レースカーテンで使われる
「ジョーゼット(Georgette)」について。
本日は、レースカーテンで使用される「ジョーゼット(Georgette)生地のお話です。
ジョーゼット(Georgette)とは、タテ糸・ヨコ糸の双方に強く撚りをかけた(強撚糸)平織りに、「ちりめん」状のシボ感(シワ)を出す収縮加工加えた、薄く、軽く柔らかな特性がある織物で、服飾用の生地として知られています。
20世紀初頭のフランスで、ドレスメーカーを営んでいたジョーゼット夫人 にちなんで名付けられたジョーゼットは、もともと絹を使った生地でしたが、現在は綿やレーヨン混紡、ポリエステル100%の合成繊維で作られる生地などが存在します。
レースカーテンで使用されるジョーゼットの場合、基本的には日光(紫外線)にさらされ、寒暖・湿度の変化が大きい窓辺で使用されるため、耐光性、耐久性、寸法安定性、ウォッシャブル性に優れるポリエステル100%素材が使用されます。
特に大開口の窓を覆う生地量を必要とする反物の製造過程においては、寸法安定性と生地精度は服飾用品以上にシビアになりますが、強撚糸の平織りに収縮加工を加える工程はより難易度が高く、製造技術上の理由で市場に流通しているジョーゼット生地の主流は生地巾150cm程度が限界(※ヨコ使い生地については後述)とされていました。
「ジョーゼット」に求める、風合いと機能。
ジョーゼットは、「ボイル」、「オーガンジー」との比較でよりも柔らかくドレープ性にみ、「ふわふわのレース欲しい」といったご要望にはうってつけの素材ですが、反面、透過性においては前者よりも透け感を抑えた印象になります。
当社では5社・7アイテムの縫製サンプルを実際の窓辺でご覧いただける展示をしておりますが、生地の厚み、手触り、透け感には結構違いがあるのがわかりました。
上の展示は、生地巾約150cmの縦使い生地での比較ですが、印象として、価格が手頃なジョーゼットは手持ち感が平面的でやや硬い印象になり、高級ジョーゼットは透け感が抑えられる反面、柔らかな手触りが際立つ感じがいたしました。
幅広の窓におすすめ。
横使いの「ジョーゼット」。
最近になって製造技術の進歩と開発の挑戦により、幅広の窓で継ぎ目のない(シームレス)レースカーテンが仕立てられる「横使い生地」ジョーゼットを見かける様になりました。
本日のまとめとして、国内で流通している横使いジョーゼットのおすすめBEST3をご紹介して結びとさせていただきます。
国内で販売されているレース用の横使い「ジョーゼット」で最も高品質と言われているのが、マナトレーディングの ⇒『ジョーゼット』で、その意匠性、機能性の高さから一般住宅から商業施設まで幅広く採用されています。
イタリアのメーカーによるジョーゼット・クレープタイプの広巾防炎シアーで、素材に 原料である高分子そのものを合成反応の段階から燃えにくい性質にして紡糸している 難燃ポリエステルを使用しており、防炎加工を要せず、より軽やかで柔らかな生地感と美しいドレープ性が得られます。
またジョーゼットの特徴と言える生地面の「シボ(シワ模様)」も豊かで、高密度の織りは遮熱レースとしての機能認定も受けています。
次にご紹介するのが、フジエテキスタイルの横使いジョーゼット ⇒「フォグライト」FA1850 です。
スウェーデン在住のテキスタイルデザイナー・森山茜による5配色のカラーデザインは、生地が溜まり、重なり合うことでその色味を感じるのが特徴で、違う色を重ねてもうっすらと色味に変化が現れます。
リサイクル糸100%を使用して防炎機能も持ちますが、ジョーゼットによるドレープ性にも優れており、同社が取扱う縦使い(151cm巾)生地の「ハクボ」FA1438と並ぶ人気生地となっています。
最後にご紹介するのが、サンゲツの横使いジョーゼット ⇒AC2577です。
こちらは生地にしなやかなドレープ性を持たせる減量加工を施したジョーゼットシアーで、ややリネン(麻)ライクな風合いと透け感の良さが特徴です。
以上、本日は、「ジョーゼット」レースの持つ魅力と特徴について、ご紹介をさせていただきました。
こちらのレースは、店内でご覧いただくことはもちろん、採寸時に実際の窓辺でご覧いただくこともできます。
詳細はお気軽にご相談ください。
ミツワインテリア: https://www.mitsuwa-i.com
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- at 7:21 PM
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