本日ご紹介させていただく製品は、2020年5月よりニチベイ・バーチカルブラインド『アルペジオ』の新仕様に加わった「バックレーススタイル」で、2024年6月には製品バリエーションも増え同社の売れ筋商品の1つになっています。
『アルペジオ』には、発売以来20年を超えるロングセラー製品の「センターレーススタイル」も存在していることから、2つの製品特性を比較しながらご紹介をさせていただきます。
というのも、最近お客様から「バックレーススタイルとセンターレーススタイルと比較した様々な違い、長所と短所がいま一つ理解しづらい」といったご質問いただくことが増えてきたのです。
個人的にもそれは感じていて、改めて両者の違いと注意事項を整理してみたのですが、確かに「バックレーススタイル」には「センターレーススタイル」にない魅力的な意匠と機能が存在する反面、正しく理解しておきたい注意点や「バックレーススタイル」ならではのデメリットがいくつか存在するため、商談にあたってはマイナスになる特性を含めた説明が不可欠となる製品だと思っています。
以下に更新情報を含む注意点をあげながら「バックレーススタイル」と「センターレース」の比較を当社展示品を交えてご紹介させていただきますので、製品選定にあたっての参考資料としていただければ幸いです。
「バックレーススタイル」の機能と特徴。
ここからは「バックレーススタイル」のおもな機能と特徴についての解説です。
「バックレーススタイル」とは、1つのキャリアに不透明ルーバーとレースルーバーをL字に取り付けることで遮蔽と採光をコントロールできるスタイルで、「センターレーススタイル」と違って、不透明ルーバーを垂直にした場合にレースが窓と水平になってフラットな視界が得られる点と、不透明ルーバーを全閉した時にレースを完全に隠すことが出来る意匠性の良さが製品のセールスポイントですが、以下のメリットとデメリットを正しく理解したうえでの採用をお勧めいたします。
「バックレーススタイル」のメリットとデメリット。
「バックレーススタイル」独自の特徴である、1つのキャリアに2つのルーバーをまとめている機構では、寄せたときの畳み代を「センターレーススタイル」より片開きで約30~40%減少させられるメリットがあります。
ただし、この構造にはデメリットも存在していて、1つのL型キャリアに不透明ルーバーとレースルーバーを90°(直角)に固定させている構造上、「センターレーススタイル」の様に不透明ルーバーを左右180°に回転(調光)させることはできず、右側または左側どちらか90°の回転(調光)に制約されている点が重要なチェックポイントとなります。
こう説明すると、理解が混乱してしまうお客様に配慮して当社では、右側90°回転の模型(※ループコード式)と左側90°回転の模型(※バトン式)を用意して、実際の窓辺で調光イメージの相違を確認いただく様にしています。
デモンストレーション操作①
まずこちらは「バックレーススタイル」の不透明ルーバーを垂直状態から反時計回りに90°回転、シースルールーバーを時計回りに90°回転させる調光仕様のイメージです。
調光時に製品向かって右側からシースルーの眺望を得たい場合には逆の操作仕様を指定する必要があります(※それにより左側からの眺望が失われます)。
デモンストレーション操作②
続いてこちらは「バックレーススタイル」の不透明ルーバーを垂直状態から時計回りに90°回転、シースルールーバーを反時計回りに90°回転させる調光仕様のイメージです。
調光時に製品向かって左側からシースルーの眺望を得たい場合には逆の操作仕様を指定する必要があります(※それにより右側からの眺望が失われます)。
この様に、ルーバー回転角度が左右いずれか90°に限定される制約を伴う「バックレーススタイル」の採用にあたっては、視界を得たい側、陽射しやプライバシーを遮りたい側といった事前の希望を決めた上で調光仕様を決定することが大切ですが、左右180度の自由な開閉を得たい場合は後述の「センターレーススタイル」の検討をおすすめしています。
「バックレーススタイル」
2種類のルーバータイプ。
続いて「バックレーススタイル」の製品バリエーションですが、従来の「100mm(不透明)×100mm(シースルー)」ルーバー同士の組合せに加え、2024年6月より新たに「75mm(不透明)×75mm(シースルー)」ルーバー同士の組合せが加わりました。
こちらはバックレーススタイル・【75mm(不透明)×75mm(シースルー)】の展示品(※ループコード&バトン式)で、従来からある【100mm(不透明)×100mm(シースルー)】の設置に必要な奥行きが180mmであった点を考慮して、一般的なカーテンボックスに納められる(※奥行き140mm程度)製品となっています。
バックレーススタイル・「100mm(不透明)×100mm(シースルー)」の展示品では、ループコード式(写真右)とバトン式(写真左)の2種類を用意しています。
上図にも示していますが、100mmタイプの「バックレーススタイル」採用にあたっては18cm以上の有効奥行きを確保できる設置環境が必要で、標準的なカーテンボックス(※15cm程度)や窓枠内(※10cm以下)での設置が難しく、壁面への正面付もしくは障害物となるボックスの前垂れがない天井付での採用を想定した位置づけの製品になっています(※ただし、スペーサーの併用でボックス内での採用が可能になる場合があります)。
