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ウィリアム モリス・『Fruit(フルーツ)』のカーテン。こだわりの納品事例。
中古住宅を購入されたお客様から、塗り壁と室内塗装のリフォームを終えたリビング・ダイニングにウィリアム・モリスのカーテンを採用したいというご相談をいただきました。

ご採用いただいたのは、ウィリアム・モリスが1862年に発表した作品『フルーツ(Fruit)』です。
現在、国内では「マナトレーディング」が取扱う英国・MORRIS & Co.の輸入ファブリックをはじめ、「川島織物セルコン」「サンゲツ」「リリカラ」による織物・刺繍・プリントなど、4つのブランドで同一デザインが展開されています。
当社でも各ブランドの縫製展示品をご用意していますが、今回ご採用いただいたのは、オリジナルのプリント(綿)ファブリックです。
輸入住宅の意匠を活かしたカーテン選び
今から25〜30年前、シンプル&モダンやナチュラル&モダンといった住宅スタイルが流行する以前には、英国クラシックスタイルのデザインを効果的に取り入れた輸入住宅が、住宅シーンにおけるひとつのステイタスでした。
実際、住宅の流行は、家具や照明のトレンドとも連動しており、5年・10年という周期で時代の感性を反映しながら変遷しているのですが、現在でも、クラシックスタイルを好む方は少なくなく、その普遍的な魅力が見直されています。
こちらの物件は、ちょうどそのブーム期に建てられたものでしたが、今回のリフォームでは、室内の造作家具や建具に使われた輸入建材を再塗装し、壁・天井のクロスを塗り壁へと改装することで、新たな魅力を備えた空間へと再生されました。
窓まわりも、クラシカルな印象を際立たせるモールディング仕立てのカーテンボックスや太めのフレーミング、近年ではあまり見られなくなった出窓など、装飾的要素が豊かです。
そのため、意匠性の高いカーテンレールや柄物のファブリックが一層引き立つ構成となっています。
カーテンに採用する作品は、事前のご来店時にお客様からご指名いただいた、オリジナルのモリスデザイン3作品の中から、現地確認を経て決定しました。
ウィリアム・モリスの『フルーツ(Fruits)』
ご採用生地の『フルーツ(Fruits)』は、1862年にウィリアム・モリスが初めてデザインした3点の壁紙の中の1つで、後にファブリックが加わりました。
デザインにおけるパターン構図は、「右斜め上」に伸びるフレームの中に、地紋柄とメインとなるフルーツのデザインを組み合わせた構成で、「枝と枝」は、モリス後期の作品にみられる、絡み合うパターンととせず、シンプルなパターンで描かれています。
写実性や規則性をやわらげた中でデザインの統一表現を目指し、天然果実の持つ本来の魅力を失わせないように注意を払ってデザインしたと言われています。

もともとが壁紙のデザインということもあって、先月の事例でも紹介したように平面表現のローマンシェード仕立てとしても人気のある『フルーツ』ですが、ヒダを取ったドレープ仕立てでも果樹園の雰囲気を立体表現で楽しむことができます。
詳細は以下をご覧ください。
以下納品後の様子です。
装飾モールディング仕立てのカーテンボックスは、間接照明を中心に掃出し窓(右側)と2対の上げ下げ窓をシンメトリー表現でまとめました。
ダイニングの出窓には造作収納とベンチチェアがあり、こちらはカーテンの代わりにチェアカバーに『フルーツ』をコーディネートしました。
リビング側の窓にはカーテンボックスがないためアンティークホワイトの装飾カーテンレールを組合せています。
クローゼット側の窓は扉の開閉に支障があるため、壁面にはシングルの装飾レールを設置しています。
枠内の奥行きも狭いため、レース用のレールは極力コンパクトな機能性レールを組合わせることになりました。
窓枠内に採用したトーソーの『シエロミニ』。
ミニマムデザインの薄型レールでありながら、滑走性、静音性に優れているこだわりのレールで、装飾性の高い窓枠を邪魔しない引き立て役となりました。
ちょっとした工夫を加えながら、もともと壁紙のデザインであった『フルーツ』が窓辺と空間を瑞々しく彩る素敵なリビング・ダイニングができ上がりました。

























