通称・『ゴスロリ』と呼ばれる、日本独自のファッションスタイルやサブカルチャーを意識した、『ゴシック・アンド・ロリータ (Gothic & Lolita)』スタイルを実生活の空間に落とし込んだ、トータル・インテリア・リニューアルをお客様ご入居前に施工させていただきました。
「大理石」貼りの玄関ホールのドアを開けると、『大広間』とも呼べる、天井高6.4mの「吹抜け・LD」が出迎えてくれる間取りは、層マンション・最上階の『メゾネット(2階建)』仕様ならではの大迫力です。
今回の物件では、作業用の「タワー」を組んで各種内装の作業に取り組むことになりました。
オーナー様と、マンション管理組合の皆様のご理解がなければ実施できない大規模なリフォームでした。
『ゴスロリ風・インテリア』完成後の様子。
「賃貸マンション」という条件の範囲内で許可を得て実施した内装リフォームですので、将来的な原状回復ができる様、壁面の造作や装飾は、「壁紙」を貼り替えれば元に戻せる仕様で仕上げています。
また、各居室のフローリングや階段に敷かれた「カーペット」も当社独自のオリジナル施工法を駆使して、日常生活での安全な使用を満たしながらも将来的な原状回復が可能な仕様で納めさせていただきました。
『ゴシック・アンド・ロリータ (Gothic & Lolita)』スタイルとは、18世紀・フランス「ルイ15世」期の宮廷に端を発した、「ロココ」スタイルの耽美主義や、同時期の英国・「ヴィクトリア朝時代」のロマン主義、神秘主義など、複合的な思想の影響を受けて生み出された、現代・日本女性の新しいファッションスタイルの1つであり、かつて屋外では着用しない華麗な服飾で街中を歩く、規律を重んじた伝統的スタイルを現代的な解釈で解き放ち、その美しい組み合わせを自由に楽しむストリートファッションスタイルといわれています。
リフォーム前の様子。
「リフォーム前」の現地お打合せ時の様子です。
玄関ホール側の室内ドアを開けて、正面に見える6.4m・「吹抜け」壁の中断には、マンション特有の「構造梁」が通っていたため、既存の壁紙は梁下に「アクセントウォール」が貼られていました。
通常のインテリアであれば、梁下にアクセントウォールが貼られているだけでも、生活導線の中で美しく映えるインテリアとして雰囲気が豊かになりますが、荘厳な『ゴスロリ』風インテリアの世界観の中では、マンションの「構造梁」や「構造柱」といった障害物までも、芸術性高い内装に昇華させる仕立てを考えます。
上階の『主寝室』とパウダールームにつながる階段も、西洋的古典の荘厳な印象にできないものかとご相談をいただきました。
『ニッチ』の形状も装飾的にリニューアルすることになりました。
階段も、原状回復が可能な『カーペット』張りにリニューアルに統一したいとのご要望をいただき、この納めには特殊技術を駆使した工法で納めることになりましたが、とても骨の折れる作業となりました。
上階の『主寝室』の内窓には、「カーテンボックス」を新設したのちに、窓装飾の「上飾り」の役割を持つ、白い『モールディング』仕上げを居室全体に施し、黒で統一した「壁紙」と、紫で統一した「窓装飾」と「カーペット」の内装との調和を図ることになりました。
『ゴシック&ロリータ』の特徴をインテリアに反映。
お客様のご要望されるインテリアの特徴を理解するために、『Wikipedia(ウィキペディア)』を始めとしたインターネット媒体で、定義やや視覚イメージを学び、共有することから今回の提案は始まりました。
『ゴシック・アンド・ロリータ (Gothic & Lolita)』スタイル・フアッションの基本的特徴(一部紹介)。
① 黒を基調とした、レース、フリル、リボン、に飾られた華美な洋服、スカートはパニエで脹らませ、靴は編み上げのブーツや厚底のワンストラップシューズ。
