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マンションの遮音対策に対応するオーダーカーペットの特殊施工事例。
直接足の裏に接触して体温を奪う冬場のフローリングは、「冷え症」の方にとって深刻な悩みとなるため、この季節になると「保温対策」として、カーペット工事の依頼が増えてまいります。
また、こちらは季節に関わらない問題として、マンションなど「集合住宅」における、階下世帯との音のトラブル回避策として、「遮音対策」を強化したカーペット施工の依頼をいただくことも多いです。
「保温」と「遮音」を両立させる、
現状回復対応のオーダーカーペット施工。
当社が行っているカーペット施工の応用事例の1つに、将来的にフローリングを傷めずに「原状回復」することを視野に入れた敷き詰め仕様の「置き敷きカーペット」施工があります。
これは、インテリアの美観を重視しつつも、「保温」や「遮音」といった対策を講じて、お子様の成長や賃貸住宅退去等に伴う将来的な原状回復時に、カーペットにより、フローリングが生活傷から守られているという二次的効果が期待できるものです。
当社では、30年近く、カーペットを使用した遮音対策の提案施工に注力していますが、「読売新聞(全国版・朝刊・くらし面)」で取り上げられて以来、より多くのお客様から、ご指示ををいただけるようになりました。
集合住宅(マンション)での
階下への「遮音」対策。
今回の事例でご紹介する、特殊置き敷き仕様のカーペット施工は、階下への「遮音対策」と「冬場の冷え対策」を兼ねたご要望でした。

玄関から一直線でLDに5m以上続く廊下などは、小さなお子様にとっては走り出して加速しやすい滑走路となりやすいため、その流れで、LDでも駆け回ってしまう癖がつきやすい事が多く、これが音のトラブルに発展することも少なくありません。
しかも、マンションの廊下部分は、フロア下に給排水スペース(空間)が集中していることもあり、歩行音が他の居室よりフローリングの下で共鳴しやすい状態にあります。


そこで今回は主要な生活動線部分に、特殊な圧縮加工を施して遮音性を高めた8mm厚の下地材を敷いたのち、現在、国内では最高水準の遮音効果が得られると言われている、11.5mm厚の「遮音・ウールカーペット」の2重敷き工法を行って、原状回復対応型の置き敷きとしては徹底的と言える対策を講じました。
なお、補足として、こちらの物件は分譲マンションでしたので、総厚20mmほどのカーペットの敷設に伴い、室内ドアの調整を行いました。
調整は、ドアの下側をカンナ仕上げで削れるドアであれば対応可能ですが、削り厚は5mm程度までとなり、それができない場合は「遮音・カーペット」の単独敷きでの対応となります。
遮音カーペット工事の実績として、90%以上は、1枚敷きでの実施ですが、使用する素材によっては満足のいく効果が上がることが多いです。
参考までにこちらは日本カーペット工業組合が設営したカーペットの防音性体験コーナーの動画です。
土足履きでの歩行実験ではありますが、室内を走り回る衝撃を想定した場合、カーペット敷きによる吸音性があることがわかります。
「遮音・ウールカーペット」の選定
今回ご採用いただきましたウールカーペットの繊維構成は、75%がオーストラリア産の『メリノウール』、25%が子羊の『ファーストラム』が高密度で紡績、パイルされたもので、国産ウールカーペットの中では定評のあるロングセラー製品です。
特に、衣料用ウールとしても珍重されているメリノを、高密度パイルにより「弾性回復力」に富んだ製品として仕上げていますので、長期の使用でも遮音性が維持されやすい特徴があります。

また、カーペットの基布には厚さ3mmのフェルトが使われているため、基布側の弾力性も高く、遮音カーペットの単体使用では国内最高級に位置づけられる遮音等級:LL-35、デルタ等級LL(I)-6に該当する製品で、「床暖房」にも対応しています。

廊下に続いて、横長の「リビング・ダイニング」エリアにも遮音対策を講じます。

まず、厚さ8mmの特殊な遮音下地材をフローリングを傷めない吸着テープで固定し、その上にカーペット専用の強力両面テープを周辺に施したテープ加工で敷き詰めを行います。


以上、遮音カーペットと特殊遮音材を併用した敷き詰め施工により、遮音等級:LL-30、デルタ等級LL(I)-7のフロア環境を整備する今回の施工内容となりますが、施工を終えてお客様からも大変ご満足をいただくことができました。

LDにカーペットを敷くメリットとしては、「遮音」と「保温」対策以外にも、「広々としたLDの床で座っても過ごせる快適性」があり、カーペットの施工により、居室でゆったりと家族団らんなどができる機会をつくるきっかけなどになる場合もあります。