奈川エリアでの出張対応も行っておりますので詳細はお気軽にご相談ください。

 

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