②髪は長く、ヘアスタイルの理想は縦ロールで、リボンやヘッドドレスで飾る。装いは黒だけでなく真っ白でもゴブラン織り風の花模様でもよい。
③トップスやボトムスは黒で、ロリータ感を出すためにフリルは必須であるが、ロリータになり過ぎない様にするためにパニエは控えめがよく、さらに黒一色になってしまうのも好ましくないとされる。
④アイテムの主な色は「黒」、「白」、「赤」、「紫」、「ピンク」、「青」。
⑤全体のコーディネートの特徴は「甘過ぎず辛過ぎず」で全体のバランスを整える。
『Wikipedia(ウィキペディア)』より引用。
イメージ提案の様子。
選定材料の個別紹介と併せて、「3D表現」であらわしたイメージを、お客様とのメールのやりとりでご提案しながら実際の施工にあたりました。
「構造梁」と「構造柱」を有効活用したデザイン提案の中には、格調の高さに加えて「遊び心」を加えています。
「キャット・タワー&ウォーク」機能をデザインに加味。
イメージ提案が実際のカタチに仕上がった完成後の様子です。
マンションの躯体構造を逆利用した「立体的」な装飾表現をするととともに、「猫が使う本棚」という幻想的なテーマをデザインに盛り込み、「構造柱を利用したキャット・タワー」と「構造梁を利用したキャット・ウォーク」をつたって過ごす「猫」の生活導線を華麗に演出いたしました。
「構造柱」には、猫の爪がしっかりとグリップできる「カーペット」貼りのステップを造作して、「構造梁」を闊歩する『キャットウォーク』への動線を設えました。
また、LD階のフロア部分は、「ゴスロリ」の構成色の1つである「紫」の『ループ・カーペット』で仕上げています。
『装飾パネル』の組合せと、
「フレーミング」・「オーナメント」のデザイン。
リフォーム前は「アクセントウォール」仕上げであった梁下の壁面には、格調高い『装飾パネル』張り仕上げで納めました。
室内側に突起している「構造梁」と梁上の壁面には、複数の装飾材を組み合わせた豪華な『フレーミング』と内部の飾りとなる『オーナメント』を格調高く組合せ、個性的な壁紙とのコラボレーションで豪華に演出いたしました。
キッチンカウンターの下も壁紙仕上げでしたのでね壁紙を貼り替えたのちに『フレーミング』と『オーナメント』を施しました。
『キッチン』の壁装は「ダマスク柄の輸入壁紙で。
『キッチン』の壁装には、アメリカ最古の壁紙メーカーとして知られる、WALLQUEST社の「ダマスク柄」の輸入壁紙より、ブラック&ホワイト配色の上質な一品をテーマ・カラーにのっとりご採用戴きました。
『階段』側のインテリア・デザインと製作。
階段側面の「ガラス」フレームには、ロートアイアンをイメージしたデザインシートを、タワー足場を使いながら外貼りで丁寧に割付けました。
また、上方のフレーミング表現には、梁側面のデザイン案で検討していた壁紙のイメージをヒントにして、「ゴシック」風の装飾的演出を施しました。
「装飾ニッチ」周りにも開口寸法に応じたフレーミングを組合わせて、階段周りの装飾美を追求しています。
階段から上階の主寝室にかけては、程よい光沢によるラグジュアリーな発色と、「セミ・ラグ」に近い、柔らかな毛足のカーペットをご選定いただきました。
もちろん、カラーは「ゴスロリ」のテーマカラーである「紫」です。
そして、本製品を使用して当社独自の『現場フイット施工』を駆使しつつ、現状回復も可能な特殊な施工資材を併用しながら、丁寧に一段一段と「オーダーカーペット」を仕上げました(これは、非常に特殊で、手間の掛かる特殊工法です)。
『主寝室』のインテリア・デザインと製作。
階段を上って右側にある『主寝室』は、室内の内窓から、最上階の絶景を臨むこともできる特別室です。
シャンデリアの装飾材となる「シーリングメダリオン」や「モールディング」に調和させる天井の壁紙には、英国『Kenneth James』のブラック基調の「輸入壁紙」をご採用いただきました。
