Mitsuwa Interio STAFF BLOG「ミツワインテリア」のスタッフ・ブログでは、日々の施工事例や新着情報をご紹介しています。

「冬場の保温対策」と「遮音対策」を緩和するオーダーカーペットの応用施工事例。

2017年01月15日

1月に入り、東京・神奈川エリアも、例年より冬の寒さが非常に厳しくなってきました。

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冬場は、「窓周り」から入る冷気も悩みとなりますが、直接足の裏に密接して体温を奪いやすいフローリングは、「冷え症」の方にとっては、深刻な悩みとなるため、この季節は「保温対策」として、カーペット工事の依頼が増えています。

また、季節に関わらず当社では、マンションなど「集合住宅」における、階下世帯との音のトラブル回避策として、「遮音対策」を強化したカーペット施工の依頼をいただくことも多いです。

 

 

「保温」と「遮音」を両立させる、
現状回復対応のオーダーカーペット施工。

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当社が行っているカーペット施工の応用事例の1つに、将来的にフローリングを傷めずに「原状回復」することも視野に入れた本格仕様の「置き敷きカーペット」施工があります。

これは、インテリアの美観を重視しつつも、「保温」「遮音」といった対策を講じて、お子様の成長や賃貸住宅退去等に伴う将来的な原状回復時に、カーペットにより、フローリングが生活傷から守られているという二次的効果が期待できるものです。

当社では、20年以上、カーペットを使用した遮音対策の提案施工に注力していますが、「読売新聞(全国版・朝刊・くらし面)」で取り上げられて以来、より多くのお客様から、ご指示ををいただけるようになりました。

 

 

 集合住宅(マンション)での
階下への「遮音」対策。

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今回の事例でご紹介する、特殊置き敷き仕様のカーペット施工は、階下への「遮音対策」と「冬場の冷え対策」を兼ねたご要望でした。

 

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玄関から一直線でLDに5m以上続く廊下などは、大人がゆっくり歩行するには支障ないのですが、小さなお子様にとっては走り出して加速しやすい滑走路となりやすいため、その流れで、LDでも駆け回ってしまう癖がつきやすい事が多く、これが音のトラブルに発展することも少なくありません。

しかも、マンションの廊下部分は、フロア下に給排水スペース(空間)が集中していることもあり、歩行音が他の居室よりフローリングの下で共鳴しやすい状態にあります。

 

マンション 廊下 遮音対策

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そこで今回は主要な生活動線部分に、特殊な圧縮加工を施して遮音性を高めた8mm厚の下地材を敷いたのち、現在、国内では最高水準の遮音効果が得られると言われている、11.5mm厚の「遮音・ウールカーペット」の2重敷き工法を行って、原状回復対応型の置き敷きとしては徹底的と言える対策を講じました。

※補足として、こちらの物件は分譲マンションでしたので、総厚20mmほどのカーペットの敷設に伴い、室内ドアの調整を行いました。
調整は、ドアの下側をカンナ仕上げで削れるドアであれば対応可能ですが、削り厚は5mm程度までとなります。
それができない場合は「遮音・カーペット」の単独敷きでの対応となります。

遮音カーペット工事の実績として、90%以上は、1枚敷きでの実施です。

 

「遮音・カーペット」の1枚敷きでも、使用する素材によっては満足のいく効果が上がることが多いです。

 

 

「遮音・ウールカーペット」の選定

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今回ご採用いただきましたウールカーペットの繊維構成は、75%がオーストラリア産の『メリノウール』、25%が子羊の『ファーストラム』が高密度で紡績、パイルされたもので、国産ウールカーペットの中では定評のあるロングセラー製品です。

特に、衣料用ウールとしても珍重されているメリノを、高密度パイルにより「弾性回復力」に富んだ製品として仕上げていますので、長期の使用でも遮音性が維持されやすいことと、カーペットの基布には厚さ3mmのフェルトが使われているため、基布側の弾力性、遮音性も高く、「床暖房」にも対応したフロアに優しい下地も魅力です。

 

 

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廊下に続いて、横長の「リビング・ダイニング」エリアにも遮音対策を講じています。

 

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マンション リビング 遮音対策

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LDにカーペットを敷くメリットとしては、「遮音」と「保温」対策以外にも、「広々としたLDの床で座っても過ごせる快適性」があり、カーペットの施工により、広い居室でゆったりと家族団らんなどができる潜在性を掘り起こすことにもつながります。

