Mitsuwa Interio STAFF BLOG「ミツワインテリア」のスタッフ・ブログでは、日々の施工事例や新着情報をご紹介しています。

月別アーカイブ: 2016年6月

川島織物の傑作。ウィリアム・モリス『いちご泥棒』で表現する微妙な配色美。

2016年06月21日

ウィリアム・モリス作、『いちご泥棒(1883年)』のカーテンを、築25年、注文戸建て住宅の掛け替えでご採用いただきました。
生地は川島織物セルコンの織物仕様で納めています。

いちご泥棒 FF4503 カーテン

写真はリビング側のものですが、実際は一続きになっているダイニング側の出窓も含めて、3つ窓を『いちご泥棒』にリニューアルしています。
他の居室ではシンプルなカーテンやウッドブラインドなどご依頼いだきましたが、デザイン美に富んだモリスの作品を是非リビング・ダイニングの窓ってみようということになりました。

 

川島織物セルコン いちご泥棒 FF4503

ご夫婦と社会人になられたお子様、皆さんそれぞれの仕事が多忙で、平日は手際よく食事をしたら寝ることの多い生活。
そんな中、家族でゆっくり過ごせる週末を大切にする現在のライフスタイルに合うカーテンはどんなものだろうと?、、、という話になり、週末、ご家族で来店されました。

 

ウィリアム・モリス
『いちご泥棒』との出会い。

2016.6.15.2

当社には他のモリス作品も含めて、丈240cmサイズで川島織物セルコンの『いちご泥棒』長尺縫製サンプルをご用意しております。

川島織物セルコンが取扱う「モリス・デザインスタジオ」のファブリックは、デザインの版権を持っている英国・サンダーソン社からライセンスを得て、創業170年を超え、京西陣で培った川島織物の技術を駆使して織り上げたものです。
当社では、サンダーソン(マナトレーディング取扱い)のオリジナルプリントも縫製品でご用意していますので、比較する選択肢が広いのが特徴です。

ご家族は、自然美豊かなこの作品に心が揺さぶられたとのことで、現地採寸の折に縫製品を持参して、色柄のお好みをご検討いただくことになりました。



2016.6.15.1

川島織物セルコンの『いちご泥棒』は、3配色展開となっていますが、どの色柄も魅力的で、お客様も選定色で迷われます。
迷われるポイントは、ベースカラーの色調もそうですが、「植物パターン」部分で使われている「グリーン」の分量により微妙な印象が変わる点などもあります。
色番ごとの寸評は以下のとおり。

① 一般的なアイキャッチとして一番目を引くのが、本作品の象徴色である「ダークブルー(FF4501)」で、その重厚な色柄は特に男性のお客様に人気があるほか、同色のオリジナルクッションなどは単独でご採用いただくこともあります。

② 当社での採用実績が多い「ダークバイオレット(FF4502)」は、和洋の別なく、深みのある濃色系のインテリアと相性が良い生地です。

③ 川島織物セルコンのオリジナル性が感じられる「ダークオレンジ(FF4503)」は、女性に人気のある少し優し目の色柄ですが、上記2色と異なる表現として、植物柄部分で使われているグリーンの分量が多くまた鮮やかなため、自然を採り入れたナチュラルなインテリア表現の場で使われることが多い生地です。

 

「ダークバイオレット(FF4502)」が活きる
カラーコーディネート。

ウィリアム・モリス いちご泥棒 FF4503 カーテン

参考までに、今回のご採用色である「ダークオレンジ(FF4503)」は、自然光があたると僅かに「緑味」の発色を放つアンティーク家具との相性が良い生地色です。

同様に、家具の色に「赤味」を持つ焦げ茶であれば「ダークバイオレット(FF4502)」、「黒味」がかった焦げ茶などの場合は「ダークブルー(FF4501)」などが合う場合もございますが、特に決まりはなく自由な組合せでお選びいただければと思います。

 

2016.6.15.6

今回の事例では、心地良い週末の時間を緑豊かなお庭の植栽と共に過ごす生活スタイルと、モダンな要素も含まれるインテリアとの調和を考えられて、植物柄部分に「グリーン」の配分の多いこちらの生地に決まりました。

