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ウィリアム・モリス『イチゴドロボウ』で楽しむ、「ローマンシェード」と「装飾カーテンレール」のコーディネート。

「寝室」窓辺のリニューアル事例。

当社でリクエストが多い、ウィリアム・モリスの『イチゴドロボウ』をメインアイテムに据えたコーディネートをご採用いただきました。
英国 ・「MORRIS & Co.」の
『Strawberry Thief(いちご泥棒)』

『Strawberry Thief(イチゴドロボウ)』は、ウィリアム・モリスの描いた1883年のデザインです。
当時、モリスは、「ケルムスコット・マナー」での生活の中でいちごを栽培していましたが、収穫期に次々と食いしん坊の鳥たちに食べられていました。
モリスが作品を手掛けるにあたって、複数の鳥の中より、愛らしい「ツグミ」に特定してデザインし、 小鳥と花、苺という、前面に表出るされる図柄の後ろに、青い森が佇んでいるという、ウィリアム・モリス独特のユートピアが感じられる作品となっています。

今回ご採用いただいた生地は、英国・サンダーソン社のコットン・プリント版の『イチゴドロボウ』(全5配色)の中でも、インテリアに合せやすいと人気のある、311番色をご採用いただきました。
『ローマンシェード』による楽しみ方

ベットの背後にあたる「腰高窓」のローマンシェードでは、上部「柄指定」を行い、『イチゴドロボウ』を「ローマンシェード」で納めています。
西側に面する窓であるため、コットンプリントの退色・劣化を予防するための「裏地」を併用いたしました。

参考までに、『いちご泥棒』のデザインを「ローマンシェード」で表現する際のポイントをご紹介します。
まず大切なのは、窓のサイズ(幅と高さ)に合わせた柄の割付バランスを考えることです。
ローマンシェードを「窓枠内」に納めるか、「窓枠を覆うように」設置するかによって、製作サイズや柄の見え方が大きく変わります。
この生地はとても魅力的ですが、柄の割付をきれいに決めるのが少し難しい生地でもあります。
無地の生地であれば、オプション指定などを気にする必要はありませんが、
『いちご泥棒』のような柄物では、仕上がりイメージを十分に考慮して設計することが大切です。
窓のサイズや取付位置に制約がある場合、どうしても中途半端な柄の見え方になってしまうこともあります。
そのため、状況によっては、ご希望があっても無理にローマンシェードでの採用をおすすめしない場合もあります。

今回は幸いなことに、窓寸法に対して程よい「柄出し」が可能であったため、ローマンシェードを完全に畳み上げた時の柄の指定とヒダの畳みも特注でオーダーしています。

先頭のヒダ畳みの背後に、下部のヒダが隠れる様な納まりが可能であったため、ローマンシェードを引き上げた際に窓の「上飾り」の様なイメージで横一列に並ぶ「ムク鳥と苺」のパターンを楽しむことができました。

これはたまたまですが、2段階目のパターンも、全閉時と同じ裾の位置に出すことができました。


「アクセントウォール」として採用された『マリーゴールド』淡いブルーパターンとの相性も良くローマンシェードをコーディネートすることができました。
『装飾カーテンレール』で2つの窓を一体化

次にご案内するのは、ベランダ側の大きな窓まわりです。
一見、ダイナミックな「2間窓」のように見えますが、実は「掃き出し窓」と「腰高窓」を1本の装飾カーテンレールでまとめ、空間に統一感をもたせています。

上の写真では、左側が「掃き出し窓」、右側が「腰高窓」になります。
それぞれの窓枠上部には、カーテンレールを設置できる下地が約4cmほどしか補強されておらず、
さらに2つの窓の枠高には約2cmの高さの違いがありました。
そのため以前は、各窓の枠内に通常のカーテンを個別に取り付ける納まりとなっていましたが、
今回はこの2つの窓を1本の『装飾カーテンレール』でまとめ、ひとつの大きな窓のように見せられないか、というご相談をいただきました。


ご来店の折、お客様が気に入られた装飾カーテンレールがこちらの『ルブラン22』です。
『ルブラン22』は、ロートアイアン風の重量感ある装飾性豊かなブラケットとポールのカラーコンビネーションがお楽しみいただけますが、実際にこの製品が採用できるかどうかをサンプル持参のうえ、現地での採寸の際に確認する必要がありました。

現地での打合せにより、左側「掃出窓」の枠上にブラケットを乗せる様な納めで、辛うじて18mm下がった右側「途中窓」上の下地にビス止めできることが判明しましたので、正式採用となりました。

カーテンを開けたレースメインの状態で、一体化された窓の統一感がお分かりいただけると思います。
カーテンを開けてレースだけにした状態を見ると、2つの窓が1つにつながったような、すっきりとした統一感を感じていただけると思います。
それぞれの窓を別々に仕立てるよりも、1本の装飾レールでまとめたことで、
空間の広がりとデザイン性がぐっと高まりました。
レースには、特殊な遮熱加工が施されたフジエテキスタイルのオーガンジーレース〈FA1622SL〉を使用しています。

装飾カーテンレール『ルブラン22』の場合、ダブルポールセットにしてしまうと、ブラケットの形状が変わってしまい、デザインの魅力が半減してしまいます。
そのため今回は、レース側のコーディネートレールに機能性レール『ネクスティ(ブラック)』を組み合わせる仕様で納めています。
また、コットン100%のプリント生地『いちご泥棒』の経年収縮を考慮し、カーテンフックには一般的な装飾カーテンレールで用いられる「Aフック(レールが見える)」ではなく、機能性カーテンレールを正面付けした際に使用する「Bフック」を採用しました。
Bフック仕様にすることで、カーテンの総丈(上端から裾までの長さ)を約3cm長く仕立てられるため、経年による縮みに合わせて3cmまで丈をアジャストできるようにしています。
余談ですが、『ルブラン22』はポール径が22mmと細身のため、今回のようなイレギュラーな納め方でもカーテンの開閉に支障はありません。
ただし、ポール径の太い木製レールなどを使用する場合は、カーテン上部が手前に傾きやすく、
リングランナーも大きくなるため、このような納め方にはあまり適していません。


最後に、『イチゴドロボウ』を束ねる「装飾タッセル」を別途ご採用いただき、今回の様々なリクエストを組み入れた窓辺のトータルコーディネートが完成いたしました。