 

 

カーペットで「ハウスダスト」対策。

最近では「掃除機」の性能も上がってきました。
また、我々は、これに併せて市販の「コロコロ・ローラー」をこまめに使った日常のメンテナンスをご提案させていただいております。

カーペットには、「遮音」・「保温」・「寛ぎ」・「ハウスダスト対策」など、生活の質的向上に結び付くメリットがたくさんあります。

 

◆ 参考・当社『オーダーカーペット(置敷き)施工』の特集ページ
 http://www.mitsuwa-i.com/overlock.htm

◆ 参考・当社『カーペット(敷き詰め)施工』の特集ページ
http://www.mitsuwa-i.com/carpet-2.htm

 

 ミツワインテリア:http://www.mitsuwa-i.com/

 

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「コーナー窓仕様」のバーチカルブラインド。採用事例と注意点。

2017年01月12日

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近年の住宅では、窓周りが持つ意匠性が設計に大きく反映される事が多く、「高断熱仕様」の注文住宅などでは、縦横にたっぷりとした採光を確保した窓が増えています。

縦長ルーバーの開閉と調光だけで窓辺をシンプルにすっきり納められる『バーチカルブラインド』は、モダンスタイルの住宅設計では人気のある製品です。

とはいえ、窓の方位や、夏冬や一日における太陽の直射や入射角の変化、季節の違い等により、「遮熱」・「保温」など断熱対策にはフレキシブルな対応を考慮する必要があったり、外部からの「プライバシー」確保も考慮する必要があるため、提案する製品仕様の詳細は状況により異なることも多いです。

 

 

ニチベイ・「アルペジオ」
『コーナー窓仕様』とは。

ニチベイ・「アルペジオ」で展開されている、『コーナー窓仕様』とは、ルーバーを閉じた際、コーナー部に生じる製品間の隙間を無くすために開発された製品仕様です。

コーナー側に位置する左右いずれかの製品端部ルーバーが、「閉じた」状態の際にヘッドレールより長くなり、他方のヘッドレール内に入りこむことで、コーナー部分に生じる隙間の問題を解決。

これにより、光漏れや外部からの視線が気にならなくなり、コーナーの印象もよりスマートになります。

 

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『コーナー窓仕様』の組合せは、構造上の問題で「ループコード式」限定対応、開閉の納まりは「片開き」のみとなります。

バーチカルブラインドと言えば、オフィスや商業施設で多く使われている印象がありますが、近年は住宅用での採用も多くなっているため、操作部の改良も徐々に工夫されてきています。

 

 

「入隅・コーナー窓」での現地打合せ。

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今回は、ベランダ側に分岐する階段途中にある、「多目的スペース」のL字(入隅)窓で、『コーナー窓仕様』のバーチカルブラインドをご提案させていただきました。

窓の内側が、オペレーションハンドル操作の開閉窓となっていて、外側がFIX形状の窓の組合せです。

 

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窓のコーナー部に8cm程度の壁面と窓枠がありましたが、時間帯により、左側窓から「陽射しの入射」が強まることと、どちらかといえば、左側のプライバシー対策も強化したいという要望がありました。

 

 

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今回の場合、『コーナー窓仕様』としてオーダーする、ヘッドレールの配置は、図説(左)の、「コーナー・左勝ち納まり」ですが、ブラインドボックスや窓枠内に天付する納めとは異なるため、壁面「正面付」納めの場合で、障害物となる「窓枠の出幅」と設置に使用する正面付ブラケットの形状を考慮した配置を別途考える必要があります。

 

 

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写真は、「コーナー・右勝ち納まり」の画像となっていますが、バーチカルブラインドの「ヘッドレールの中心線」が、壁面より7cmほどの位置にくるシュミレーションを、模型を使いフロア面から確認している様子です。

微妙な納まりとなるため、図面だけでは割り出せない実行寸法の確認過程です。

まず、窓枠の突出が10mm程度ありますが、壁から70mmのクリアランスを設けることにより、半径50mm(直径100mm)のルーバーが回転しても、窓枠につかえない納まりが可能であることが判りました。

 

