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テシード取扱い。スペイン『GANCEDO(ガンセド)』のゴブラン織りカーテン納品事例。

2018年02月27日

応接室 織物 カーテン

テシード 輸入カーテン GANCEDO ガンセド

こちらは、「応接間」でのカーテン掛け替え事例。

TECIDO(テシード)取扱いのスペイン・『GANCEDO (ガンセド)』社のファブリックより、コアなファブリック・ファンに人気の「ゴブラン織り」を使ったカーテンをご採用いただき、絵画的で格調高い窓辺にリニューアルさせていただきました。
 
 
 

「ゴブラン織り」カーテンの魅力で
応接室の設えに付加価値を。

もともとは、無地のカーテンで窓辺の主張を抑えていた「応接室」でしたが、それでは結局のところつまらないとのことで、個人的にも楽しめる懐古趣味を窓辺に採り入れたいということになりました。

業務にも使用する応接室と隣接する執務室には、並びで1間半の「出窓」があり、この出窓を絵画的な表現で演出することを念頭に入れて生地をご選定しています。

 

GANCEDO (ガンセド) Giardinetto ジャルディネット

ガンセド TE0710-002

今回ご採用いただいたカーテン生地は、スペイン・『GANCEDO (ガンセド)』社のカタログ「Giardinetto(ジャルディネット・小庭園)」収録のコレクションより、TE0710-002
当社にもカタログと一部展示品をご用意しています。

TE0710-002「ゴブラン織り)」が持つ重厚な表情を楽しめるファブリックですが、かなりお買い求め易い価格設定となっており、2018年2月現在の輸入取寄せ価格が、8,500円/m(税別)
生地巾140cmですから、平米(㎡)換算で6,100円/㎡ 弱(税別)のいわゆるお手頃価格となっていて、世界的な流通ベースでも常に品薄気味の生地とのこと。

 
ゴブラン織り カーテン おすすめ
 

ルイ14世 カーテン ゴブラン織り

同カタログ収録の生地には、フランス・ルイ14世期を思わす、本格的なゴブラン柄もあり、価格もTE0710-002の2倍ほどしますが、それでもこの類の輸入ファブリックの中では良心的な値付けです。

 

お客様にもご来場いただいたテシードの東京ショールーム。

 

テシード ショールーム ファブリック

「輸入壁紙」の取扱いにおいて国内最大の取扱いを誇るテシード。

アイテムは少ないですが、壁紙とのトータル・コーディネートを目的とした海外のファブリック・ブランドとも提携しています。

クラシック以外にも、イギリスの「CLARK&CRARK」や「g-studio」など、現代のモダンデザインとコーディネートしやすいコレクションも取り揃えています。

 

ゴブラン織り ワンピース

こちらは、テシードのFACEBOOKより借用させていただいた過去の画像。

スペイン「GANCEDO 」社のMANUEL GANCEDO (マニュエル・ガンセド)氏・来日時のもので、テシードスタッフとの記念撮影では、持参されたTE0710-002で作ったワンピースを羽織っている様子もあり、この生地に対する愛着が伝わります。

TE0710-002 で描かれている色柄の特徴は、緑豊かな小庭園の木立からところどころ垣間見えるお城や邸宅を描いた素朴で牧歌的な構図。

さて、この作品の魅力を応接間の窓でどの様に表現できるか?
お客様には、スペインからの生地取寄せから国内での縫製・納品まで約3週間、首を長くしてお待ちいただくことになりました。

 

 

小粋な「装飾タッセル」の柄取りで豊かな
自然と時代感を演出。

カーテン納品後の様子。

 

ゴブラン織り タッセル

縫製はテシードが信頼をおく縫製工場によるもの。

流石、この柄の魅力を把握されていて、見事なレイアウトでワンポイントとなる「お城」と「邸宅の屋根」の柄を入れていただきました。

 

ゴブラン織り カーテン 魅力

「共布タッセル」の小世界が、緑豊かな小庭園から望むヨーロッパの歴史的風情を小粋に表現してくれました。

 

 

