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引渡し後に「壁装と建具」仕上げを実施した、新築マンション入居前の「インテリア・カスタマイズ」事例(LD編)。
本日のブログでは、引渡し後に「壁装と建具」仕上げを実施した、新築マンション入居前の「インテリア・カスタマイズ」事例の『リビング・ダイニング』編をご紹介させていただきます。
「内覧会」でのお打合せの様子と「内装材」の選定

こちらは「マンション・内覧会」時の引き渡された内装の様子です。
天井と、フロアの内装は仕上げられておりましたが、「壁装」と「建具」については、これからの打合せで決めて行くため下地(建具は一部を除いてなし)の状態で仕上げられていました。
そしてこの状態から、個別の仕上げ材の選定が始まりました。
「インテリアカスタマイズ」後のLDの様子

今回の事例は、マンションの工事段階において比較的早い時期に、お客様が販売会社との丁寧な交渉を重ねられた結果、実現に至った希少なケースです。
このような交渉が許可されるかどうかは販売会社の方針によって異なり、絶対に認められない場合もあれば、柔軟なご配慮をいただける場合もあります。一般的には、容易に承諾を得られることは少なく、慎重な対応が求められる分野です。
戸建住宅とは異なり、マンションなどの集合住宅では、他の住民の生活環境にも影響を与えるため、内装仕上げ材の選定に際しては、法的な基準への適合が必須となります。具体的には、「消防法」に規定された不燃(または準不燃)材の使用や、「国土交通省」が定めるホルムアルデヒド発散量等級『F☆☆☆☆(フォースター)』を満たした建材の採用が必要です。これらの条件を満たしていれば、法的には問題ありません。
また、集合住宅では遮音性能の低下につながるような内装仕様は避けなければなりませんが、今回のインテリアカスタマイズは、法規制への適合はもちろん、むしろ「遮音性能の向上」に寄与する内容であったため、販売会社から正式な許可をいただくことができました。
その後、当社にて内装および造作工事一式をご依頼いただく運びとなりました。
それでは、今回採用された「インテリア・カスタマイズ」の組み合わせについて、以下にご紹介させていただきます。
『塗装下地』専用壁紙の選定

まず、今回の内装工事では「ビニール壁紙」は使用せず、欧米スタイルを意識した、強度と耐用年数に優れた「フリース繊維」素材の『塗装下地用壁紙』を採用しました。
中でも、間接照明との相性が良い「フラットタイプ」のテクスチュアをお選びいただき、その上から塗装仕上げを施す構成としています。
この高強度な「塗装仕上げ専用・フリース壁紙」に塗装を施すことで、塗料が繊維に浸透し、下地自体がより強靭になるという利点があります。
また、従来の「石膏ボード」に直接塗装を行う『ドライウォール』工法に見られる、ボードの継ぎ目に生じるクラック(ヒビ割れ)の問題も大幅に軽減されます。
さらに、将来的な重ね塗りによるリフォームも容易で、そのたびに下地が一層強化されていく点も、この工法の大きな特長です。
『インテリア・ペイント』の選定

LDの「造作・室内ドア」を境に、右側が「キッチン」となっており、今回は、LD側を『インテリア・ペイント』仕上げ、キッチンエリアは、色の系統を合わせた「ビニール壁紙」仕上げとして、「カーペット」と共にセパレートして仕上げました。

今回の、「壁装工事」で使用した仕上げ材の『インテリア・ペイント』は、全米NO.1のペイントメーカーとして知られている、『Serwin Williams(シャーウィン・ウィリアムズ)』の1268色のカラーラインナップの中から、「SW6378(Crisp Linen)」と名付けられたカラーをご採用いただきました。

塗装の「艶感」は、『マット(艶なし)』もございますが、今回は、『エッグ・シェル(3分艶)』をご採用いただいております。ちなみに、「艶」のグレードは更に、『セミ・グロス(半艶)』、『グロス(全艶)』と続きますが、間接照明等の効果をインテリア演出に効果的に使用されたい場合は、『マット(艶なし)』又は卵の殻程度の艶感をイメージして、マット塗装よりも拭き上げなどのメンテナンス性に優れた『エッグ・シェル(3分艶)』をご採用されるケースが多いです。
『ブリック・煉瓦』と『ウール・カーペット』の施工

