本日のブログのテーマは、「夢」を育む。
「屈折」面に並ぶ2つの掃出窓の形状に配慮した、カーテンとレースのコーディネートと『装飾バランス』提案施工のご紹介です。
「屈折」面に並ぶリビングの窓。
華麗でダイナミックに魅せる窓装飾を考える。
まず、こちらは、お打合せ時にダイニング側から見たリビングエリアの様子。
空間自体はLDとしてひと続きですが、天井を横断する「構造梁」を境としてリビング・ダイニングが区分されている間取りのため、リビング側の窓の存在感がクローズアップされて視界に入る印象がありました。
既存のウィンドゥ・コーディネート。
後幕は薄手の無地レース、前幕も薄紫の横ボーダーが入ったレースの組合せからなる、明るい「フロント・レース」スタイルで仕立てられていました。
今回、お客様からいただいたご要望は、空間として完成の域に入っているリビングの演出を、お好みの「パープル系のファブリック」を効果的に使って華麗なスタイルで最終形にまとめたいというものでした。
スタイルのポイントとして、2つの掃出窓を区切る壁面に掛けられた『夢』と描かれた書画をリビングのテーマとして、「家具」、「小物」、「生花」といった嗜好品が凝縮されている窓辺の連続性(一体感)を強めた提案を考えることになりました。
「リビング」エリアのインテリアと窓辺のクローズアップ。
「屈折」壁面に配列されている2つの掃出窓の幅は、左側がW2.2m,中央の壁を挟んで右側がW1.8mありますが、『夢』の書画が描かれている壁面部に連続性を持たせると、幅4.7mのダイナミックな窓辺として捉えることができます。
打合せ時のチェックポイントとして、2つに区分された「掃出窓」の上部が「カーテンボックス」としてつながっていたため、中央の壁面部分にも『上飾り(スタイル・バランス)』を追加することにより、ひと続きの窓として捉えられる一体感がを持たせる工夫が可能であることが判りました。
ただし、窓の高さはH200cmと短めなので、幅470cmにスケールアップする窓との縦横比に配慮したスタイル提案をする必要があります。
『夢』を育む窓。
一体感と演出法を考える。
それでは、今回のスタイル提案の概要を、提案素材のご紹介を含めて解説いたします。
お客様のリクエストであった、高貴な印象を放つ「パープルの柄物」としてご提案しファブリックは、川島織物セルコンのFT0171。
濃淡で表現したパープルのストライプ地に、「ペイズリー」が散りばめられた「カシミール」風紋様をライトゴールドの織りで表現した、上品なクラッシック柄です。
「ペイズリー(paisley)」とは、起源となるペルシャを経て、インドのカシミール地方にて、カシミア・ショールの伝統模様として完成した柄で、複雑で特有な植物模様を持つ織りが特徴です。
18世紀の初めにイギリス、スコットランド南西部の都市ペイズリー市に移入してからは量産化が図られ、この名が広まり、現在でもファッションを含めて様々な生活シーンで珍重されているお馴染みの図柄です。
当社には、コーディネート・レースとしてご採用いただいた、マナトレーディングの『ヴェネチア』とともに、FT0171をH240cm丈の展示サンプルとしてご用意しておりますので、実際のお打合せ時にお持ちして、ご採用いただきました。
川島織物セルコン・FT0171のパターンの特徴として、『デザインビュー』というプリーツ表現に対応した柄であることがあげられます。
『デザインビュー』とは、2倍ヒダ(3ツ山)縫製で仕立てた際に、濃淡のあるストライプ地の濃いパープルラインがプリーツの山側(前方)に現れ、淡色ストライプベース側がプリーツの谷側に規則的に並ぶことを想定してデザインされたファブリックとそれに準拠した縫製のことを言い、美しいコントラストが生まれます。
『デザインビュー』で仕立てられた、カーテンをかけると、ワンちゃんもご満悦。
ベースのストライプと、クラシカルな「カシミール柄」が絶妙に組み合わされた豪華なカーテンが出来上がりました。
ちなみに、FT0171は、しっかりとした生地ですので、生地の横張りを抑える形態安定加工には、しっかりとしたウェーブが長期間保たれる「ファインウェーブ」加工を加えて仕立てています。
高さ200cmの「カーテンボックス」。
ベースを構成する「バランス」のデザイン。
こちらは、デザイン提案過程の「スケッチ素案(作画1)」。
撮影した窓の全体像に合わせて、縮尺大で製作した「上飾り」の土台部分をデザインしました。
左右の「テール(カスケード)」は、装飾性はもちろんのこと、屈折窓の形状や、エアコン配管の視覚的グレアを和らげる意図を盛り込んだデザインを意識しました。
今回、カーテンと「上飾り」左右のテールには、縦ストライプ使い生地パターンを用いていますが、「上飾り」の内側部分は、コーディネートレースで仕立てる軽やかな「オープンスワッグ」を組合わせるスタイルで演出するため、生地の流れを「横使い」として、濃色の横ストライプがメインに表出されるデザインとしました。
「縦使い」で仕立てた『テール(カスケード)』には、濃色無地の裏地をつけて仕上げます。
こちらは「横使い」で仕立てた、内側の『ストレートバランス』の横ストライプ表現。
淡色生部分の生地を、僅かに上下のフレームに入れ、デリケートなアクセントとしています。
高さ200cmの「カーテンボックス」。
軽やかで上品に仕立てる「バランス」を融合。
次は、ベースを構成する「ストレートバランス」部分に、柔かいボリューム感を持たせる『オープンスワッグ・バランス』を組み合わせるスタイル提案です。
メインとなる「レース」生地は、マナトレーディングのトルコ製・オパールレースとして人気のある『ヴェネチア』の35番色。
今回は、厚手に組み合わせた『オープンスワッグ』バランスのにも使用しています。
高さH200cmのカーテンボックスに取付ける「上飾り」として、貧弱を避けつつ、圧迫感を持たせないスタイル表現を目指した今回の提案では、女性的な柔らかさを印象付けるレースを厚地に組み合わせる工夫を考えました。
加工所との打ち合わせを経て、、、。
昼夜共に、華麗な印象となる「コンビネーション・バランス」が完成しました。
構成するスタイルは、
① 「ストレート・バランス」
② 「テール・バランス」
③ 「オープンスワッグ・バランス」
からなります。
2つの窓が融合する『夢』の完成。
最後に、リビングのテーマとなる『夢』の書画が橋渡しする、カーテンボックス部分は、左右の「オープンスワッグ」を区分する「装飾トリム」でコーディネート。
レース素材からなるオープンの場合、厚地でスタイルする「ネクタイ(ジャボ)」の代わりに、装飾トリムを組合わせる事も多いのですが、今回は、2連の『装飾タッセル』を分解して、程よい細長が得られる『装飾トリム』にアレンジした組合せで、繊細な「オープンスワッグ」に調和させました。
このような、生地の選定と、複数のスタイル・コーディネートを経て、お客様のご要望に沿った窓周りのリニューアルが完成いたしました。
『夢』テーマにした、上質な窓辺とインテリアの完成です。
◆ 当社 ・「装飾バランス」の特集ページを見る。
http://www.mitsuwa-i.com/balance.htm
◆ 当社・『オーダーカーテン』の特集ページ を見る。
http://www.mitsuwa-i.com/sub2.htm
◆ 当社・『輸入カーテンの特集ページ』を見る。
http://www.mitsuwa-i.com/inhouse-2.html
ミツワインテリア: http://www.mitsuwa-i.com/
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