休日の昼下がりに、ハンモックで昼寝をされる息子さんと座椅子で読書をされるご家族の寛ぎのひと時を演出する窓辺。
カーテンを閉めた夜も、庭の緑を予感させる『いちご泥棒』の色柄が気に入りましたとのご感想を頂戴いたしました。

 

 

***参考資料***

2016.6.15.8

『いちご泥棒』は、ウィリアム・モリスの描いた1883年の更紗デザインで、原作は深い青が「サファイヤ」の様に煌めいている傑作として知られています。
モリスが「マートン・アビイ」に居を移して、『インディゴ捺染』という、インディゴ染料による染色技法を完成させた賜物とも言える作品であり、苺をついばみに飛来した「ムクドリ」を愛らしく描き出しています。
小鳥と花、苺という、前面に表出るされる図柄の後ろに、青い森が佇んでいるという、ウィリアム・モリス独特のユートピアが感じられる作品となっています。

2016.6.15.9

ウィリアム・モリスのデザインは、19世紀後半からヨーロッパで流行したジャポニスム旋風の影響を受けました。
日本から英国に輸出された、浴衣や手拭いといった、型紙から反物
に文様染を施す
染織技法の中で表現されたパターンからインスパイアされた作品も幾つか垣間見られます。
日本で、ウィリアム・モリスのデザインが自然に受け入れられる理由の1つがここにあります。
 

 

◆当社・『ウィリアム・モリスの特集ページ』を見る。
http://www.mitsuwa-i.com/inhouse.htm

◆ 当社・『オーダーカーテン』の特集ページ を見る。
http://www.mitsuwa-i.com/sub2.htm

◆当社・『木製ブラインドの特集ページ』を見る。
http://www.mitsuwa-i.com/tokyo-b.htm

 

ミツワインテリア:http://www.mitsuwa-i.com/

 

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「レトロ&ビンテージ」インテリアとナニック・ウッドブラインドの相性

2016年06月17日

本日のブログは、「ナニック・ウッドブラインド」の納品事例です。
中古マンションをリノベーション(リフォーム)されたお客様とご来店時の製品説明と現地での打合せを通してコーディネートのお手伝いをさせていただきました。

レトロ,ビンテージ,インテリア,ウッドブラインド

アメリカンビンテージ,ウッドブラインド

 

ライフスタイルを「リノベーション」で具現化。
木を愛し「レトロ&ビンテージ」を楽しむインテリア

2016.6.4.14

木煉瓦 インテリア

リノベーション(リフォーム)により反映された、お客様こだわりの、アメリカン「ビンテージ&レトロ」を思わせるインテリア。

LDKに入ってまず目を奪われの、白いペイント仕上げの壁装に調和した「木煉瓦(もくれんが)」仕上げのアクセントウォール。
そして、フローリングの板目を思わせるダイニングテーブルや家具の統一感ある意匠性と、さりげないインテリアグリーンの配置。
金属素材でまとめた、照明より上方のアクセント表現。

お客様の持つこだわりと感性が具現化されたインテリアに感嘆しながら、最後に残されたリビング出窓に合せるウッドブラインドの選定色をご一緒に決めてゆくことになりました。

 

今回の選定スラット。

2016.6.4.1

2016.6.4.23

今回は、リビングの窓にフラッグシップモデルの「標準73色シリーズ」を。
寝室の窓にエコノミー仕様の「Gシリーズ」の横型ウッドブラインドをご要望いただいておりましたので、イメージサンプルをお持ちして現地で採用色を決めています。

 

2016.6.4.4

2016.6.4.15

「リビング」の出窓には、標準73色シリーズのスラットカラーより、『メープル(509)』をお選びいただきました。

 

2016.6.4.8

ご訪問前の打合せ時点では、インテリアの全体的なまとまりを考慮して『バーニッシュドメープル(518)』を候補に考えていたのですが、リビング側の空間構成を細かく色見て行くと、リビングが「L字型」の間取りであるLDKの中にあって、少しだけ独立したニュアンスを楽しんでもおもしろい小空間となり得ることがわかりました。

 

2016.6.4.20

具体的には、TVボードがやや赤味がかった茶色であることや、ディスプレイや調度品に赤みのあるインテリアスキームが使われていたことから、ダイニング・キッチンとは微妙に色を変えた空間表現をグラデーション感覚で楽しんでみようということになりました。
ダイニング側から見た印象でも、濃淡のグラデーションを持つ家具の板目や星条旗の横ストライプなど、色だけでなく柄の流れもウッドブラインドのフォルムやアクセントとしての色調の変化に寄り添うものでした。
お客様の「ファブリック」のチョイスもテーマカラーを決められており、自然な挿し色を構成しています。