バックレーススタイル
レース生地のバリエーションを比較
「バックレーススタイル」で採用できるシースルーの組合せは、100mmルーバーに対応する透過性の高い『ベーネ』と、遮熱とプライバシー性に配慮した『ミラーレース遮熱』に加えて、75mmルーバーにも対応する遮熱生地の「ルーテ遮熱」の3種類があり、当社展示品ではそれぞれのレースの見え方を比較検討いただくことができます
『ベーネ』は、「バックレーススタイル」100mmルーバーの標準仕様レースで、霧のような柔らかなベールをまとう透け感が特徴です。
透け感重視で景色や光を柔らかく取り込みたい窓におすすめのシースルーです。
『ミラーレース遮熱』は、「バックレーススタイル」100mmルーバーのオプションレース(※+10%価格加算)で、透け感を保ちながら遮熱と日中のプライバシー対策が必要な窓におすすめのシースルーです。
『ルーテ遮熱』は、「バックレーススタイル」75mmルーバーに唯一対応するレースで、高いUVカット機能と遮熱性を合わ持ったシースルーです。
以上が、当社展示品紹介を交えたバーチカルブラインド「バックレーススタイル」の特徴解説ですが、参考までに関連製品となる「センターレーススタイル」のご紹介も加えておきますので、ご興味のある方は比較検討の資料として以下の解説をお目通しください。
関連製品
比較製品の「センターレーススタイル」を解説。
これまで長々と「バックレーススタイル」の解説をしてきましたが、最後に「センターレーススタイル」の特徴と解説を展示品でご案内しつつ本日のブログをしめくくろうと思います。
「センターレーススタイル」は、製品仕様にもよりますが、100mm不透明ルーバーを使用した製品であれば120mm程度の有効奥行きがあればカーテンボックスにも設置が可能(※125mm不透明ルーバーの場合は140mm程度)、製品の手前側に障害物の無い窓枠内付であれば80~90mm程度の有効奥行き(※125mm不透明ルーバーの場合は110mm程度)でも設置することが可能な製品です。
ニチベイのロングセラー商品として知られる「センターレーススタイル」は、100mmの不透明ルーバーに85mmのセンターレースを斜めに挟み込んだ構造が基本スタイルですが、現在は125mmの不透明ルーバーに100mmのセンターレースを組合わせた仕様や100mm同士の不透明生地とセンターレースを組合わせた「ミニマル仕様」も加わった幅広い展開となっています。
レース用のキャリアは不透明ルーバーの回転に合せて動くことしかできない仕組みになっていますが、そうすることで不透明ルーバー用のキャリアを左右180°回転操作できる機能性が「センターレーススタイル」の大きな魅力となっています。
注意点としては、「バックレーススタイル」の不透明ルーバー全閉時に、レースが完全に隠れるのに対して、「センターレーススタイル」の不透明ルーバー全閉時では、全体の40%程度レース生地が見え、不透明生地とレースの色調を合せない場合はツートーンになるという特性があります。
これまでの販売実績の中では、レースの色を不透明生地や遮光生地に合せるのではなく、ツートーンカラーになってもいいのでレースは白で自然な採光と視界を得たいというお客様が7割以上という印象ですが、夜間はレースの存在を消したいという様なご要望に対しては今後「バックレーススタイル」をお勧めしようと思っています。
続いて、直線窓以外での納め方について、シンプルなキャリア構造を採用している「センターレーススタイル」の場合は、コーナー窓での採用も可能で、入隅や出隅コーナーが多いマンションなどでの採用が可能です。
※事例: https://mitsuwa-i.com/blog/2020/02/12
対して、「バックレーススタイル」の場合は、1つのL型キャリアに2枚の生地を取付けているため、「センターレーススタイル」の様にコーナー窓で使用することを想定した設計にはなっていません。
ルーバーの回転を妨げない必要最小限の間隔を確保した場合でも、L型キャリアの構造により、コーナー部分のレース間隙間が生じたり、不透明ルーバーを全閉にした場合、コーナー部分の1枚はバックレースの露出になるなど、構造上の不具合が生じてしまうのです。
以上、本日はニチベイ『アルペジオ』「バックレーススタイル」のご紹介をロングセラー品である「センターレース」との比較を交えてご案内させていただきました。
お客様にとって好ましいと思われる製品はどちらでしょうか。
どちらを選べば良いかを決め兼ねるという場合は、展示品を使ったご案内をさせていただきますので、ご来店、あるいは現地出張依頼などお気軽にご相談いただければ幸いです。
◆ 『バーチカル(縦型)ブラインド』特集ページ
http://www.mitsuwa-i.com/ver&ver.html
◆ 当社・『調光ロールスクリーン』の特集ページ
http://www.mitsuwa-i.com/shilhouette.html
ミツワインテリア: http://www.mitsuwa-i.com/
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