カーテンは「裏地」仕立てで。

ゴブラン織り カーテン 裏地

TE0710-002は、生地組成: 綿55% + ポリエステル45%からなる混紡繊維。

気に入った生地だから長く愛用したいというお客様のご希望により合せた「裏地」は、モスグリーンのサテン(本繻子織り)「遮光2級生地」の性能を持ったもの。
本来は単独のカーテン生地として使用する「サテン」生地ですが、濃色の糸を使ったサテンの中には、濁りの無いシルキーな風合いでありながら、肌理の細かさにより遮光1~2級の性能を持つものがあります。

また、裏地に適した柔軟性を持ち、価格自体も一般的な裏地と同程度の手軽さであるため、前幕との色の相性により裏地として採用されることがあります。

 

GANCEDO (ガンセド) TE0710-002 カーテン

「応接室」、「執務室」の出窓もご覧のように、ヒダをとったカーテン仕立てのタペストリーをフレームに嵌め込むような雰囲気でおさめることができました。

サテン裏地との相性も良く、程良いボリュームと柔らかで綺麗なウェーブで仕立てることができ、お客様からも大変ご大満足いただきました。

 

ゴブラン織り カーテン 人気

お城柄 カーテン

TECIDO(テシード)取扱いのスペイン・『GANCEDO (ガンセド)』社のファブリックは、重厚を求めるクラシックファンのお客様にお勧めしたいファブリックの1つです。

 

◆ 当社・『輸入カーテンの特集ページ』 を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/inhouse-2.html

 

ミツワインテリア:https://www.mitsuwa-i.com/

 

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ナニック・ウッドブラインド「メープル(509)」色の魅力と窓辺のリニューアル事例。

2018年02月16日

ナニック ウッドブラインド 509 メープル 事例

こちらは、合計の窓幅が6mを超えるLDK窓での、ナニック・ウッドブラインドの採用事例です。

10数年使われてきたスクリーン系の窓周り品からの掛け替えとしてご相談をいただきました。

 

板張り・「アール天井」とウッドブラインドの調和。
木の温もりを深めたインテリアと窓辺。

アール天井 ウッドブラインド

LDK全体が吹抜けになっている天井は、個性的な板張りの「アール(R)天井」

高窓から入る採光を受けてなだらかな陰影を醸し出す、お客様こだわりの天井です。

 

大面積を占める「アール天井」と「フローリング」にはさまれる位置関係にあるLDK窓でご採用いただいたスラットカラーは、509「メープル」

ナニック・ウッドブラインド(横型50mm)の展示品73色のカラーチャート5種類の展開を持つスラット幅サンプルをご覧いただきながら、現地お打ち合わせにて最適な組合せをお選びいただきました。

 

LDK ウッドブラインド おすすめ

天井と床にはない、「メープル」色が持つ優しくリッチな「赤み」が加わって、ナチュラルな中にもより温かみの感じられる窓辺にリニューアルされました。

 

 

オプション「バランス」の組合せ。
3分割した製品に一体感を持たせて。

 

窓枠内にウッドブラインドを分割設置する場合でも、オプション「バランス」を使って窓全体の一体感を高めることができます。

 

オプション「バランス」を採用する場合の設置では、ヘッドボックスとバランスの相互に専用の樹脂クリップを装着した後、カーテンの「アジャスターフック」を組み立てる様にスライドしながら嵌めてゆきます。

余談ですが、ナニックでは2017年から樹脂クリップの構造が変わりました。
外観的にはほんの僅かな変更のため、パッと見の違いは判りませんが、より頑丈に本体と固定できる様になりました。

ただし、設置難易度が高まったため、広幅の1枚板に接合させたバランスを本体に接続させる場合の作業は難しくなりました。
カタログの記載からは読み取れない仕様変更なのでこの変更点は施工する側にとっては要注意事項です。

 

バランスのジョイントは製品台数分行いますが、互いのジョイント面が斜めに切られていることと、専用のプレート金具を溝に挿入して連結できる構造になっているため強固で美しい仕上がりとなります。

 

「バランス」を併用すると、分割した窓のごとにスラットの調光角度を変えた時などでも、75mmの化粧板が製品全体の存在感を際立たせると共に上部の統一感と意匠性を向上させるため、カーテンボックスなどの無い場所に設置する場合はおすすめのオプションです。

