***2023年更新情報***
窓周りだけにとどまらず、階段、キッチン、収納棚などの手軽な「間仕切り」や「断熱対策」として活用されることも多い『ロールスクリーン』。
「天付け」の取付方法と組み合わせて、「生地の巻き上げ位置と表裏を逆」に指定したり、
「正面付」と組み合わせて、「生地の表裏を逆」にするといったオプション指定が可能です(※要ビス下地)。
「タチカワブラインド」製品での名称。
『生地表裏逆使い仕様』・『逆巻き使い』。
「ニチベイ」製品での名称。
『表裏逆仕様』・『逆巻き仕様』。
「トーソー」製品での名称。
『スクリーン表裏逆仕様』・『逆巻仕様』。
ご覧いただいた写真と図表だけを見ても理解しにくいですが、これがお打合せの中でお客様に『生地表裏逆使い』や、『逆巻き使い』を説明する場合に用いる、取扱いメーカーごとの参考・説明資料となります。
製作仕様の「名称」はメーカーごとで異なりややこしいのですが、本日はこれらの具体的な応用設置施工事例をご紹介させていただきます。
「ロールスクリーン」の『生地表裏逆使い』。
「意匠性」と「断熱性」のコントロール。
ロールスクリーンの『生地表裏逆使い』という呼び方は、「タチカワブラインド」製品で使われている通称です。
上で紹介した図表で細かく名称が分類されていますが 「ニチベイ」」製品の場合は『表裏逆仕様』と呼び、TOSO(トーソー)製品の場合は、『スクリーン表裏逆仕様』と呼んでいます。
もともと、生地の表裏を逆にして屋外に生地の表側を向けることにより、店舗の「広告ロゴやデザイン」などを製品取付側の裏側でPRしたい状況で求められてきた製作仕様なのですが、最近では、窓面に限らず、室内をセパレートする「間仕切り」エリアでも活用できるため、無地の生地を使用する場合であっても質感にこだわりたい側に合わせて生地の表裏を逆使いで指定するリクエストが増えてきています。
例えば、キッチンに隣接する「食品庫(パントリー)」スペースでの設置では、、、。
パントリー側の開口部上に、製品設置するスペースと取付下地があれば、ロールスクリーンをパントリー側に隠れる様に「正面付」で設置可能です。
「食品庫(パントリー)」側に正面付で設置されていますが、「生地表裏逆使いの正面付」の指定をしていますので、生地の「表面」はキッチン側に向いています。
こちらはキッチン側から見た様子。
ロールスクリーンはパントリー側の壁面に隠れる様に収納されています。
スクリーンを降ろすと、開口部は壁面と馴染みの良い「間仕切り」として演出され、意匠性のコントロールと併せて、パントリー側の開口部から入り込む冷気や暖気などを遮り、「空調効率」の向上も期待できます。
キッチン側に向いている生地は「表面」ですので、表裏の判りにくい無地であっても微妙な質感にこだわれます。
表裏を逆にすることで「防炎ラベル」や「洗濯表示ラベル」の縫い付け位置も逆になり裏舞台であるパントリー側に隠れます。
「操作側」パントリー側にありますが、ロールスクリーンは、製品の特性上、ヘッドレールよりも生地巾の方が狭く(※巻きズレ対策)なっているので、このクリアランスを使用して、どちらの居室からも昇降操作が可能です。
ちなみに、このクリアランスは、「断熱性」という観点からいえば多少デメリットに働きますが、「換気扇」を使用することもあるキッチン近辺の間仕切りとして使用する場合は、ロールスクリーンの生地で開口部を大きく覆わない方が良い場合があります。
換気扇の使用によって生じる負圧の影響を受けて、スクリーンがキッチン側に引っ張られて膨らむことを避けるために最小限のクリアランスを考慮しても良いでしょう。
ロールスクリーンのクリアランスは、フロアと壁面を区分する「巾木」の出っ張りを自然にクリアできることが多く、これはメリットと言えます。
「巾木」がある壁面での間仕切りにブラインドなどを採用する場合は、上部だけでなく下側の状況も採寸時にチェックする必要があります。
こちらは別の事例。
写真はネジウム磁石を使って天井材を支えている野縁を探している様子です。
野縁の位置が特定できればロールスクリーンを固定するブラケットの位置を決めることができます。
天井面にロールスクリーンを設置できる下地を確認できればこの様な間仕切り方も可能です。
以上は、ロールスクリーン『生地表裏逆使い』の事例紹介です。
「ロールスクリーン」の『逆巻使い』。
生地背後の「障害物」対策。
上のイメージ写真で紹介している、ロールスクリーンの『逆巻使い』という仕様は、タチカワブラインド製品で使われている呼称です。
ニチベイ製品の場合では『逆巻き仕様』、トーソー製品の場合は『逆巻仕様(室内表)』と呼ばれています。
ニチベイ・『逆巻き仕様』での納品事例。
トーソー・『逆巻き仕様(室内表)』での納品事例。
『逆巻使い』仕様が採用される代表的な例としては、小窓の下に配備されている「開閉ハンドル」や、出入口用のハンドルが、窓枠内に障害物として存在する場合などが挙げられます。
製品が一直線に降下する、コンパクトな「アルミブラインド」などと違い、通常は巻径となるロールの後方から生地が降りてくる「ロールスクリーン」スクリーンの場合、下側にある開閉ハンドルに干渉することもあるため注意が必要です。
参考までに、「ブラインドボックス」内に2段階設置した、ロールスクリーンとハニカムシェードの納品事例では、掃出窓の開閉用レバーハンドルをかわすために、製作仕様を「逆巻使い」で使いました。
そして、「逆巻使い」であっても、スクリーンの表側が室内側に向くように、先ほどご紹介した「生地表裏逆使い」も併用しています。
様々なシチュエーションに応じて、「ロールスクリーン」の製作仕様を変えることができます。
「収納棚」の意匠性を考える。
『逆巻使い』で効率的に美しく。
扉のない、「収納棚」や「収納クローゼット」周りを機能的に見せる役割として、ロールスクリーン『逆巻使い』の相談をいただくことも多いです。
「収納棚」を段階的に間仕切ることもできる使い勝手が人気です。
設計段階で取付希望箇所にビス下地が準備されていればいいのですが、用意されていない場合は、天井材を支えている「野縁」が取付下地として使用できるかを調べます。
ロールスクリーン『逆巻使い』を天井付で行う場合、ロールの巻きは収納側に向くため、スクリーンは上から下まで平面的な印象で納められます。
居室の「壁装」や「建具」の色調と合わせて、手軽にコーディネートを楽しめます(※要取付下地)。
以上、本日は、窓周り品だけでなく、「間仕切り」としての機能性をもっている「ロールスクリーン」の応用製作仕様を事例紹介を含めてご紹介させていただきました。
◆当社・『ロールスクリーンの特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/roll&roll.htm
ミツワインテリア:https://www.mitsuwa-i.com/
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