【特集】ウィリアム・モリス
「MORRIS&Co」ブランド再生の立役者,
『マイケル・パリー』 氏
本日は、「株式会社マナトレーディング」の招聘により、『ウィリアム・モリス』のデザインを今に引継ぐ英国王室御用達ブランド、サンダーソン社の前最高責任者・マイケル・パリー氏による、『William Morris & Flower power』セミナーに参加して参りました。
『William Morris & Flower power』
日時 : 2013 年 10 月7 日( 月 )PM15:00~ 会場: 「代官山ヒルサイドテラス」 ヒルサイドプラザ
マイケル・パリー氏によるセミナーは、大画面モニターに投影した「パワーポイント(スライド)」による、プレゼンテーション形式で進行されました。
会場内での「新作展示」
セミナー会場では、「ウィリアム・モリスとフラワーパワー」と題されていたこともあり、ウィリアム・モリスのデザインの源となる、『植物』をテーマにしたデザインの数々が、「ファブリック」や「壁紙」の新作で展示されていました。
『ウィリアム・モリス』ブランドと
『マイケル・パリー』氏の関わりについて。
細かい内容については、誤記載があるといけませんので、昨年11月に、当社も購読している、『インテリア ビジネスニュース』 でのインタビュー取材記事からの引用を、以下にご紹介をさせていただきます。
日本で、そして世界中で、今なお高い人気を誇るウィリアム・モリス(William Morris,1843-1896)であるが、実は「MORRIS&Co」というブランド自体、一時消滅してしまったということをご存知だろうか。
1896年のウィリアム・モリスの死去から44年後の1940年、モリス商会は自己破産してしまう。
その背景には、アールヌーボーからアールデコへと、時代のデザイントレンドが大きく変化したこと、また多くの若者が戦死あるいは戦病死した第一次世界大戦によって、賃金の安い若年労働力が減少したことがあった。
さらには、1939年には第二次世界大戦が勃発し、壁紙に用いる用紙やインクのコストが急騰したことも、モリス商会の経営を圧迫した要因だった。
そのモリス商会を買収したのが、現在「MORRIS&Co」ブランドを展開するサンダーソン社である。
当時のモリス商会は、唯一壁紙だけは外注生産していたが、その会社がサンダーソン社の傘下だった関係上、モリス商会が破産してしまえば損失だけが残るということで、壁紙生産の権利やブロック、生産台帳の他、「MORRIS&Co」のロゴも含めて破格の値段で買い取ったという。
しかし、当時のサンダーソン社は、自らのブランドを広めることが第一義で、また「MORRIS&Co」自体、いわば流行遅れといった状況もあったことから、「MORRIS&Co」ブランドは打ち出さず、以後半世紀近く、ウィリアム・モリスのデザインは、あくまでサンダーソンブランドの一部として扱われることとなった。
日本で初めてモリスのデザインが販売されたのは1965年のことだが、あくまでサンダーソン社のコレクションとして、1~2点が紹介されただけだった。
そうした状況を1980年代に転換し、「MORRIS&Co」のブランディングに取り組んだのが、現サンダーソン社相談役のマイケル・パリー氏であった。
パリー氏はサンダーソン社のデザインディレクター、社長といった要職を歴任、30年以上の長きにわたって世界へデザインを発信し続け、現在はアーカイブの監修役も務める、“ミスター・サンダーソン”とも呼ぶべき人物。そのパリー氏がウィリアム・モリスのデザインに改めて着目し、ハンドメイドからマシーンプリントへ転換することで価格的に手頃なものとした壁紙とファブリックのコーディネートブックを発表、「MORRIS&Co」をブランドとして再構築し世に送り出した。
それがウィリアム・モリスのデザインが見直されるきっかけとなり、現在の人気につながったというわけだ。 もしパリー氏がいなければ、「MORRIS&Co」も存在しなかっただろう。
モリスがいま生きていたら、どんな人物だったと思うかとパリー氏に聞いたところ、「伝統的な家族の有り様からはみ出し、芸術家のコミューンを夢見たところはヒッピーのようであり、いままで誰もやっていなかったことに、決然と取り組み、時代を挑発したところは、ポップアートの創始者アンディ・ウォーホルのようですね。
いずれにしても、150年前のデザインが、いまなお世界でこんなに愛されていることは、マーケティング的にはあり得ないことで、まさにデザイナーの夢でしょう。
