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高層マンション(最上階・メゾネット階)での、インテリア・リフォーム事例。

お客様のご入居に合わせて、西洋クラシックの世界観を、実生活の空間に落とし込んだインテリアリニューアルを提案施工させていただきました。
賃貸でも叶う、クラシカルメゾネットの荘厳インテリア


今回ご紹介するのは、高層マンションの最上階に位置するメゾネット(2階建て)タイプの賃貸住戸を、ご入居前にフルリフォームさせていただいた事例です。
最大の特徴は、天井高6.4mの吹き抜けで構成されるリビングダイニングで、まさに“大広間”のようなスケール感。
既存の空間には、マンション特有の「構造梁」が中段に横たわっており、梁下にアクセントウォールとして処理されていました。
しかし今回は、単なる装飾ではなく、梁や柱といった構造要素そのものをデザインに取り込むことで、クラシカルで荘厳な世界観をつくり上げることが求められました。
階段には、ご希望によりカーペット張りを採用し、重厚で美しい仕上がりとなっています。
さらに上階の主寝室では、装飾モールディングを新設。
黒を基調とした壁紙に、紫のカーテンとカーペットを組み合わせることで、クラシカルな意匠美を追求しました。


なお、本物件は「賃貸住宅」であるため、オーナー様のご理解のもと、壁紙以外のすべての内装材を原状回復可能な仕様で構成しています。
壁面の装飾や造作も、壁紙を張り替えるだけで元に戻せる設計としており、退去時の負担を最小限に抑えています。
また、吹き抜け空間での作業には足場の設置が必要となり、マンション管理組合やオーナー様のご協力なくしては実現しえなかった大規模なインテリアリフォームでした。
原状回復可能なリフォームで実現した、圧巻の吹き抜け空間


こちらは、お客様のご要望をかたちにした、リフォーム後の室内です。
室内に突き出た「構造梁」およびその上部の壁面には、複数の装飾材を組み合わせた重厚なフレーミングとオーナメント装飾を施し、個性的な壁紙とのコントラストで華やかさを演出しました。
マンション特有の構造上の制約を逆手に取り、「猫が使う本棚」という幻想的なコンセプトを空間に落とし込んだのも、本施工の大きな特徴です。
構造柱をキャットタワー、構造梁をキャットウォークとしてデザインし、猫が室内を立体的に移動できるよう動線を構築。
キャットタワー部分には、猫の爪がしっかりと掛かるカーペット貼りのステップを設置し、梁上のキャットウォークへとつながるルートを確保しました。
また、床面にもフローリングの保護も兼ねて、深みのある紫のカーペットを採用して、クラシカルで上質な空間を演出しています。



階段に設けた棚飾りも、複数の装飾材によるフレーミングで縁取り、重厚な「装飾ニッチ」として仕上げました。
上部には、ゴシック建築の飛び梁を彷彿とさせる意匠を加え、視覚的な奥行きと荘厳さを演出しています。
さらに、階段側面のガラスパネルには、ロートアイアン調のデザインシートをタワー足場を使って外貼り施工し、細部に至るまで丁寧な割付で仕上げました。
『寝室』のインテリア・提案施工

階段を上って右側にある寝室は、室内の内窓から、最上階の絶景を臨むこともできる特別室です。

シャンデリアの装飾材となる「シーリングメダリオン」や「モールディング」に調和させる天井の壁紙には、英国『Kenneth James』のブラック基調の「輸入壁紙」をご採用いただきました。


「主寝室」の窓装飾においては、上飾り(バランス)としての装飾的演出を高めるべく、まずカーテンレール全体を包み込む箱型の『カーテンボックス』を下地構造として新設いたしました。
その内側に意匠性の高い壁紙を貼り込み、最終仕上げとして華麗な装飾モールディングを贅沢にあしらうことで、空間全体にクラシック建築を思わせる重厚かつ優雅な趣を演出しております。

ご覧のとおり、マンションの居室空間は、木造戸建住宅のような単純な「長方形」構造ではなく、特に天井まわりにおいては、構造梁や構造柱の干渉によって複雑な形状を呈することが少なくありません。
このような変形天井に、柄合わせが必要な装飾モールディングを美しく納めるには、高度な採寸と加工技術が求められ、施工の難易度も格段に上がります。


なお、インテリア施工の専門用語として、壁面や天井の角が外に突き出した部分を「出隅(ですみ)」、内側に入り込んだ部分を「入隅(いりすみ)」と呼びます。
こうした細部への理解と配慮が、美しい仕上がりを支え、インテリアが持つ魅力を格段にグレードアップさせることができるのです。
寝室の窓辺を優美に演出

寝室の窓辺には、『ゴシック・アンド・ロリータ(Gothic & Lolita)』の世界観を取り入れました。
このスタイルは、18世紀フランス・ルイ15世時代のロココ様式に見られる耽美主義や、ヴィクトリア朝イギリスのロマン主義・神秘主義など、ヨーロッパの伝統的美意識をベースに、日本独自の感性で再構築されたものです。
かつては宮廷や上流階級に限られていた華やかな装いを、現代のストリートファッションに昇華させたこの様式は、「伝統と革新」「格式と個性」が共存する、ミックスカルチャーの象徴ともいえるでしょう。
今回のお客様も、この美意識に深く共鳴され、「格式ある洋風様式を、自分らしく現代的にアレンジした空間にしたい」との明確なイメージをお持ちでした。
私たちはその想いを丁寧に汲み取り、打ち合わせを重ねながら、この独自のスタイルを室内装飾に落とし込み、唯一無二の華やかで個性的な寝室を完成させることができました。


最後に、スタイル・カーテンを構成するファブリックとアクセサリーのご紹介です。
メインのカーテンには、ドイツ製の高級ベルベットをご採用いただきました。
重厚な質感と深みのある色調が、室内に格調高いクラシカルな雰囲気をもたらしています。
アクセントとして添えたのは、黒のオーガンジーにスワロフスキー製のクリスタルテープを縫い合わせた、特注のフリル。
光を受けるたびに繊細な輝きを放ち、幻想的な世界観を華やかに演出します。
また、レースカーテンの奥に広がる、最上階ならではの開放的な眺望を楽しめる内窓には、イタリア製の上質なオーガンジーレースをコーディネート。
透け感のある美しいデザインが、落ち着いた寝室に軽やかな気品を添えています。

長さ、約80cmの特大タッセルには、ガラスビーズのトリムを縫い付けて仕上げました。
以上、本日はお客様のこだわりを随所に反映した、クラシックスタイルの美意識を実生活の空間に落とし込んだ、トータル・インテリア・リニューアルの事例をご紹介させていただきました。
伝統と個性が調和した、唯一無二の住空間づくりの一端をお届けできましたら幸いです。
ミツワインテリア:
https://www.mitsuwa-i.com/