 

2016.6.4.18

木レンガ,ウッドブラインド

最終的にリビング奥のウッドブラインドカラーを『メープル(509)』でまとめることにより、リビング奥の側のインテリアシーンに暖かみのある自然な変化を持たせることができました。
座る位置を変えるだけで、木煉瓦壁と食器棚がアクセントとなるやや黄味がかったダイニング側の茶系との変化を自然に楽しめる納まりとなりました。

 

 

オプション「バランス」の併用で
「木の味わい」を深める。

2016.6.4.24

今回の打合せでは、ウッドブラインドのトップトリートメント(上飾り)となる「化粧バランス」の併用(オプション品)についてもご相談がありましたので、現地にて納め方を含めたご説明をさせていただきました。

バランスはオプション品のため、お打合せ前にご希望をうかがったうえで、必要に応じてサンプルをお持ちしています。

 

2016.6.4.17

 

化粧バランスを併用しない標準製作仕様の場合、ヘッドボックスの表面には、採用色のスラットを1枚嵌め込んだ仕様で作られます。
窓枠内の設置部分に86mm以上の奥行きの取れない窓などではバランスの突出を避けるために標準仕様で設置する場合が一般的です。

 

2016.6.4.25

2016.6.4.26

オプションバランス付の製品仕様の場合、スラットを嵌め込むことができるヘッドレールの溝に、化粧バランスの樹脂コネクターをセットしますので、障害となるスラットは付属しませんことご了承ください。
また、ブラインド本体を設置の際は、バランス設置後の仕上がり位置から逆算して取付金具のビス位置を考える必要があります。

 

メープル,ナニック,ウッドブラインド

ナニック,内付バランス

73mmの高さを持つ化粧バランスを併用するメリットとして、木製ブラインド独特の「木の味わい」を深めることができます。
ヘッドレールの部品色を包み、全体的な色の統一感を強められるだけでなく、垂直・平面的なアクセントとして採用色の木肌を楽しみたい場合の視覚的効果を強めることができます。
また、オプションバランスのメリットとして、スラットを閉じた時にヘッドボックス下側に生じる光漏れを軽減する役割などもありますので、ケースバイケースでご採用をご検討ください。

 

「寝室」はオリーブカラーに合せて。
エコノミータイプの『Gシリーズ』を採用。

オリーブ,インテリア,ブラインド

2016.6.4.16

寝室の1面にアクセントで塗られているペイントは深みのある「オリーブ」
照明が空間に陰影を醸し出す、落ち着いたインテリアカラーに合せて、ナニック『Gシリーズ・ウッドブラインド(全14色)』より、緑味のあるオリーブカラーとの相性が良い『ウォールナット(905)』をご採用いただきました。

2016.6.4.11

寝室の窓もオプションの「化粧バランス」を付けて納めました。
ナニック『Gシリーズ』は、窓辺の家具とも表現されるフラッグシップモデルの『標準73色シリーズ』と比べて、塗装工程にかける手間を簡略化(⇒詳細はこちら)しているため、バスウッド特有の木目の表出が抑えられてしまうことと、スラットに多少光沢感が出るという違いはありますが、使用している高性能メカニックは同じですので、少し予算を抑えつつも本格的なウッドブラインドの風合いを楽しみたいというお客様からのご要望の多いモデルです。
スラットの材質については企業秘密もあり、あくまでも推測ですが、厳選された「特等材」が使われている73色シリーズより多少木のクォリティは落ちるのかもしれません。
とはいえ、国内大手メーカーのスラットよりは高品質では(?)という印象を納品の都度感じますので、そういう意味ではコストパフォーマンスの高い製品だと思います(価格もやや高めです)。


2016.6.4.10

寝室の納まりを見て、「うん、こちらもいい感じの窓辺になりました。」とお客様も大満足。
ナニックウッドブラインドは、「木にこだわり、色にこだわる」お客様の生活を上質に設えてくれる強い味方になるかもしれません。

 