バーチカルブラインド 畳み代 とは

製作幅の割出は、模型の組合せをコーナー・左勝ち納まり」に置き換えた位置関係で考えます。

まず、左右の窓枠端までの距離を計測して、そこに目安となる「ルーバー畳み寄せ代」を加算して決めるという段階を踏んで決定しました。
「畳み寄せ代」の算定は、製品カタログに算出式と、目安の一覧が記載されていることが多いので、それを参考にして決めます。

 

 

入隅 『コーナー窓仕様』の完成と納まり。

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L字窓 バーチカルブラインド

 「コーナー・左勝ち納まり」・全開時の様子。

 

 

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コーナー窓 バーチカルブラインド

次に、ルーバーを垂直に立てた調光状態での納まり。

 

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ニチベイ アルペジオ コーナー窓仕様

最後に、『コーナー窓仕様』の肝となる「ルーバー全閉時」の納まりです。

 


 

***その他・参考事例***

※参考までに、出隅「コーナー窓」での納品イメージは⇒こちら

 

入隅「コーナー窓」に、遮熱効果とプライバシー対策効果を高めたセンターレース スタイルを組み合わせた納品イメージは⇒こちら

 

 

以上、本日は、ニチベイ・バーチカルブラインド『アルペジオ』のオプション仕様として用意されている『コーナー窓仕様』の事例紹介をレポートさせていただきました。

住宅の意匠で「バーチカルブラインド」をトータルコーディネートする際の組合せの一つとしてご検討下さいませ。

 

◆『バーチカル(縦型)ブラインド』特集ページ
https://www.mitsuwa-i.com/ver&ver.html

 

ミツワインテリア:
https://www.mitsuwa-i.com/

 

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「横長窓」のスタイル提案で必要な「バランス感覚」とは。

2017年01月09日

あけましておめでとうございます。

2017年も「ミツワインテリアのスタッフブログ」をよろしくお願いいたします。

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当社は、「窓周り」と内装・造作を含めた「リフォーム」専門スタッフがコラボレーションして、トータルインテリアコーディネートの提案施工を行なうインテリア専門店です。

本年も少人数ながら団結して、東京・神奈川エリアでの活動に注力してまいります。

 

西洋インテリアの魅力
時代に育てられた「デザイン美」・「素材美」

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現在、六本木ヒルズ・森タワー52階の「森アーツセンターギャラリー」で開催される、『マリーアントワネット展』(副題:美術品が語るフランス王妃の真実)に昨年末行ってまいりました。

2017年2月26日まで行われており、「ヴェルサイユ宮殿」が企画監修・主催に関わる、話題の観覧イベントです。

インテリアの仕事に携わらせていただいていつも思うことは、海外での生活や旅先でご自身が魅了された体験を「我が家で具現化してみたい」というご要望が多いことです。

また、休日などに美術館や博物館での催事を観覧される方も多く、お打合せの際もお客様から、国内外で経験された興味深いお話をうかがう機会が多いのです。

我々も仕事柄、なるべくその様な世界に触れて行きたいと思っており、とりわけ、西洋史の潮流と伝統に育まれ、今日も愛され続けているインテリアが持つ、研ぎ澄まされた「デザイン美」・「素材美」の一端を間近で見られる催事には今年も通って行きたいと思っています。

 

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『マリーアントワネット展』では、絵画や美術工芸の展示と併せて、当時のインテリアの再現ブースも設営されておりここは撮影可能となっています。

デザインが芸術の域まで極められ、希少性のある素材をふんだんに散りばめたインテリアの再現は、国内の展覧会レベルでは不可能なため、再現で使用されている場面は、デザイン・素材ともに絢爛豪華ではありませんが、現代日本のインテリアシーンでもある程度反映できる見本となっています。

贅を尽くした究極のインテリアは規模が大きすぎるため、本物の「ベルサイユ宮殿」や、英国のバッキンガム宮殿やマナーハウスなどを見学するしかないでしょう。

 

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場内で買い求めた「公式プログラム」は今後の提案資料として活用します(※左はスケール比用のお菓子)。

 

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こうした、オフィシャルプログラムは情報量も多いだけでなく観覧されたお客様との情報共有にも活用できる打合せ資料にもなります。

当社手持ちの「輸入壁紙」のカタログで系統の似た提案素材を探したり、、、。

 

ベルサイユ宮殿 カーテン

モチーフにしたであろう「ファブリック」を探したりと、店内でフィードバックする過程は、現実的なご提案の「準備」となり、ここまでしてようやく我々の情報源としての糧となります。