 

ナニック ウッドブラインド 調布市

お客様の「木への愛着」を深めるウッドブラインドの魅力。

さまざまなこだわりを組み合わせて、お客様好みの窓辺にリニューアルされました。

 

ウッドブラインド 販売店 クチコミ

ミツワインテリアでは、豊富な展示品を取り揃えて、お客様のご要望にお応えしております。

 

◆  ナニック ウッドブラインド」の特集ページ。
https://www.mitsuwa-i.com/newpage13.htm

◆  当社・『木製ブラインドの特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/tokyo-b.htm

 

ミツワインテリア: https://www.mitsuwa-i.com/

 

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カーテンの裾を床まで垂らすブレイク・スタイルの魅力と事例。

2018年02月09日

本日は、カーテンの裾を床までたっぷりと垂らした「ブレイク・スタイル」より、『Puddling(パドリング)』と呼ばれるスタイルを採り入れた、階段・廊下窓のスタイル事例をご紹介いたします。


PF1719 BR カーテン フジエテキスタイル タゴト

 カーテンの裾を長めに仕立てるスタイルは、ヨーロッパでは昔から馴染みのあるスタイルで、防寒上の理由や、生地の収縮を考慮して長めに仕立てるといった理由以外にも、裾の長いドレス仕立てを思わせるエレガントなスタイルで仕立てることにより、窓辺やインテリアの演出効果を高めたい場合に使われています。

ブレイクの度合いも様々で、床に僅かに触れる程度の「touching」、3cm程度裾がひこずる「braking」、裾を箒(ほうき)に見立てて床を掃く程度の長さで仕立てる「sweeping」、裾がしっかりと床に溜まる長さで仕立てる「puddling」などの呼称が代表的で、更にその度合いやスタイルの特徴によって様々な形容が加えられる場合もあります。

今回ご紹介のスタイルは、裾をたっぷりと床に垂らして、空間デザインとして演出した本格的な「puddling」スタイルです。

 

廊下のカーテンは「Puddling」スタイル。
階段・途中窓の丈とのバランスを考えて。

 

階段 窓 スタイルカーテン

まずこちらは、階段周りの窓でのスタイル事例。

お客様からいただいたご要望は、もっぱら開閉をしない窓を、生地の持つ風合いと柄の美しさ、そしてドレッシーな印象となる「ブレイク」スタイルの組合せでエレガントな飾り窓に仕立てたいというもの。

装飾性を最優先させる窓のため、裾の美しさにもこだわるスタイルで美しさを追求することになりました。

 

カーテン 床 引きずる

階段を上がったところにある廊下窓でのスタイリング。

レースは高さは床に触れない程度で仕立てていますが、カーテンは床に垂らしたドレス仕様です。

現地お打ち合わせにてお客様のピンとくるイメージでお仕立てしています。

 

 

続いて、階段上の窓と並ぶ「踊り場」上の窓のサイズを決めます。

 

こちらは、木製の手摺りににとらわれない長さでも良いということになり、2つの窓の連続性とバランスを重視した仕立てを考えました。

 

階段 廊下 カーテン おしゃれ

納品後の様子。

2つの窓は同じ規格で並んでいますが、設計上は「出入り窓」「途中窓」という異なる用途の窓としての役割と配置になっています。

 

PF1719 BRタゴト フジエテキスタイル

フジエテキスタイル カーテン タゴト PF1719

階段「途中窓」では、カーテンの裾がブレイクしないためレースの丈を伸ばしていますが、カーテンの丈自体は2つの窓ともに同サイズで仕立てています。

「出入り窓」のカーテンのみブレイクさせていますので、「装飾タッセル」の位置を調整して、2つのスタイルバランスを調整しています。

 

 

ベルベットとレースの融合デザイン。
フジエテキスタイルの『タゴト』でドレスアップ。

 

ここで、今回ご採用したウィンドウ・アイテムのご紹介。

前幕にご採用いただいた生地は、フジエテキスタイルのPF1719『タゴト』よりBR色

生地のデザインは20世紀初頭から使われ始めたモザイク風の幾何パターンですが、『タゴト』は傾斜地などで見られる、小さく区切られた「棚田」をモチーフとして描いた柄で、水田1つ1つに映る「田毎の月」などの表現もコンセプトにあるデザインです。