◆ナニック ウッドブラインド」の特集ページ。
http://www.mitsuwa-i.com/newpage13.htm

◆当社・『木製ブラインドの特集ページ』を見る。
http://www.mitsuwa-i.com/tokyo-b.htm

 

ミツワインテリア:http://www.mitsuwa-i.com/

 


 

***編集追記***

ナニック・『初台ショールーム』について。

ナニック・ジャパンは、2019年5月に新社屋を東京都渋谷区初台に建設し、本社およびショールームを代官山より移転いたしました。
初台ショールームは本社ビル1階に併設しています。

ショールームでは電動製品の操作体験はもちろん、ナニックシリーズ(73色)を含めた展開色を全点ご用意し、ご検討色を最大3台を並べて比較ができるサービスをご用意しています。
都内や近隣県にお住まいの方におかれましては、ナニックのショールームをご覧いただいてから、当社にご相談をされるお客様も多数いらっしゃいます。
ご来社の際は予め電話にてご連絡(予約)いただきご活用下さいませ。

■ ナニックジャパン 本社・ショールーム
住所: 東京都渋谷区初台2-31-4
TEL:03-3370-0729
電車: 初台駅(京王新線・都営新宿線)から徒歩約5分、
   代々木公園駅(千代田線)、代々木八幡駅(小田急線)から徒歩約10分

◆ ナニック・『初台ショールーム』
http://www.nanik.co.jp/Showroom/index.html

 

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トップオープンの「ハニカムシェード」で楽しむオーシャンビュー。

2016年06月11日

広大な相模湾から伊豆半島までを一望できる、美しい海岸のロケーションには、カラーバリエーション豊富な『ハニカムシェード(スクリーン)』が映える。

2016.6.3.11

トップオープン,ハニカムシェード

今回の納品事例では、当社で人気の高いルーセントホームの『シェルシェード(ドラム・トップオープンタイプ)』を納品させていただきましたので、その人気の“秘密“も交えてご紹介させていただきます。

 

 

トップオープン,ハニカムスクリーン

2016.6.3.31

優れた遮熱性や保温性といった「断熱性能」による「日照調整」の自由度に優れた『ハニカムシェード(スクリーン)』は、陽射しの強い海辺の窓などで採用される事が多い製品です。


2016.6.3.30

とりわけ、本事例の様に、リビング・ダイニングの窓全体で美しく開けた「空と海」のロケーションを満喫できる設計がされた物件において、スクリーン上部が開口操作できる「トップオープンタイプ」機能を持つハニカムシェード(スクリーン)は、天候や時間帯の変化に応じた自由度の高い日照調整と眺望のコントロールを楽しめる製品として、その機能的メリットを発揮することができます。

 

『ハニカムシェード』
「トップオープンタイプ」操作タイプの選定。

2016.6.3.3

2016.6.3.4

お打合せ日の午後は、雨上がりの快晴で空気も澄み渡り、真夏の陽射しを思わせる爽やかな日和でした。
この美しい景色を見ながら、お持ちした、展示サンプルとカラーチャートを見ながらトップオープンタイプのシェード色と操作タイプの打合せが始まりました。
お客様が当初、候補としてイメージしていたシェード色は、「漆喰壁」の仕上げに合せた「白系」でしたが、最終的には日中の打合せの中で視界に入る「空と海」の魅力をスパイスとして採り入れたコーディネートとなりました。

 

お客様におすすめした、ルーセントホームの『シェルシェード』では、ご覧の3種類の操作仕様がございます。


2016.6.3.29

 

① 「コードレス」トップオープン
昇降・調光コード(ループ)のない、すっきりとした手動操作のメカニックで、上部のスクリーンの開閉部に手が届く様な窓でご採用いただくことが多い操作タイプ。


② 「コード」トップオープン

幅の広い製品が作れない「小窓」など、製品重量が軽めな窓で採用されることが多い、昇降・調光コードを使った操作タイプ。


③ 「ドラム」トップオープン

コード操作では牽引が重い比較的大きな窓で採用されることが多い、昇降・調光ループを使った操作タイプ。
開口面積の広い窓が並ぶ今回の事例では、こちらの「ドラム」トップオープンタイプをご採用いただきました。

 

 

