本日は、「マナトレーディング株式会社」の東京本社ショールームで、昨日(4/16)行われた、
『The Archive CollectionsⅡ』
モリス 『アーカイヴⅡ』 コレクション発表会
「参加レポート(PART2)」「壁紙 編」
についてご報告をさせていただきます。
ウィリアム・モリス 『アーカイヴ コレクション』は、一昨年、モリス商会創設150周年を記念して発刊された ”Morris Archive Collection” に 続き、この春ウィリアム・モリスの貴重な資料から起こされるアーカイヴコレクションの第二弾となる、”The Archive CollectionsⅡ”の発売に先駆けて行われた発表会です。
当日のプレゼンターは、『MORRIS & Co.』のブランディングを中心となって手掛け、ウィリアム・モリスのオリジナル資料の保管を始めとする、英国・ サンダーソン社のアーカイヴ管理者でもあった、前・最高責任者マイケル・パリー氏でによって行われました。
パリー氏は、モリス商会の成り立ちからサンダーソン社に引継がれ、今に至るまでをまとめあげた 「MORRIS & Co. a revolution in decoration」を著作されており、「ファブリック」の説明同様、今回の「壁紙」リリースに至ったエピソードを交えたプレゼンテーションを、丁寧に解説いただきました。
『STARAWBERRY THIEF(いちご泥棒)』(1883年)
ウィリアム・モリス 『アーカイヴ コレクションⅡ』の、「壁紙(Wall Paper)」の今回の目玉は、何と言っても前回(一昨年)の、 『アーカイヴ コレクションⅠ』において待望の復刻を遂げた、ウィリアム・モリスの代表作の筆頭格とも言える、1883年作・『STARAWBERRY THIEF(いちご泥棒)』の壁紙版のニューリリースにございました。
これにより、ファブリックと合わせてコーディネートが可能となりましたが、壁紙版『STRAWBERRY THIEF(いちご泥棒)』のパターンは、ヒダを持たせて表現するファブリックよりも平面的かつ連続的となるため、それに派生する僅かな微調整がパターンの中に行われています。
『STRAWBERRY THIEF』のファブリック
上の写真は、『STRAWBERRY THIEF(いちご泥棒)』のファブリックパターンを平面化して「壁紙」仕様にアレンジしたイメージ画像です。
このパターンの中で、外向きに対で描かれている、「ツグミ」同士と尾っぽの角度にご注目下さい。
『ファブリック』パターンの方は、つぐみの「尾っぽ」と、「口ばし」を結ぶ角度が、比較的、水平に近いデザインで描かれています。 ここが大切な工夫のポイントです。
『STRAWBERRY THIEF』の新作「壁紙」
そしてこちらが、『STRAWBERRY THIEF(いちご泥棒)』壁紙のデザインパターンです。
こちらのパターンでも、外向きに対で描かれている「ツグミ」同士と尾っぽの角度にご注目いただき、「ファブリック(生地)」のものと比べてみて下さい。
『壁紙』パターンの方は、つぐみの「尾っぽ」と 「口ばし」 を結ぶ角度を、『ファブリック』パターンのものに比べて、「尾っぽ側」が斜め上方に角度をつけて描かれています。
お判りいただけますでしょうか? 上の写真は、マナトレーディング・東京ショールーム内の壁面展示の様子です。
この様に、平面的にこの『STARAWBERRY THIEF(いちご泥棒)』のパターンが表現される壁紙においては、外向きに対で描かれている「ツグミ」同士と尾っぽの角度を、「水平的」ではなく、若干「ハの字」状の傾斜をつけて描く</span> ことにより、連続的な大柄で見る際に、『STARAWBERRY THIEF(いちご泥棒)』の外向きに対で描かれている「ツグミ」のラインが、シャープな「ストライプ状のラインとなることを防いで、広い面積を貼り上げる「壁紙」表現とした場合に、全体として柔らかい広がりが感じられるデザインとなる様にアレンジされているのです。
『ファブリック』 用のデザインが、カーテンやクッションなど、「ウェーブ表現」や「曲面表現」のインテリアシーンで主に使われるのに対して、『壁紙』 用のデザインは、「平面表現」のインテリアシーンで採用されることを考慮した、デザインのマイナーチェンジとなっています。
普通にコーディネートして使用すると、そのアレンジに気が付きにくいですが、非常に効果的なトータルコーディネート表現を視野に入れた工夫となっています。
ちなみに、内向きに対で描かれている「ツグミ」同士の方のパターンは、もともと「ハの字」状の対になっていましたので、こちらのに合わせて、2つのサイズの異なるパターンに統一感を持たせたのだと思います。
この様に、アーカイブ(復刻)する際に、「ファブリック」と「壁紙」のコーディネートが存在する場合は、曲線表現を主体とする布と平面表現を基本とする壁紙の特徴を勘案して、アレンジする必要があるのだと思いました。
以上は、バリー氏の説明の上に、私の私見が入っていますので、絶対的ではないかもしれませんが、今後この2つのスタイルをご検討される方々のご参考になれば幸いです。
『Daisy(デイジー・ひなぎく)』について。
新・『Daisy』を語る前に、まず、オリジナルの 『Daisy(デイジー・ひなぎく)』 の解説をご紹介いたします。
『Daisyは、 1862年にウィリアム・モリスが、『トレリス(Trellis)』、『フルーツ(fruits)』と並んで初めてデザインした3点の壁紙の中の1つで、デザイン後、「モリス・マーシャル・ワークナー商会」を設立して試作的に印刷していましたが、1864年より本格的に制作されるようになりました。
花と花が絡み合うようなパターンで表現される、モリスの後期の作品と比較すると、デザインはシンプルですが、実生活に根ざした作風から、モリスの優しい感性が伝わりやすい作品として知られています。
参考までに、オリジナル・『Daisy(デイジー・ひなぎく)』のパターンイメージは、以下の画像のイメージとなります。
新バージョン・『Daisy(デイジー・ひなぎく)』
オリジナルの 『Dasy』 のパターンに、より現代的でシンプルなインテリアシーンにもコーディネートできるようなアレンジを行い、また新たなカラーの追加を行って、幅広いインテリアシーンにお使いいただけるデザインにとしてニューリリースされたのが、新・『Daisy(デイジー・ひなぎく)』です。
ご覧のイメージ画像と4配色のカラーバリエーションをご覧いただいてもお判りの様に、壁紙の 「ベース」 部分を無地にして、デザインパターンもスッキリとした縦横のラインに整列させたアレンジを施しています。
また、柔らかで淡い色調にトーンを調整して、現代の幅広い文化圏のインテリアにもコーディネートし易いデザインとしてニューリリースされました。
本日ご紹介をさせていただきました作品は一例ですが、その他にも、素敵な「アーカイブ コレクション」が厳選収録されておりますので、ご興味のある方は、当社または、マナトレーディングのショールームへのご来場いただきご覧いただければと思います。
◆ 当社・『ウィリアム モリスの特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/inhouse.htm
◆ 当社・『輸入壁紙の特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/yunyuu-k.htm
ミツワインテリア:https://www.mitsuwa-i.com/
- 「新着展示品」 紹介
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