 

 

『BonChic ボンシック』VOL.14 
「インテリアに洗練とぬくもりを。アンティークに魅せられて。
(別冊PLUS1 LIVING) ・2016年10月25日号

 
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ちなみに、『マリーアントワネット展』会場の公式ショップでは、本展の見どころを13ページにわたって特集している、インテリア情報誌『BonChic VOL.14』も売られています。
 

 

「当社施工事例」も掲載

BonChic VOL.14 インテリア 事例

『BonChic VOL.14』では、幸運なことにミツワインテリアの事例紹介も『エレガント・リノベーション』事例特集のひとつとして2ページにわたり取材を受けました。
 

『エレガント・リノベーション』の編集コンセプトは、標準仕様の内装で仕上げられたマンションや戸建て住宅であっても、リノベーションやリフォームによりエレガントなインテリアに生まれ変わらせることが出来る可能性の提示です。

「カーテン」や「壁紙」、照明、モールディング、造作家具など、憧れのディテールをちりばめて、「夢の空間」を叶えた事例紹介が好評な様で、当社でも年始から数件のお問い合わせをいただいております。

 

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総幅8m、天井高2.7mのダイナミックな多角形(8角形)窓。

窓装飾の「上飾り(バランス)」と連続させて、天井と壁の境界には、デコラティブな「装飾モールディング」を設置したトータルコーディネートです。

 

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こちらの補足写真は、出版社の取材とは別に当社が撮影させていただいたもので、詳細は以下のブログからご覧いただけます。
http://mitsuwa-i.com/blog/2015/12/25

 

 


 

本年最初のお題

 

高さの低い「多角形の大型窓」
スワッグの高さとスタイルの工夫。

横長窓 スタイルバランス

さてさて、前振りが長くなりましたが、本日の事例紹介です。

近年、高層マンションを中心に「多角形の大型窓」が増えていて、LD一体型の居室構成に伴い、幅6mを超える様な「横長窓」が増えています。

ご覧いただいている窓は、左右のコーナー部分を含めると9mの幅があり、肉眼で見るとダイナミックに窓全体が視野に納まるのですが、近距離からの撮影では全体像がファインダーに入らないため、パノラマ撮影モードに分割してご覧いただいております。

 

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メインのカーテンでご採用いただいたのは、クラシカルなダマスク地に程よい縦ストライプのコンビネーションが人気の「マルメゾン」。
マナトレーディングの『MANATEX  VOL16』収録の人気ファブリックですが、お客様より、この生地に合わせた「装飾バランス」をスタイルして欲しいという強い要望がありました。

9mの窓に対して、梁下のカーテンボックスからフロアまでの高さを2mとしてデザインしても、横縦比「4.5 : 1」となります。
取付高が低めの窓の場合、横長形状が強まるほど、「上飾り」の提案難易度が高まるという問題があるのです。

 

 

V「valance(上飾り)」 で始まるバランス と、
B「 Balance(比率)」 で始まるバランス

マナテックス マルメゾン カーテン
 

現代の住宅事情において、バランスの装飾効果を高めるポイントとして、まず第1に考えなければならないのは、天井や窓の高さとバランスの寸法比率の確認です。


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「valance(上飾り)」 で始まるバランス
と、
B「 Balance(比率)」 始まるバランス の調和を念頭に入れた提案をする必要があり、
一般的にはカーテンの丈の「15%程度」をバランスの丈として、カーテンの吊元が見えないようにバランスをかぶせるのが基本とされています。

今回の事例では、「スワッグバランス(ジャボ=ネクタイ付)」の丈を30cmでデザインしています。
比率の目安(全体丈の15%)だけで考えれば、高さ2mの窓であれば、上部の上飾りは30cm以下で作れば良いともいえますが、横長窓の場合、単純にその基準が当てはまらず、窓に合わせたスタイリングに苦慮しました。

 
 
 
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参考までに、「カーテンボックス」が天井高(2.5m)にある窓で、2mのサッシの上が壁になっている場合などでは、フレームラインを基準にして壁面をすっきりと覆う配分でスワッグとジャボ(=ネクタイ)をレイアウトしていますが、この場合のバランス比は全体サイズの20%近くの大きめの比率で綺麗に納まっています。
 
 
 