『ハニカムシェード』
採光タイプの「セル」カラー選定。

2016.6.3.33

お打合せの際にカタログと一緒にお持ちする提案用サンプルの一例。
今回ご採用いただきましたルーセントホームの場合ですと、淡色と濃色の「採光生地」、「遮光生地」、「シースルー生地」などの見本をご用意しております。
基本的にハニカムシェード(スクリーン)の場合、どのメーカーのものでも、シースルー以外の生地に関しては、セルの裏側(屋外側)は、色染めされていない「白い不織布仕上げ」となっておりますので、白系のセルカラーのイメージを見る場合は、製品の裏側を室内側に反転させてご覧いただいております。

2016.6.3.1

今回は、青い空と海が魅力の物件でしたので、基本提案用サンプルと併せて、固定展示品より『マリンブルー』もお持ちしたのですが、最終的に、こちらのセル色の応用パターンで納品することになりましたので、その経緯を以下にご説明いたします。

 

夜間は『漆喰』色が楽しめる。
『マリンブルー』セルを反転させた応用製作。

2016.6.3.26

ここからは、先に述べたハニカムシェード(スクリーン)・「表裏色」の相違とその応用提案についての段階的なご説明を店内外の実験で説明しています。

まず、「採光生地」の場合、シェードの裏(屋外)側から光を採り入れない環境下ではご覧の様に、表面が着色された選定色、裏面が着色されていない白色が来るようになっています。
裏面を白色にする効果は、「遮光(オパーク)」生地の場合は反映されませんが、「採光(セミ・オパーク)」生地の場合は、最初に光りを透す裏面の白色生地の発光が表面の選定色を照射するため、日中においては、少し柔らか味と奥行き感のある、白味がかった立体的な採光表現となります。
本来は、これがハニカムシェード(スクリーン)のファブリック表現の意匠的魅力と言われていますが、夜間は「漆喰壁に合せた白色」を楽しみ、日中は「空と海が作り出すマリンブルー」を楽しもうとする今回のケースではセルの表裏を逆転してその要望にトライしてみることになりました。
また補足として、こちらの物件の窓に紫外線カット性能の高い「Low-E複層ガラス」を使用していることと、採用色が濃色でない「優しいマリンブルー」であることも採用の際の考慮に入れています。
これは、採用色の色褪せに対する配慮です。
表裏を逆転させて使用する場合は、窓ガラスの持っている機能(UVカット&遮熱)が高いことと、採用セル着色側が強い濃色ではなく、「低彩度(淡い)・高明度(明るい)」寄りの色である方が良いでしょう。
単層ガラスの窓環境や、濃色セルでのご検討の場合はお勧めしない提案となります。

 

2016.6.3.27

店内の入口ドアに当ててのイメージ確認。
採光によりマリンブルーは適度に薄まりますが、直射のない環境下では、大きな変化は生まれません。
しかし、直射の割合が増えてくると、着色セル面のは白みががり、白色の裏面は淡いマリンブルーに色づく様になります。

 

 

2016.6.3.25

2016.6.3.28

屋外に出て、直射日光に向かってスクリーンの表裏を当てたデモンストレーションの様子です。
ガラスをはさまない直射ですので最大限に色が薄まりますが、高機能の日傘のような断熱性と目にやさしい日照調整が確認でき、実際この体験をされたお客様はハニカムシェード(スクリーン)の性能に満足されます。

採用にあたっての幾つかの制約はありますが、日中に「マリンブルー」の要素を楽しみつつも、夜間はご希望であった「漆喰色」の白に合せたコーディネートを楽しめる。
この様な生地の反転と部品色のアラカルトを指定できる唯一の製品がルーセントホームの『シェルシェード』なのです。

余談ですが、今回の提案の原案となる過去の提案もございますので、よろしければ以下をクリックして参考事例をご覧ください。
⇒ こちらの事例」や「⇒ こちらの事例」です。

 

ダイニングでの「トップオープン」の使用例。
天候や時間帯に応じた「日照調整」。

2016.6.3.2

そして、現地でのルーセントホーム・『シェルシェード(38mmセル)』納品の様子。
ご覧いただいているのは開梱前の製品(デザイナーズコレクション)の表裏です。
今回は、室内側で使用する色に合わせて「オフホワイト」の部品色で製作いたしましたが、マリンブルーを室内側に選ばれた場合は当社展示品の様にセル同系色にて部品色もコーディネートされます。

