本日ご紹介するのは、ウィリアム・モリスの新作カタログ『Queens Square Fablics』です。
『Queens Square Fablics』について。
『Queens Square Fablics』は、かつてモリス商会の工場やショールームが所在したロンドンのクイーンズスクエアにちなんで名づけられたコレクションで、英国の著名な建築家でありインテリアデザイナーでもあるベン・ペントリース氏とのコラボレーションで作られました。
収録作品はウィリアム・モリスが描いた英国の田園風景を彷彿させる独特なデザインやクラフトの美しさを残しつつ、明るいカラーで華やかにデザインした9柄(18色)からなり、コーディネート用の壁紙も近日カタログがリリース予定です。
作品を一見すると、伝統的なモリスの色調とは異なる明るくトロピカルな印象に戸惑われるかもしれませんが、これらを上手に使いこなすことによって、グレイを基調としたモダンインテリアに新鮮な彩りを与え、重厚な家具が持っている魅力を新たな切り口から引き出すことができる構成になっています。
また、モリス作品という固定観念を取り去ると、美しい植物柄とトロピカルな色合いは、海岸沿いのオーシャンインテリアにもご提案できる魅力を秘めています。
生地の組成は綿(49%)と麻(51%)の混紡素材で、明るい配色を使っていても天然素材が持つほのかなくすみが加わることでチープな印象にならない味わい深いプリントの魅力をお楽しみいただけます。
以下にコーディネート一例と生地の解説をご案内させていただきますので、『Queens Square Fablics』が放つ新しい世界観と雰囲気を感じ取っていただければと思います。
「Bachelors Button」 226840
「Willow Bough」 226841 ~226843
ベン・ペントリースが『Queens Square Fablics』で手掛けた仕事は、敬愛するウィリアム・モリスの繊細かつ普遍的な壁紙やファブリックのデザインに、1960年代から1970年代の雰囲気を醸し出すカラーデザインを掛け合わせる作業でした。
コレクションの代表的デザインとなる「バチェラーズボタン」や「ウィローボウ」をご覧いただければ解りますが、華やかなカラーリングがお部屋のアクセントとしてさまざまなシーンを彩る、新たなモリスの表現を追求したコレクションとなっています。
「Chrysanthemum」 226855
原作となる壁紙のデザインにも使用されたオリーブの地色に、コーラルとターコイズの色調を組合わせたベン・ペントリースならではの特徴的な色使いで鮮やかに再表現された「クリサンティマム(菊)」。
「Marigold」の壁紙とコーディネートしていますが、グレイ、ブラウン、ホワイトで構成されたシック・インテリアに組み合わせても、色使いが反発することなく深みと華やかさの両方を堪能できる魅力を秘めたファブリックです。
ベットカバーには、オリジナルより明るい色調で色調で描いた「Honeysuckle」 226850 を組合わせています。
「Daffodil 」 226853~226854
続いて、壁紙の「Willow Bough」と組み合わせているのは、「Vine」の椅子生地と「Daffodil」 のカーテン。
「Daffodil(水仙)」の オリジナルはモリスの弟子であるジョン・ヘンリー・ダールが1891年に手掛けたデザインで、ベン・ペントリースはこのデザインのスケールを少し縮小させつつ独特の明るい色使いで再表現しています。
「Vine 」 226852
「ヴァイン (葡萄)」は、モリスが描いた1873年のデザインで、本来ブドウの房と枝が渦巻いているデザインで背景はダークオリーブ色の葉の茂みですが、この背景地にポップな色のコントラストをつけることで伝統的な雰囲気を醸し出しながらも家具にも映えるコンテンポラリーなデザインに再生させています。
「Kennet」 226856~226857
新配色の「ケネット」は、1883年のオリジナルデザイン同様、絡み合う細やかな植物の上に描かれた曲線的な花と葉が心地良いにじみ表現が魅力的です。
コーディネート例では花の輪郭が似ている「Sunflower」の壁紙と組み合わせていますが、赤の配色をさりげなく合せることでより深いまとまりを生み出しています。
「Brer Rabbit」 226848~226849
ウィリアム・モリス 1882年の作品として知られる「ブレア ラビット(兄弟うさぎ)」のオリジナルは、『インディゴ抜染』という青藍を呈する不溶性の染料であるインディゴで浸染した生地を、漂白剤入りの抜染糊を捺染し模様を白く抜く捺染技法で作られました。
新配色の「Brer Rabbit」では、元来抜染していたデザイン部分にターコイズやオレンジの華やかな配色を乗せることで1960年代から1970年代の雰囲気を醸し出しだす大胆なデザインとして再生させています。
「Marigold」 226844~226847
ウィリアム・モリス 1875年のデザインである「Marigold」も、「Brer Rabbit」同様、パターン部分の色を抜くのではなく乗せることで1960年代から1970年代の雰囲気を醸し出しだす大胆なデザインとして再生させています。
「Queen Square」コレクションでは、クッションやシェード、椅子張りなど、インテリアのアクセントとして映える個性的な4配色で、同柄の壁紙とコーディネートすることもできます。
以上、本日はベン・ペントリース氏とのコラボレーションで作られました、新感覚のモリスコレクション、『Queens Square Fablics』のご紹介をさせていただきました。
160年経ったいまでもタイムレスでフレッシュな存在であるウィリアム・モリスのデザイン。
パターンデザインの巨匠であるモリスだからこそ作り出せた美しいデザインが、今回のコラボレーションでより華やかに表現されていますので、是非ご参考、ご活用いただければ幸いです。
◆ 当社・『ウィリアム・モリスの特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/inhouse.htm
ミツワインテリア:https://www.mitsuwa-i.com/
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