モリス本人が見たら、きっとビックリしたでしょうね」とのことだ。
(以上、引用)
「会場内でのアーカイブ展示」
オールド・タイプの製造工程による、「壁紙」と「ファブリック」の写真紹介の様子です。
ビンテージのカタログには、「ハンドプリント」時代の作品が収録されていました。
「ハンドプリント」による、モリスの壁紙の製作行程は、日本の浮世絵と同じ技法ですが、相違点は、進化した「版木」の素材にあり、顔料をつける印刷面は木彫りの版木から金属性の版木へと改良されていきました。
周知の通り、金属製のそれは、木彫りの版木より磨耗による劣化の進行が少ないため、それにより当時の版木を今日でも使い続けることができます。
また、木彫りよりも加工難易度が著しく難しい金属彫りにすることで、非常に細かいパターンと配色を重ね合わせることが出来る様になったのです。
「TVの特集番組 アーカイブ」
2013年9月28日(土)には、テレビ東京で毎週・PM10:00からオンエアされている30分番組、『美の巨人たち』でも、「ウィリアム・モリス」のデザインの世界の特集番組が組まれておりました。
番組HPのバックナンバー(アーカイブ)より、放映の内容や取材風景をご覧頂くことができますが、ウィリアム・モリスの自然に対する感性や愛情が、日本人の持つ、ノスタルジックな心の琴線に触れる作風であることを改めて認識できる番組でした。
『月刊誌・ミセス』 とのタイアップ特集が好評。
当日は会場にてWilliam Morris 特集の組まれた、月間誌『ミセス』11月号(10/7発売)やパリー氏サイン入り書籍のほか、ウィリアム・モリスの生地や壁紙の限定販売もされました。
『ミセス』11月号(10/7発売)における『ウィリアム・モリス』の特集ページは16ページの読み応えのある内容になっております。
過去から現在にわたる「ウィリアム・モリス」のデザインに対する世界的流行伝播の歴史紹介や、『Morris&Co』が、「モリス商会」150周年を記念して手掛けた、アーカイブ・コレクション新作カタログブックの魅力から、現代イギリスでのインテリア事情の紹介が、丁寧に解説されております。
また、今号の目玉となる付録には、『Morris&Co』のプロデュースする生地4デザインの中から、1枚の生地(サイズ:横柄68.5cm × 縦柄48cm)が付いております。 本場・英国製のプリント生地を、様々な「カバー」や、「カルトナージュ」や「小物」としての作品や生活用品として自由にお使いいただける様、製作事例の写真紹介を交えて解説がされておりますので、ご興味のある方は、是非お買い求め下さいませ。
私が買い求めた付録には、1883年頃の作品である、
『ロウデン』
のファブリックが付いておりました(書店で並ぶ雑誌の付録では、生地の中身が分からなくなっております)。
『ロウデン』は、モリス紹介・150周年のアーカイブ・コレクションの第2弾として、2013年にリリースされた新柄ファブリックで、モリスの愛した「テムズ川」の支流の川の名前からとって作品名にされました。
アーカイブ・コレクションについては、当社にもカタログブックをご用意しております。
マイケル・パリー(著)
『モリス商会 装飾における革命』
『モリス商会 装飾における革命』の日本語翻訳版が発売されましたので、記念にマイケル・パリー氏の直筆サインをいただきました。
『モリス商会 装飾における革命』(日本語翻訳版)
ブックカバーの裏の、「著者・翻訳者紹介」の下に、本日の記念のサインをいただきました。
本日は、ウィリアム・モリスの世界を、丁寧なスライド解説のもと、臨場感豊かに再認識する素晴らしい一日となりました。
◆ 関連ページ 当社・『ウィリアム モリスの特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/inhouse.htm
◆ 当社・『輸入壁紙施工の施工事例集』 を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/yunyuu-k.htm
◆ 当社・『輸入オーダーカーテン』の特集ページ
https://www.mitsuwa-i.com/inhouse-2.html
ミツワインテリア:https://www.mitsuwa-i.com/
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