2016.6.3.11

まずは、ダイニングエリアの窓で、トップオープンタイプのシェルシェードを上部に畳み上げて屋外の眺望を満喫する状態。
白色系に圧縮された製品が漆喰壁になじみスッキリと納まっています。

トップオープン,シェルシェード

次に、陽が高い時間帯に、「空と海」の景色を楽しみながら、セルの色にもほのかに自然の色を採り入れた、「トップオープン」タイプ、アラカルト製作の実際です。
青だけでなく自然の緑とも調和する瑞々しいブルーが出てきました。

 

ルーセントホーム,シェルシェード,トップオープン

夕方になると、右側窓の上方から眩しい西日が入るので、この様な配置にしてグレア調整をしながら眺望を楽しむこともできます。

 

ルーセントホーム,シェルシェード

「西日対策」の時間帯は、シェードのトップを徐々にクローズさせてゆきます。

 

ハニカムシェード,逆生地

「西日対策」と、冷暖房効率を高める「断熱対策」モードはこちら。

外出時や就寝時などの不在時にもお勧めの使用例となります。

 

リビングでの「トップオープン」の使用例。
TV鑑賞やお昼寝に配慮した「日照調整」。

2016.6.3.7

こちらも、ご主人こだわりのリビングとベランダ。

ベランダには南国リゾート気分を味わえる、「籐(ラタン)のソファ」が置かれ、室内の「皮(レザー)のソファ」横には「暖炉」が据えられているという本格的な寛ぎの空間。
静かに流れる時間のなか、心地良くお昼寝ができるような設えです。

 

トップオープン,ハニカムスクリーン

2016.6.3.18

ハニカムシェードが室内外のパーテーションの様な役割を果たしています。

 

2016.6.3.20

リビング、TV,ハニカムシェード

可動式オーニングのあるベランダから望むオーシャンビューも素敵ですが、シェードを閉めてTVを観ても海の気配を感じられる窓辺にになりました。

 

「夜間はシェードの青みが消えて窓辺が漆喰と馴染むのですよ」とお客様からもご満足をいただきました。

以上、本日は「トップオープン」スタイルで楽しむハニカムシェード(スクリーン)の応用提案事例をご紹介させていただきました。

 

 

◆ 当社・『ハニカム シェード(スクリーン)』の特集ページ。
http://www.mitsuwa-i.com/honeycomb.html

 

ミツワインテリア:http://www.mitsuwa-i.com/

 

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輸入壁紙とインテリアペイントで仕上げた壁装。(後編)

2016年06月03日

本日は、転勤期間中に数年間「賃貸し」されていた、お客様お手持ち「分譲マンション」の内装リニューアル事例(後編)をご紹介させていただきます。

「後編」では、「前編」でご紹介をいたしました、玄関・廊下といった生活導線や、ご家族が共用される洗面所・トレイと同じく、塗装仕上げと、輸入壁紙を使って、LDKと寝室のインテリアコーディネートをさせていただきました。

 

◆「前編」のレポートは以下URLよりご覧ください。
http://mitsuwa-i.com/blog/2016/06/01

 

「LDK」は淡いグリーンの組合わせで。

2016.5.2.19

「玄関・廊下」の生活導線と室内ドアを隔てて一直線でつながっている「LDK」のリフォーム前の様子。
天井・壁面をすっきりと同一のビニール壁紙で貼り上げられていました。

 

2016.5.2.21

2016.5.2.20

こちらの居室のリフォームにあたり、お客様からご要望をいただいたインテリアカラーは、「少しグレイを含んだ淡いグリーン」

全体をまとめるペイント仕上げに組み合わせて、ダイニング側のアクセントウォールに「ストライプの輸入壁紙」を組み合わせたさりげない変化を楽しむ仕上げをご提案させていただきました。

 

2016.5.2.4.5

「LDK」のベースカラーとなるペイント色にご採用いただいたのは、sherwinwilliamsの「SW6421(Celery)」
食用茎である『セロリ』の茎に近い部分の淡いグリーンをイメージしたカラーです。

この様なペール(淡い)カラーでLDKなど、広い居室の内装を仕上げる際の留意点は、天候や時間帯、室内照明などの環境により、視覚的に感じるカラーニュアンスが変わりやすいことです。
陽射しの強い時間帯は、色味が薄く白みがかって見えますし、夜間の「電球色」照明などを当てた環境下では黄味がかってみえます。
イメージするインテリアカラーが、打合せ時にご覧いただく小さな塗装チャート常時同じトーンに見えにくいのがペールカラー(淡色)の特徴ですので、それを勘案した色の明度、彩度、色相の微調整提案が必要となります。

