本日のブログでご紹介させていただく製品は、2020年5月よりニチベイ・バーチカルブラインド『アルペジオ』の新仕様に加わった
「バックレーススタイル」です。
『アルペジオ』には、発売以来20年を超えるロングセラー製品の「センターレーススタイル」も存在していることから、2つの製品特性を比較しながらご紹介をさせていただきます。
というのも、最近お客様から「WEBカタログでバックレーススタイルを見たけれど、センターレーススタイルとの大きな違い、長所と短所がいま一つ認識しづらい」といったご質問いただくことが増えてきたのです。
個人的にもそれは感じていて、改めて両者の違いと注意事項を整理してみたのですが、確かに「バックレーススタイル」には「センターレーススタイル」にない魅力的な意匠と機能が存在する反面、正しく理解しておきたい注意点や「バックレーススタイル」ならではのデメリットがいくつか存在するため、商談にあたってはマイナスになる特性を含めた説明が不可欠となる製品だと思っています。
以下に注意点をあげながら「バックレーススタイル」と「センターレース」の比較を当社展示品を交えてご紹介させていただきますので、製品選定にあたっての参考資料としていただければ幸いです。
「バックレーススタイル」が採用できる窓。
こちらは「バックレーススタイル」の展示品。
ご来店時はもちろん、現地お打合せ時に実際の窓辺で様々な確認と打合せができるサンプルで、ループコード式(右操作)とバトン式(左操作)の2種類を用意していますが、その理由については後述します。
ここからは最初に説明する必要がある大前提、つまり実際に検討されている窓に「バックレーススタイル」の採用が可能かどうかの見極めについての解説です。
結論を先に言ってしまうと、日本の標準的な住宅窓仕様で考えると、新製品の「バックレーススタイル」よりも従来からある「センターレーススタイル」の方が採用の幅が広い製品となっています。
上図にも示していますが、「バックレーススタイル」の採用にあたっては18cm以上の有効奥行きを確保できる設置環境が必要で、そうなると標準的なカーテンボックス(※15cm程度)や窓枠内(※10cm以下)での設置が難しく、壁面への正面付もしくは天井付であれば自由にブラインドボックスの奥行きを設計できる注文住宅を想定して開発された製品という位置づけになってしまいます。
推奨奥行き18cm以上というのは、一般的なヒダのあるカーテンとレースの2重吊りよりも奥行きが必要になるということを意味しますので、できるだけバーチカルブラインドを省スペースで納めたいというお客様ニーズには合致しない製品ということになります。
対して、「センターレーススタイル」は12cm程度の有効奥行きがあればカーテンボックスにも設置が可能、製品の手前側に障害物の無い窓枠内付であれば8~9cm程度の有効奥行きでも設置することができるため、採用にあたっての制約が少ない製品となっています。
以上の理由により、「バックレーススタイル」の選定にあたっては、最初に設置環境の確認を行っていただく必要がありますが、この問題をクリアされている状況であれば、続いてご案内する注意点をご確認いただいたうえでのご検討をお勧めいたします。
「バックレーススタイル」と「センターレーススタイル」の違い。
当社展示品と併せて解説
ここからは「バックレーススタイル」の設置が可能な窓においてのメリット解説と注意点の説明です。
「バックレーススタイル」とは、1つのキャリアに100mmの不透明ルーバーと100mmのレースルーバーをL字に取り付けることで遮蔽と採光をコントロールできるスタイルで、「センターレーススタイル」と違って、不透明ルーバーを垂直にした場合にレースが窓と水平になってフラットな視界が得られる点と、不透明ルーバーを全閉した時にレースを完全に隠すことが出来る意匠性の良さが最大のセールスポイントです。
レース生地のバリエーションを比較
「バックレーススタイル」で採用できるシースルーの組合せは、透過性の高い標準仕様の『ベーネ』と、+10%価格となっている『ミラーレース遮熱』の2種類。
ここで注目することは、これまで数値化されていなかった「センターレーススタイル」での『ミラーセンターレース』の節電効果が、メーカー調べで新登場の『ミラーレース遮熱』と同等であることが分かったことです。
『ミラーセンターレース』は、標準仕様「センターレース」の+5%価格オプションで、ミラーレースによるプラーバシー効果だけでなくより高い遮熱効果が得られることがわかっていましたが、新登場・『ミラーレース遮熱』の節電効果(目安)が29%と公表されたことで『ミラーセンターレース』の遮熱性、節電効果の目安も判りました。
メーカーに確認したところ、『ミラーセンターレース』(14配色・80m幅)と『ミラーレース遮熱』(5配色・100mm幅)では、色数とルーバー幅が異なるため正式な公表はしていないとのことでしたが、ホワイト生地同士の比較で言えばほぼ同じ遮熱効果・節電性能が得られることが判っているとのことでした。
(※参考までに、同系統カラーの比較ではわずかに色味を濃くしている『ミラーレース遮熱』の方が遮熱効果・節電性能が高い。)
当社展示品では、『センターレース』、『ミラーセンターレース』、『ミラーレース遮熱』の3種類を用意していますので、お好みのレースを比較検討いただくことができます。
「バックレーススタイル」のメリットとデメリット。
話を「バックレーススタイル」の特徴に戻します。