 

PF1719 SB タゴト フジエテキスタイル

フジエテキスタイル PF1719  タゴト カーテン 販売店 東京 横浜

当社ではPF1719(SB)色の縫製展示品と(BR)色の生地見本をご用意しております。

細やかなスクエアの意匠は、毛の流れをランダムにしており、光の当たり方によって生地の表情に変化が生まれます。

『タゴト』はサンドベージュ(SB)ブラウン(BR)の2配色ですが、それぞれが独特の発色と雰囲気を持っているため、幅広いインテリアシーンでコーディネート可能です。

 

 

『タゴト』の表側

「バーンアウト・プリント」技法で作られた『タゴト』の持つ、レースが持つ透過性と起毛豊かなベルベットの輪郭対比を楽しむことができます。

 

そして『タゴト』の裏側

裏側ではベルベットの気配が輪郭線だけになるため、レースが持つ透過性とフラットな印象の『タゴト』のデザイン対比をすっきりとした印象で楽しむことができます。

 

PF1719  タゴト フジエテキスタイル カーテン 取扱い

最後に、店内外から撮影した比較イメージ

日中であれば、外から見ても窓に景色が映りこむため室内の様子はほとんどわかりません。

柄の隙間は透け感のあるレース地となっているデザインのため、光りを採り入れる1枚掛けとしてはもちろん、部屋の「間仕切り」としてもお使いいただける、個性的なテキスタイルです。

 
 
 
参考までに、PF1719『タゴト』SB色での納品事例は⇒ こちら
 
 
 

ロープタッセルトシアーで
『タゴト』をエレガントにドレスアップ。

 

  
 
カーテンをまとめるタッセルには、しっかりとした存在感と上品な光沢を持つ、マナトレーディングの『ノードメタル』のブラック色をコーディネートして、ロートアイアン製の階段手摺りとの調和を図っています。
 

 

そして、『タゴト』の後幕となるレースには、生地の持つ自然な縦じわにチンツ加工で表現した上品な光沢感をミックスさせた、カラーレースより「グレー」色を組み合わせて、重なり合う複雑な採光と陰影を楽しめるスタイリングをイメージしました。

 

 

廊下の「小窓」もダイナミックにまとめて。

 

腰高窓 カーテン 床まで

途中窓 カーテン 床まで

最後に、廊下の突き当りにある「小窓」も、階段周りの窓と同じ丈で仕立てて、空間全体を優雅でダイナミックに見せるスタイルコーディネートが完成しました。

途中窓も『Puddling(パドリング)』スタイルでドレッシーな窓辺を演出すると共に、窓幅の狭さを考慮して、タッセルの位置を高めにしたスタイルでまとめました。

 

以上、本日はカーテンの裾を床までたっぷりと垂らした「ブレイク・スタイル」の魅力を、スタイル・アレンジの工夫とともにご紹介させていただきました。

『Puddling(パドリング)』スタイルはドレッシーなのです。

 

◆ 当社・『輸入カーテンの特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/inhouse-2.html

◆ 当社 ・「装飾バランス」の特集ページを見る。
https://www.mitsuwa-i.com/balance.htm

 

ミツワインテリア: https://www.mitsuwa-i.com/

 

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ウィリアム・モリスの刺繍カーテンと天然素材の収縮に配慮した特別仕様の「裏地付縫製」。

2018年02月05日

Jasmine Embroidery ジャスミン・エンブロイダリー ウィリアム・モリス

ジャスミン・エンブロイダリー Jasmine Embroidery ウィリアム・モリス カーテン

本日のブログは、輸入ファブリックなどで多い、天然繊維で作られたカーテンを紫外線による色褪せや、繊維自体の劣化から守る、「裏地」付縫製」で仕立てた納品事例のご紹介です。

カーテンの「裏地付縫製」は、生地の保護以外にも、窓辺の断熱対策としても有効で、「裏地」は衣類の重ね着の様な役割を持つため、「ライナー(Liner)」とも言われています。
生地の厚さから得られる断熱性と空気層を含むことにより得られる断熱効果は、冬場の保温、夏場の遮熱効果を高めます。