 

ライムグリーン 壁

その様なお打合せを経て仕上げられたのが、こちらの事例写真。
イエローで塗り上げた廊下から続くDKエリアは、ベランダ(窓側)からはやや離れているため、ダウンライトで照らされる光源の影響を受けやや黄味がかりますが、廊下とのつながりではお客様のイメージされた変化を表現できました。

 

 

パンメソッド工法で作られる「Drag&Stripe」壁紙

2016.5.2.28

塗装色の「Celery(セロリ)」に組合わせてコーディネートされた壁紙が、英国・Fallow&ball社、カタログ『TENTED STRIPE』の展開色よりPB 1361です。

 

2016.5.2.29

Fallow&ball(ファローアンドボール)の輸入壁紙コレクションの中で、無地やストライプの壁紙については、「前編」でご説明したSurface Print(サーフェィス印刷)技法と異なる、「パンメゾット工法」として知られている製造方法によって作られています。

 「パンメゾット工法」とは、19世紀に生まれた壁紙の印刷技法で、底が開いた容器に塗料を入れ、その下に置いた壁紙を引っ張ることによって、無地や直線的なストライプなど独自の色づけをするため『Drag&Stripe』と呼ばれています。 

ペイントで刷られた壁紙ではありますが、汚れの拭き取りや水拭きも可能な「ウオッシャブル加工」を施しておりますので、程良いメンテナンス性もございます。
 
 

輸入壁紙 ストライプ グリーン

『Drag&Stripe』の壁紙をさりげないアクセントに組合わせたLDの仕上がり。
自然光で過ごすLD側の色調は、室内の陰影のを受けながらご覧の様な淡く優しい配色となりました。

 

 

「主寝室」も塗装と壁紙の組合わせで。

2016.5.2.17

リフォーム前の「主寝室」。

 

2016.5.2.4.2

インテリアペイント ピンク 事例

ベースカラーとなる壁装(3面)のペイント色にご採用いただいたのは、sherwinwilliamsの「SW6282(Mauve Finery)」
白で明るく薄めた「モーブ」系のカラーです。
「モーブ (仏語 mauve)」 は、薄く灰色がかった紫色で、マゼンタよりも灰色や青味が強い色です。
「薄い青」とされる野草の多くも、実際にはモーブ色に属すると言われています。

 

 

2016.5.2.32

2016.5.2.31

「モーブ」系のペイントと組み合わせたアクセントウォールには、やはり19世紀伝来の「パンメゾット工法」による印刷機で刷りあげられた単色無地がコレクションされているFallow&ball(ファローアンドボール)のカタログ、『DRAG DR』より 1236をご採用いただきました。

単色でありながらも、筆で描いた様な独特のヘアラインを生み出すこの壁紙は、ローラー塗りのペイント仕上げでは表現できない質感を味わうことが出来ます。

 

Fallow&ball ファローアンドボール 壁紙 DRAG DR

LDに較べると、やや陽当たりの悪い寝室を優しく華やかに彩る壁紙の仕上がりにお客様も大変ご満足いただき、無事ご入居前のインテリア・リフォームができあがりました。

今回の内装リフォームでは、居室ごとに色を変えて生活の中で心地良い変化が感じられるお手伝いをさせていただきました。
味わいのあるペイント仕上げや、古来から受け継がれる印刷技法を使った壁紙で設えるインテリアの醍醐味をご堪能いただけけば幸いです。

 

◆ 当社・『輸入壁紙施工の施工事例集』 を見る。
http://www.mitsuwa-i.com/yunyuu-k.htm

◆ 当社・「インテリアペイント・リフォーム」の特集ページ。
 
http://www.mitsuwa-i.com/yunyuu-runa.htm

 

ミツワインテリア: http://www.mitsuwa-i.com/

 

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輸入壁紙とインテリアペイントで仕上げた壁装。(前編)

2016年06月01日

お客様お手持ちの「分譲マンション」を、転勤などの期間中に、数年間賃貸しされるされることはよくあることですが、賃貸契約満了時に、新築当初とは違った、「お客様好みの内装」にリニューアルケースして戻ってきたいというご要望が増えています。