造作『カーテンボックス』を優美な上飾りに。
『装飾モールディング』で天井廻りのフレーム演出。
「主寝室」窓装飾の上飾り(バランス)としての演出効果を持たせるために、まずカーテンレールを箱型に覆う『カーテンボックス』を下地として製作しました。
そして、カーテンボックスの内側を壁紙で貼りあげたのち、最終的な仕上げ材に装飾性豊かな柄入りの装飾モールデイングを配して部屋全体を豪華に演出いたしました。
ご覧の様に「マンションの居室」は、木造戸建住宅の様な「長方形」の間取りは少なく、特に天井廻りは、「構造梁」と「構造柱」によって変形していますので、特に柄合わせの必要なモールデイングの場合は施工の難易度が上がります。
ちなみに、コーナーの出っ張った部分を出隅(ですみ)、入り込んだ部分を入隅(いりすみ)と呼びます。
この様に、『カーテンボックス』の上飾りとしての役割を果たしつつ、窓周辺の「出隅」と「入隅」を魅力的に構成する装飾モールディングの設置によって、居室のインテリアとしての魅力が格段にグレードアップいたしました。
『レース・カーテン』の選定。
レースカーテンを開けると、最上階の眺望が堪能できる主寝室の内窓に使用するレースは、「フランス」のインテリア・ブランドである『メゾン・ドゥ・ファミーユ』より、上質なイタリア製のオーガンジーレースを合わせる事になりました。
透明感と美しいデザインが魅力のレースが、落ち着いた主寝室の内窓を演出しています。
『スタイル・カーテン』の選定とデザイン。
主寝室の「スタイル・カーテン」のメインファブリックには、五洋インテックスのカタログ、『インハウス』収録の、ドイツ製・高級ベルベットである「オルレアン(IH204 02)」をご採用いただき、「黒」のオーガンジーに「スワロフスキー」のクリスタル・テープを縫い合わせた特製の「フリル」で、『ゴシック・アンド・ロリータ (Gothic & Lolita)』スタイルベースを整えました。
『ゴシック&ロリータ』の総仕上げは
オリジナルデザインの『装飾タッセル』で。
長さ、約80cmの特大『装飾タッセル』をデザインしました。
こちらは、提案時の様子。クロコダイル柄のファブリックにレザーのパーツを組み合わせた編みバンドをデザインたうえで、フリルをイメージした仮の黒いレースをあてて基礎デザインの提案を行いました。
出来上がりの特性『装飾タッセル』のフリルには、ガラスビーズのトリムを縫い付けて仕上げました。
カーペット色との相性もバッチリです。
「主寝室」の窓辺が『ゴシック&ロリータ』の服飾さながらの仕立てで完成いたしました。
以上、本日は大作となりましたが、通称・『ゴスロリ』と呼ばれる、日本独自のファッションスタイルやサブカルチャーを意識した、『ゴシック・アンド・ロリータ (Gothic & Lolita)』スタイルを実生活の空間に落とし込んだ、トータル・インテリア・リニューアル事例をご紹介させていただきました。
◆ 当社・『輸入壁紙施工の施工事例集』 を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/yunyuu-k.htm
◆当社・「モールディング」の特集ページ
https://www.mitsuwa-i.com/sub7tokushu-14.htm
◆当社・『オーダーカーペット(置敷き)施工』の特集ページ。
https://www.mitsuwa-i.com/overlock.htm
◆ 当社・『輸入カーテンの特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/inhouse-2.html
ミツワインテリア:
https://www.mitsuwa-i.com/
- カーテン(輸入ブランド)
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