 

 

ウィリアム・モリスの「総刺繍」生地
『Jasmine Embroidery』を使って。

 

今回、お客様からLDのメインとなるカーテンとしてご相談当初からリクエストをいただいていた生地は、ウィリアム・モリスの 『ジャスミン・エンブロイダリー(Jasmine Embroidery)』の中で一番人気色となっている234553

英国・サンダーソン社の2015年春夏コレクション、「Morris Archive III」の壁紙と同時に発売された刺繍コレクション、「WOODLAND EMBROIDERIES」(ウッドランドエンブロイダリー)」に収録されている新作の1つです。

 

当社にもカタログのご用意がございますが、お客様ご自身がすでにこの生地と決められており、メインとなるリビングの掃出窓に採用したいというご要望でした。

『ジャスミン・エンブロイダリー(Jasmine Embroidery)』 のオリジナルとなる『ジャスミン』は、ウィリアム・モリスの描いた1872年のデザイン。

 「C字」や「S字」形状の曲線を描きながら伸びてゆく枝の幻想的なパターンのデザインと、そのベースに陰影を持たせた木々の繁茂する森の様子を重ね合せたデザイン表現は、「透かし絵」の様な印象を持っていますが、ご採用の、『ジャスミン・エンブロイダリー(Jasmine Embroidery)』 では、プリントで描いた麻ベースに、色彩豊かなレーヨンの「総刺繍」で描いた曲線模様を立体的に重ね合せて、作品の持つ個性をより奥深く引き出しています。
 
「Embroidery」とは刺繍のことで、レース生地に刺繍を重ねたものを、エンブロイダリー・レースなどと呼ぶことがあります。
 
 
 

『ジャスミン・エンブロイダリー(Jasmine Embroidery)』 は生地巾・1m当り、30,600円と非常に高価なファブリック。

生地組成は、麻:64%レーヨン31%ポリエステル5%の構成で、麻プリントのベースに、レーヨン総刺繍がふんだんに使われており、輸入生地ならではの手間とこだわりが凝縮された美しさが魅力です。

ただ、それ故に繊細な生地でもあり、「西日」が懸念される窓などでは、生地を陽射しからのダメージから保護するために「裏地」の併用は必須です。

 

 

「裏地付縫製」採用に当っての注意点。
自然収縮のある生地との組合せを考える。

 

ウィリアム・モリス 刺繍 カーテン 裏地

こちらは、「裏地付縫製」で仕立てた納品後の様子。

天然素材生地に対しての「裏地付縫製」の仕立てについては、近年、メーカーや専門店レベルで素材に対応した裏地の組合せと縫製の工夫が再検討され始めています。

ひと昔前までは、天然繊維の前幕に対しては、「綿」裏地などの天然繊維を使用する考え方が一般的とされていましたが、この基準も変わってきており、生地の特性、方位や日照条件条件に応じて裏地に耐久性に優れたポリエステル裏地を組合わせるケースが増えてきていると言われています。

理由としては、裏地に使用した天然素材の「綿」裏地の方が、陽射しの影響で主役となる前幕より先に劣化したり、黄ばんだりすることがあるためです。

 

天然素材の前幕にポリエステル裏地を組合わせた代表例として、「フジエテキスタイル」の 『ノン・バーン・エコ』という、イタリア製の天然繊維(レーヨン・麻)で仕立てるカーテンにポリエステル裏地を組み合わせる特殊縫製があります。

この場合の特殊とは、裏地の縫い方の工夫のことで、自然収縮率、洗濯収縮率の高い天然素材生地への配慮が縫製に反映されています。

『ノン・バーン・エコ』は、天然繊維でありながら、生地そのものに「防炎」性能を持たせた希少性が特徴で、ホテルの客室や商業施設、高層マンションなどをターゲットとした販売を見据えて開発された生地です。