ストレートバランス 腰高窓
 
また、梁下高2mの「腰高窓」であっても、窓の外に雑居ビルの壁が隣接している「学習室」など、椅子から見上げた状況でのアイラインが高く、眺望をむしろ遮りたい窓などであれば、高さが横に均一となる「ストレート」系のバランスを全体丈の20%以上でスタイルしても圧迫感は感じられず、周辺家具と一体化した調和と装飾性が得られる場合もあります。
 
  
 
「縦比率」に対してのバランス調整。
 
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この様にバランスのスタイルは、窓と天井との距離関係や、窓枠の高さの高低によってカーテンの吊り元とバランスの重なりの度合いが調整されるため、窓を取り巻く周辺の状況によって仕上がりの印象が変わる奥深いものです。


そのため、実際の現場を見ながらスタイルの寸法比率をその都度シュミレーションして、お客様と入念な打合せをする必要があります。

こちらの「床高2mの窓」は、生活者の身長からくるアイラインと窓辺の雄大な眺望を考慮して、本来の設計としては床上2m部分を全て視野とした使用を想定して作られている窓でした。


夕方の低い陽射しを緩和する「庇(ひさし)」の機能性を持たせて「上飾り」をデザインする場合であっても、やはり180cm程度の開口を確保しなければ窓辺に圧迫感を感じられる窓でしたので、こちらの窓では、縦比率15%(30cm)で均等に窓の上部を覆ってしまう「ストレートバランス」は向きません。
なるべく、上部を軽やかに仕立てる必要がありました。
 
 
 
「縦横比」に対してのバランス調整。
   
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かといって、横縦比「4.5 : 1」の窓に、縦比率だけに配慮した「スワッグバランス」をスタイルしてしまうと、上部開口の圧迫感は緩和させますが、上飾りのデザインが間延びしてしまいます。
 
幅9m、カーテンボックス高が2mの窓に、最頂高30cmの「スワッグ・バランス」をデザインした今回の事例では、縦比率と合わせて横比率も考慮しているため、スワッグの「懸垂曲線」が緩やなものとなり、上部のくびれ(谷)も広く緩やかになります。
 
 
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そこで、上部開口の圧迫感は緩和させつつ、横比率の調整により緩やかになった谷間に、シャープで両側の『テール』との視覚的連結が得られる装飾『ジャボ』を加えて最終的なバランスを整えました。
 
ジャボ(英:Jabot)」とは、中世にヨーロッパで用いられていた襞の付いた胸の飾りに由来しており、わかりやすく「ネクタイ」と呼ばれることもあります。
 
 
 
ジャボ とは
 
「テール」と調和した「ジャボ」が入る事により、緩やかな谷のくびれにリズミカルなアクセントを加えることができました。
 
 
 

『スワッグ&テールバランス(ジャボ付)』のファブリックにお選びいただいたのが、やはり『MANATEX  VOL16』収録の「シルク調」の無地・『ベガ(全16色)』より、表裏リバーシブル・カラーのコントラストが効いている4番色です。

ベガは、1枚の生地に「A面(ブルー)」と「B面(ブラウン)」のあるリバーシブル生地ですので、折り返しの縫い代が見えない「スワッグ」部分は、1枚仕立てでシンプルにスタイルしていますが、複雑な生地の折り返しが見え隠れする「テール(カスケード)」「ジャボ(ネクタイ)」の表裏は、A面とB面を頂点で縫い合わせる「無双縫製」の技法により、生地1枚使いのスワッグ表裏とのカラーバランスを整えています。

 

 

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 こうして、縦横の様々なバランス比と窓辺のロケーション、生地の特性を考慮しつつ、無事にお客様のご希望を叶えることができました。

 

 


 

この様に専門性の高い「オートクチュール」を要するご依頼に対しましては、対応も非常に細やかなものとなります。

窓のサイズ、選ばれる「生地の組合せ」、「スタイル」、「アクセサリー」の相違により、組合せのお見積は大きく変わります。

その様な理由のため、大変申し訳ございませんが、お電話一本で「ざっくり幾ら?」とおたずねいただきましても即答ができかねますこと、ご理解いただきます様お願い申し上げます。

お客様とのコミュニケーションを密にして、理想を叶えるご提案となるよう、今年も心がけております。

 