「バックレーススタイル」は、1つのキャリアに2つのルーバーをまとめていることで、寄せたときのたたみ代を「センターレーススタイル」より片開きで約30~40%減少させられるメリットがあります。
ただし、この構造にはデメリットも存在していて、1つのL型キャリアに不透明ルーバーとレースルーバーを90°(直角)に固定させている構造上、「センターレーススタイル」の様に不透明ルーバーを左右180°に回転(調光)させることはできず、右側または左側どちらか90°の回転(調光)に制約されている点が重要なチェックポイントとなります。
この90°の動きを更に詳しく解説すると、操作側を右操作にした場合、製品を上から見て不透明ルーバーが反時計回り方向に90°のみ回転し、左操作にした場合は、製品を上から見て時計回り方向に90°のみ回転が得られるという構造になっているため、使用環境に見合った操作側の決定をする必要があります。
こう説明すると、理解が混乱してしまうお客様に配慮して当社では、ループコード式(右操作)とバトン式(左操作)の2種類を用意して、実際の窓辺でご確認いただく様にしています。
デモンストレーション操作①
こちらは「バックレーススタイル」のループコード式を右操作で製作した場合の操作イメージ。
不透明ルーバーは垂直状態から反時計回りに90°回転できますので、調光時に製品向かって右側からシースルーの眺望を得たい場合には右操作を選びます(※それにより左側からの眺望は失われます)。
デモンストレーション操作②
こちらは「バックレーススタイル」のバトン式を左操作で製作した場合の操作イメージ。
不透明ルーバーは垂直状態から時計回りに90°回転できますので、調光時に製品向かって左側からシースルーの眺望を得たい場合には左操作を選びます(※それにより右側からの眺望は失われます)。
この様に、ループコード式、バトン式の別を問わず、右操作と左操作の違いで調光操作時のルーバー回転角度が逆になるのが「バックレーススタイル」ですので、採用にあたっては眺望を楽しみたい側と陽射しやプライバシーを遮りたい側を事前に決めた上で操作側を決定することが大切です。
最後に「センターレーススタイル」を解説。
デモンストレーション操作③
長々と「バックレーススタイル」の解説をしてきましたが、最後に「センターレーススタイル」の特徴と解説を、バトン式(両側操作)とループコード式(左操作)の大小の展示品ご案内しつつ本日のブログをしめくくろうと思います。
ニチベイのロングセラー商品として知られる「センターレーススタイル」は、100mmの不透明ルーバーに80mmのセンターレースを斜めに挟み込んだ構造になっています。
レース用のキャリアは不透明ルーバーの回転に合せて動くことしかできない仕組みになっていますが、そうすることで不透明ルーバー用のキャリアを左右180°回転操作できる機能性が「センターレーススタイル」の大きな魅力となっています。
注意点としては、「バックレーススタイル」の不透明ルーバー全閉時に、レースが完全に隠れるのに対して、「センターレーススタイル」の不透明ルーバー全閉時では、全体の40%程度レース生地が見え、不透明生地とレースの色調を合せない場合はツートーンになるという特性があります。
これまでの販売実績の中では、レースの色を不透明生地や遮光生地に合せるのではなく、ツートーンカラーになってもいいのでレースは白で自然な採光と視界を得たいというお客様が7割以上という印象ですが、夜間はレースの存在を消したいという様なご要望に対しては今後「バックレーススタイル」をお勧めしようと思っています。
続いて、直線窓以外での納め方について、シンプルなキャリア構造を採用している「センターレーススタイル」の場合は、コーナー窓での採用も可能で、入隅や出隅コーナーが多いマンションなどでの採用が可能です。
※事例: https://mitsuwa-i.com/blog/2020/02/12
対して、「バックレーススタイル」の場合は、1つのL型キャリアに2枚の生地を取付けているため、「センターレーススタイル」の様にコーナー窓で使用することはできません。
ルーバーの回転を妨げない必要最小限の間隔を確保した場合でも、L型キャリアの構造により、コーナー部分のレース間隙間が生じたり、不透明ルーバーを全閉にした場合、コーナー部分の1枚はバックレースの露出になるなど、構造上の不具合が生じてしまうのです。
以上、本日はニチベイ『アルペジオ』「バックレーススタイル」のご紹介をロングセラー品である「センターレース」との比較を交えてご案内させていただきました。
お客様にとって好ましいと思われる製品はどちらでしょうか。
どちらを選べば良いかを決め兼ねるという場合は、展示品を使ったご案内をさせていただきますので、ご来店、あるいは現地出張依頼などお気軽にご相談いただければ幸いです。
◆ 『バーチカル(縦型)ブラインド』特集ページ
http://www.mitsuwa-i.com/ver&ver.html
◆ 当社・『調光ロールスクリーン』の特集ページ
http://www.mitsuwa-i.com/shilhouette.html
ミツワインテリア: http://www.mitsuwa-i.com/
- 「新着展示品」 紹介
- Trackback(0)
- ニチベイ『アルペジオ』のバックレーススタイル。展示品のご紹介とセンターレーススタイルとの違いを解説。 はコメントを受け付けていません
- at 2:14 PM
- posted by 管理者