こちらは、お客様所有の「TV収納用・家具」が映える様にコーディネートさせていただいたエリアの施工前の様子です。
フローリングの上に、高級ホテルライクのしっかりとした『カーペット』を敷き、収納エリアの背面に、家具を引き立てるアクセントとして、ドイツ製・『輸入・ブリック煉瓦』を1面貼りして、全体のメリハリを表情豊かに整えることになりました。

「リビング・ダイニング」の置き敷きカーペットには、現地にて、サンプルを置いてご覧いただいた結果、最高級のフェルト糸使った「ビッグループ織り」のカーペットである、 スミノエの『 ガバナーTF( GOT-100)』をご採用いただきました(写真右は、GOT-200番色)。
全厚:14mmのパイルタイプで、パイル長:9~12mmの「ハイ&ロー」ループが特徴のこのカーペットは、遊び毛のでにくいフェルトヤーンを使い、耐久性にも優れた高級カーペットです。
単色のビッグループとバーバー調のミックス糸が互いにアクセントとなり、ナチュラルな高級感醸し出しています。
フェルト糸の膨らみと隙間のないパイルの打ち込みにより、弾力性のある豊かな踏み心地をご実感いただける逸品とも言えるカーペットです。

収納エリアの「アクセント・ウォール」として、今回ご採用いただきましたのは、ドイツ製のブリックレンガ・『ジャーマン ハードブリック フラット』です。
レンガの品番は、SH-70353(ベージュ系・ダークブラウンフラット)をご採用いただきました。
こちらのレンガは、1250℃の高温で3日間も焼成し製造されております。そのおかげで3~5%の低吸水率を実現する、頑丈な仕上がりとなっています。
フォルクスワーゲンの本社工場の外壁に採用されるほど、デザインと頑丈さのイメージは群を抜いたブリックレンガです。

『ウールカーペット』、『ブリック煉瓦』、『インテリア・ペイント』、そして次にご紹介する、『装飾モールディング』でコーディネートされた、完成後と、ご入居時のインテリアの全体イメージです。

ご入居後は、TVが収納されているとは思えない素敵な家具と、ディスプレイが施された、素敵な奥行きのある空間になりました。
『モールディング』の選定

今回、天井と壁面の境界にご採用をいただきました『装飾モールディング』は、4段式の階段の様な形状のスタイリッシュなデザインをご選定いただきました。

ご選定いただきました『装飾モールディング』は、ベルギー製の「Arstyl Z51」というデザインです。

ご覧の様に、15cmの高さと奥行で、ステップ・デザインの遠近感と陰影を「モダン・スタイル」に表現する、やや大き目のモールディングでしたが、「構造梁」のあるマンションの空間の中では、梁の立体感を上質に整える効果を感じられることが出来ました。
造作『ウッドシヤッター』のオーダー製作

こちらは、ご入居後の「ダイニング・エリア」のインテリアの様子です。

「引き渡し」時の状態は、この様な状態でした。
このままのシンプルなサッシの状態で、普通のビニール壁紙で仕上げた標準的なイメージは、容易に想像がつくかと思いますが、今回は、ダイニングの「小窓」に手造りの『ウッドシャッター』を設置して個性的な窓辺の演出を試みました。

現在、当社ではNORMAN(ノーマン)のウッドシャッターの取扱いがあり、ご覧の商談用サンプルもご用意しておりますが、本事例では完全オーダーメイドの造作で納めています。

まず、造作家具の職人の方に、お客様のイメージを形にしたウッドシャッターを作っていただき、「真鍮製」のこだわりの「兆番や取手」を組み合わせて仕上げることになりました。

伝統ある「掘商店」の『オリーブナックル丁番(BF)真鍮色』はお客様のこだわりのリクエストです。


『ウッドシヤッター』にコーディネートしたお気に入りの部品と窓の枠組みを設える事によって、ご覧の様に、個性的なダイニング窓辺が出来上がりました。
ご入居後の「ダイニング」側の様子


ご入居後の家具のレイアウトで、ダイニング側の小窓がより一層素敵に演出されました。

ピクチャーレールで飾られた幅広の「鏡」に煉瓦を貼った収納エリアが映り込み、空間を広く美しく魅せています。

こうして、お客様にご満足をいだける、オートクチュールの『リビング・ダイニング』が出来上がり、無事入居が終わりました。
***次回予告***

次回は、こだわりの『玄関・廊下』と『主寝室』編をご紹介させていただきます。
ミツワインテリア:
https://www.mitsuwa-i.com/