 

玄関 輸入壁紙 英国

今回の事例もまさにそれで、まず赴任先のお客様よりメールをいただき、持ち家に戻られるのを機に、新築時に貼られていた、白い無地のビニール壁紙に貼り替えるのではなく、内装にお好みの「輸入壁紙」「インテリアペイント」仕上げに変えてみたいというご相談をいただきました。

内装仕上げ材に輸入取寄せ品を選ばれる場合、入荷までに2~3週間程度お時間をいただく事がありますが、お引越しの1カ月以上前に現地でのお打ち合せをの機会をいただきましたので、お引越しの時期に間に合わせることが出来ました。
本日のブログでは、「玄関」・「廊下」・「洗面所」・「トイレ」といった、ご家族が共用する生活導線エリアの内装リフォームの様子をご紹介させていただきます。

 

「玄関・廊下」のコーディネート

玄関 インテリアペイント

「玄関・廊下」の内装は、上品なブルー地のペイントにモダンな植物パターンが描かれた、英国・FARROW&BALLの「輸入壁紙」に、米国・Sherwinwilliamsのイエロー(SW6695)のペイントで塗り上げて仕上げた「塗装専用壁紙」を組合わせたコーディネートをご採用いただきました。

 

「輸入壁紙」が持つ魅力の源流。
『Surfaceprint(サーフェイス印刷)』

アクセントウォール 輸入壁紙 事例

特に今回ご採用いただいたカラー(BP1648)は、当社でも施工事例が多く、過去の施工事例を気に入られたお客様からご要望をいただいた配色パターンです。

 

2016.5.2.33

FARROW&BALLの壁紙は、ベースカラーとデザインカラーそれぞれに、同社のオリジナルペイントを使用した「サーフェイス・プリント」という昔ながらの版木印刷技法を駆使してつくられたこだわりの壁紙です。

刷り上げるパターンごとに異なる専用の版木を使用するこの壁紙印刷機自体は、現在では製造されておらず、現存する印刷機は、新しいものでさえ100年以上昔に作られたものをメンテナンスしながら使い続けています。

現代のグラビア印刷機の様に大量生産ができないこのアンティーク機械。現役として稼働している機械は世界(欧米)でも10数台ほどしか残っていませんが、「サーフェイス・プリント」機が作り出す立体的な色柄の美しい『輸入壁紙』はいまなお、根強い人気があります。

◆『Surfaceprint(サーフェイス印刷)』について。
http://www.mitsuwa-i.com/yunyuu-k-surface.htm

 

 

「洗面所・トイレ」はオリジナルの塗装で。

2016.5.2.16

2016.5.2.8

廊下の途中にある「洗面所」と「トイレ」もお客様の好きなブルーを使ったペイントで仕上げることになりました。

 

洗面所,インテリアペイント

ドイツ製・「塗装仕上げ専用フリース壁紙(ルナファーザー)」に貼り替えたのち、ベースカラーにSherwinwilliamsのインテリアペイントより「SW6950(Calypso)」を選び塗り上げています。

「Calypso(カリプソ)」 は、ギリシャ神話に登場する海の女神カリュプソー(Καλυψώ; Kalypsō)に由来する名を色であらわしたものですが、小空間での単調さにメリハリを付けるために、メインのマリンカラーにゴールドとシルバーといった貴金属色(メタルカラー)のラインを加えてさりげなくモダンな印象を加味しました。


2016.5.2.26

塗り分け施工中の様子。

 

2016.5.2.9

こちらは既製の壁紙ではなく、現地手作業で塗り分けたストライプですので、かなり手間がかかる作業です。
リフォーム期間中にコツコツと仕上げた、一番手間の掛かっているスペースとなりました。

 
次回は、「リビング・ダイニング」と併せて、「主寝室」など、プライベートエリアとなる各居室の壁紙リフォームのBefore~Afterをご紹介させていただきます。

 

 

◆ 当社・『輸入壁紙施工の施工事例集』 を見る。
http://www.mitsuwa-i.com/yunyuu-k.htm


◆ 当社・「インテリアペイント・リフォーム」の特集ページ。

 http://www.mitsuwa-i.com/yunyuu-runa.htm

 

ミツワインテリア: http://www.mitsuwa-i.com/

 

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