◆ 当社 ・「装飾バランス」の特集ページを見る。
http://www.mitsuwa-i.com/balance.htm

◆ 当社・『オーダーカーテン』の特集ページ を見る。
http://www.mitsuwa-i.com/sub2.htm

◆ 当社・『輸入カーテンの特集ページ』を見る。
http://www.mitsuwa-i.com/inhouse-2.html

 

ミツワインテリア: http://www.mitsuwa-i.com/

  • カーテン(国内ブランド)
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裏地付カーテンの新調で「空き部屋」を過ごしやすい「客間」にリニューアル。

2016年12月29日

マナテックス エッチング&ローズ 204

お子様が独立されて、空き部屋となった「子供部屋」を、気軽に親戚やお客様が泊まれる「客間」としてリニューアルされる方は多いと思います。

当社でもそうしたお部屋についての内装リニューアルのご相談は多く、古くなった「壁紙」をゲストルーム用に貼り替えたり、「カーテン」や「カーペット」などをコーディネートさせていただくことも多いです。

「壁」・「床」・「窓周り」といった居室の表面積にあたる部分をリニューアルすると、居室の雰囲気は全くといっていいほど変えることができますが、「カーテン」だけを個性的な色柄のものに変えるだけでも随分イメージは変わります。

 

 

『MANAS-TEX VOL.16』より
生地品番:「エッチング&ローズ 204」

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今回の模様替えでは、英国・「サンダーソン社」の人気ファブリックで、国内では、マナトレーディングのリリースする、カタログ「マナテックス・Vol16」に収録されている、『エッチング& ローズ』の色番:204番色をご採用いただきました。

『エッチング& ローズ』は、綿・麻と言った天然素材が多く使われているプリント生地です。

今回は、プリントの持つ美しい発色と緻密なデザインの「褪色」を抑えて長くお使いいただくために、「裏地」を併用いただきましたが、裏地を付けることにより、2枚の生地の間に空気層ができるため、冬の保温、夏の遮熱効率が格段に向上します。

特に、不特定の方をお招きする客間の場合であれば、「裏地付」のカーテンを設えるだけで、見た目が美しく、そして過ごしやすい客間になります。

 

 

英国大使館の・「庭園」でもディスプレイ。

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『エッチング& ローズ(204)』のファブリックは以前、東京・番町の駐日英国大使館の大使公邸で開催された、「英国・サンダーソン社 創立150周年記念祝賀会」式典終了後に行われた、ティーパーティーの際に、大使公邸の庭園内ディスプレイされた、5アイテムの人気生地の中の1つで、もあります。

 

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こちらが、大使公邸の「庭園」でディスプレイされた、『エッチング& ローズ(204)』の様子です。

なかなか、こういったシチュエーションでお披露目されるファブリックというのは少ないのですが、それだれこの生地に魅力があるということなのでしょう。

 

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もちろん、当社でも、オーダーカーテンの展示縫製品をご用意しており、今回も実際のお部屋でも実際にサンプルを窓辺に掛けていただきご採用いただきました。

 

お客様宅の「庭園」と「エッチング&ローズ」

「エッチング&ローズ 204」 カーテン


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新たに「客間」となった窓を開けると立派な庭園がございましたので、英国大使館の大使公邸での『エッチング& ローズ(204)』ディスプレイの記憶がよみがえりました。

12月末の落葉後の時期ではありますがとても風情のあるお庭です。

 

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標高の高い地域ではおなじみの「白樺」なども植えられていました。

『エッチング& ローズ(204)』の納品後、お客様宅のお庭で、日本茶とお菓子、ミカンをいただき会社にへと戻り、今年最後の納品が終わりました。

 

 

◆ 当社・『輸入カーテンの特集ページ』 を見る。
http://www.mitsuwa-i.com/inhouse-2.html

ミツワインテリア:http://www.mitsuwa-i.com/

 

ナニック・ウッドバーチカルブラインド。インテリアに合った「茶系」を探す。

2016年12月27日

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本日は、美しい木目と73配色のこだわりのカラーバリエーションを持つ、ナニック『ウッドバーチカルブラインド』より、「キャラメル(067)」色のコーディネート提案事例をご紹介させていただきます。

 

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厚さ5mm、迫力ある89mm巾のルーバーが魅力のウッド・バーチカルブラインド。