そのため、裏地にも防炎機能を持ったポリエステル裏地や遮光裏地が推奨されていますが、収縮率の大きい前幕に対して、収縮が少ない裏地を組み合わせる際、将来的に前幕が裏地よりも短くなるなどの懸念があるため、長期的な使用とメンテナンスを考慮して、敢えて前幕と裏地の脇を縫い合わせて一体化させない特殊縫製仕様を用意しているのです。

新調の際は前幕を床より長めに仕立てて将来的な収縮に備えることと、将来的に前幕のみの「丈直し」がし易い縫製スタイルを事前に提案している珍しい縫製スタイルですが、このコンセプトが、生地収縮率の高い天然素材の前幕に生地が堅牢なポリエステル裏地を組み合わせる縫製仕様でご提案する際に流用できます。

 

当社では、実物の展示品をご用意しており、裏地付縫製の提案の際には、必要に応じて活用しています。

 

ご覧の様に、上部「芯地」部分のみ一体縫製させていて、「脇」はそれぞれ独立させています。

 

前幕と裏地の脇まで縫い合わせてしまうと、収縮率の違いによって生地が引きつる可能性がある場合や、前幕のみの丈直しの際にが困難になることに配慮した縫製仕様で、裾部分を糸で縫い留めて前後をまとめています。

この縫製仕様にあっては、裏地は床に触れない程度(床上-2cmなど)の丈で仕立てますが、自然収縮率の高い天然繊維を使用した前幕は、製作する丈や窓環境に応じ、任意の長さを床に垂らす「ブレイク・スタイル」で仕立てて、将来的な収縮で仮に前幕の丈が裏地より短くなった場合でも、前幕の裾折り返しの仕立て直しだけでリフォームができるという、生地を必要以上に傷めない配慮がされています。

 

 

『ジャスミン・エンブロイダリー(Jasmine Embroidery)』 を紹介しているカタログのイメージは、前幕が3~4cm程度床に触れているものがありました。

これは、あくまでも参考イメージですが、今回のオーダーでも生活上の使い勝手を考慮して、新調の際は同程度の仕立てにすることになりました。

 

ウィリアム・モリス カーテン 裏地

長さH255cmの丈で納めた納品後の様子です。

 

前幕と裏地の脇は一体化させず、丈の中間と裾の2点を糸で縫いとめています。

裏地の位置は、床上2cm、前幕は床に3cm触れる仕立てとして、5cmの高低差を持たせた納めです。

 

 

ダイニングの窓には
刺繍生地のローマンシェードをコーディネート。

 

Jasmine Embroidery 234553 ウィリアム・モリス

お打ち合わせ時と、納品後のBeforr~After。

吹抜けの高いダイニング側に見劣りさせない工夫として、リビング・掃出窓の上には「カーテンボックス」を設置してカーテン・レースを納めましたが、ご覧の様に『ジャスミン・エンブロイダリー(Jasmine Embroidery)』の存在感を引き立たせるダイナミックな印象のリビングとなりました。

 

リエット マナテックス カーテン

ダイニングの「ローマンシェード」でご採用いただいた刺繍生地には、マナトレーディングの『リエット』より、グリーン色をコーディネート。

 

ウィリアム・モリス カーテン 横浜

リエット ローマンシェード マナトレーディング

こちらも生地の劣化防止のため、裏地仕立てでおさめましたが、比較的収縮率の低い生地のため、裏地の脇を納めても大丈夫な使い易い生地です。

細長のFIX窓にはシルク調の無地をアクセントとして合せています。

 

ウィリアム・モリス カーテン 東京

しかし、主役となるのは何と言っても、ご相談当初から一貫しても『ジャスミン・エンブロイダリー(Jasmine Embroidery)』 です。

こちらの生地で仕立てた窓だけは、昨年末に品切れが続き、年をまたいでの納品となりました。

本命の生地の入荷をお待ちいただき、寒い冬をお過ごしいただきましたお客様に感謝申し上げます。

裏地付縫製で設えた、生地の保護と断熱効果の高いカーテンが満を持して仲間入りいたしました。

 

◆ 当社・『輸入カーテンの特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/inhouse-2.html

◆ 当社・『ウィリアム・モリスの特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/inhouse.htm

 

ミツワインテリア: https://www.mitsuwa-i.com/

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