当社でも、厚さ3mmの横型ウッドブラインドと並べて展示しておりますが、パッと見の存在感が際立っています。
ご来店いただきましたお客様にも大変気に入っていただき、新居の窓辺に、立ち並ぶ森の木々の様な印象の縦型バーチカルブラインドのご依頼をいただきました。

 

 

ナニック ウッドバーチカルブラインド
「カーテンボックス」へ設置する際の注意事項

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ナニック・ウッドバーチカルブラインドの「ヘッドレール」サイズは厚さ57.5mm。
ヘッドレール上部からルーバー上部までの長さが71.2mmとなっています。

この基本データをもとに、「カーテンボックス」や「ブラインドボックス」内に設置する場合、90mm厚のオプション「バランス(化粧板)」を併用するかどうかをご検討いただきます。

 

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目安として、カーテンボックスなどの深さが極端に浅い場合(60mm以下)の場合は、ボックス内に横板となるバランスを併設して、ヘッドレールとルーバーの吊元を覆った方が良い場合もありますが、これは窓の形状や状況によって判断が微妙となるため、ヘッドレールの模型などをお持ちして実態に納まりのイメージ確認をしていただいております。

 

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こちらの窓の場合、カーテンボックスの幅が150mmありましたので、、、

 

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ヘッドレールのみの単独使用(D:110mm以上)はもちろん、通常は使用しませんが、オプションバランスの併用(D:127mm)に必要な奥行寸法も確保されています。

 

 

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次のチッェクポイントは、カーテンボックスの深さです。
計測しますと85mmありました。

 

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オプション化粧バランスの厚みが90mmですので、その数値よりはやや浅めですが、バランスの併用をすることなくすっきりと納めることができました。

近年のマンションでは、「カーテンボックス」の深さが100mm以下になっているケースがほとんどですので、採寸の際は、その度合いを確認しながら打合せを行う事が多くなりました。

 

 

居室を構成する「インテリア・カラー」
を考慮した
カラーコーディネート。

73配色のカラーバリエーションの中で「茶系」の色調が感じられる15配色のカラーチャートをご覧いただきながら、お部屋を構成する、「フロア」「壁装」「室内ドア」「家具」といった、インテリアを構成する色味とのバランスを考えました。

一口に「茶系」と言っても微妙なニュアンスがありますので、それぞれの特徴をしっかりと把握して整理する必要があります。

 

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居室のベースとなる、「フロア」「室内ドア」は、ややグレイッシュなライトオーク調の木目色で淡いイエローの要素がありました。

 

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ソファの色は「ライトグレー」で、フロアと自然になじんでいます。

ウッドバーチカルブラインドの手前にくるソファの存在感がぼけない茶系ということで、グレイッシュの要素が含まれたルーバーカラーを除外することにしました。

また、インテリアの構成要素に「赤み」はなく、大面積で赤味を採り入れる要望もないため、「赤茶」のルーバーカラーも除外しています。

 

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最終的な着目点となったのは、お客様お気に入りの、ダイニングチェア。

 

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繊細な縦のフレームラインが、ウッド・バーチカルブラインドと相性抜群であることと、座面のグレーがソファの布地ともマッチしていました。

 

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最終的に、今回は、ダイニングチェアのカラーに合わせて、わずかにイエロー系の要素を含む『キャラメル(067)』をウッドバーチカルブラインドのルーバーカラーにすることになりました。

 

 

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「開閉操作」の仕様は、FIX窓やベランダへの出入側も考慮して、2つの窓ともに「右操作・左寄せ」で納めています。

束ねたルーバーの隙間からの「木漏れ日」も素敵です。

 

 

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ルーバーを分割する「ヒンジ」デザインのパターンは、2016年から新たに加わった、「Bヒンジ」タイプ

メーカーお勧めのパターンでもありますが、この緻密なヒンジパターンはお客様からも好評です。

 

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選定色は違いますが、メーカーのカタログイメージにも似た、窓辺に自然を感じられる素敵なインテリア・アイテムとなりました。

 

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以上、本日は『窓辺の家具』と評されるナニック・ウッドバーチカルブラインドの納品事例をご紹介させていただきました。

 

◆ ナニック ウッドブラインド」の特集ページ。
http://www.mitsuwa-i.com/newpage13.htm

◆ 当社・『木製ブラインドの特集ページ』を見る。
http://www.mitsuwa-i.com/tokyo-b.htm

ミツワインテリア:http://www.mitsuwa-i.com/

 

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