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FISBAの高級メリノウールカーペットを敷き詰めた地下音楽室の反響音対策。
本日のブログでは、「FISBA(フィスバ)」の超高級メリノウールカーペットを敷き詰めて行った、音楽室の「音響(反響音吸音)対策」事例をご紹介させていただきます。
『FISBA(フィスバ)』の愛称で知られるスイスの「クリスチャン・フィッシュバッハ」社は、約200年の歴史を誇る、世界最高峰のテキスタイルブランドとして広く認知されています。ファブリックだけでなく、コーディネート可能な最高級の「ラグ&カーペット」コレクションも展開しています。
今回のご提案では、ニュージーランド産の高級メリノウール100%を使用し、ハンドタフテッド技術により高密度に仕上げられた、128色展開の『EN VOGUE PREMIUM(アン・ヴォーグ・プレミアム)』をご採用いただきました。
選定カラーは、魅惑的なレッド(Colour:062)。
空間全体を「海外のオペラハウス」を思わせる音楽室へと模様替えする、印象的なインテリア演出となりました。
地下音楽室の「反響音軽減対策」

お客様からのご相談は、新築戸建の地下室にグランドピアノを設置したところ、音楽演奏による残響音が予想以上に強く、改善したいというものでした。
特に、硬質な石貼りの床材が音を強く反射し、用意されていた部分敷きの絨毯では吸音面積が不足していると実感されたそうです。
また、スタインウェイ(Steinway & Sons)製のグランドピアノによる重厚な低音や、声楽発声によって、床や壁に伝わる振動、天井からの反響音が顕著に感じられるとのことでした。
加えて、お客様にとっては、吸音性の向上だけでなく、インテリアとしての美しさも重視されており、「海外のオペラハウスのようなレッドカーペット(赤絨毯)を敷き詰めたい」という明確なご要望をいただきました。
お打合せ当初、国内製の赤系高級カーペットを数点ご紹介させていただきましたが、発色や質感、パイル密度の点でご満足いただける製品が見つからなかったため、最終的にご提案したのが、スイス・FISBA(フィスバ)の「ラグ&カーペット」コレクション。
ニュージーランド産メリノウール100%を使用し128色のカラーバリエーションを持つ『EN VOGUE PREMIUM(アン・ヴォーグ・プレミアム)』をご紹介させていただきました。
FISBA(フィスバ)の
「ラグ&カーペット」コレクション

FISBA(フィスバ)の、「ラグ&カーペット」コレクションについては、以前のブログで製品紹介をいておりますので、そちらをご覧ください。
また、当社でご用意している商談用サンプルは、現在は入手できない希少品ですが、FISBAの東京ショールームでは様々な展示品と併せてご覧いただくことができますので、そちらもご活用ください。

こちらは、今回の現地打合せで実際にご覧いただいた、「65cm☓130cm」サイズの『EN VOGUE PREMIUM(アン・ヴォーグ・プレミアム)』特製カラーパレット・ラグの商談用サンプルです。
素材には、衣料用ウールとしても名高い「メリノウール」のなかでも最高品質とされる、「ニュージーランド産・メリノウール(100%)」を使用しています。
そして、この高品質素材をハンドタフテッドの技術を駆使して、熟練した職人が8cm角ほどのカラーを、1つずつ丁寧にフックガンで打ち込みながら128展開色で作り上げたのがこの打合せ用「カラーパレットラグ(非売品)」です。

こちらの「色見本ラグ」は実際の打合せの際にカタログと一緒に持ち運びできるように作られおり、これを現地で直接「触って」、「踏んで」いただきながら、この製品の発色の美しさを素晴らしさを実感していただく事ができます。
それほどメーカーにとって自信のある製品ということです。


ベーシックな無地の『EN VOGUE PREMIUM(アン・ヴォーグ・プレミアム)』の場合、最少製作面積:1㎡以上の「ラグ」サイズから、最大60㎡(6m☓10m)のカーペットサイズまで製作可能です。
製品は、「単色(無地)」製作でも、112,000円/㎡・税別という高級品。
完全オーダー品のため、全製品受注製作納期は約8週間となります。
更に、このカラーチャート色と組み合わせて、FISBAがコレクションしている個性的なパターンをオーダーサイズでお作りすることも可能です

カーペットのオーダーサイズについては、長さには比較的柔軟な対応が可能ですが、幅に関しては輸送上の制約があります。
これは国産品に限らず海外製品でも同様で、国内在庫品では通常幅4mまでが一般的です。
梱包幅が4mを超えると、一般の配送便では取り扱えず「特別便」での対応が必要になるためです。
特に今回のように幅5.4mというサイズを必要とするケースでは、国内製品・輸入品問わず対応可能な製品は非常に限られています。
その中で、FISBA(フィスバ)の『EN VOGUE PREMIUM(アン・ヴォーグ・プレミアム)』は、最大幅6mまで対応可能という希少な製品であり、今回のご要望に唯一応えることができました。
搬入についても、成田空港からの直行便で輸送後、音楽室の「舞台」両端にジョイントを入れつつ、メインスペースは1枚敷きで仕上げることができるという点が、お客様にとって大きな魅力となり、2か月間の納期を快くお待ちいただく結果となりました。
なお、幸運なことに今回は人力(5名)による搬入が可能であったことも、スムーズな施工につながりました。
どんなに優れた製品であっても、現地に搬入できなければ採用は叶いません。
今回のような広幅カーペットの採用は、搬入経路の確保しやすい戸建住宅ならではの事例といえるでしょう。
『EN VOGUE PREMIUM』で採用する
「ニュージーランド産・メリノウール」について

「メリノウール」とは、メリノ種の羊から採った羊毛のことを呼びます。
紡績された繊維は、羊毛の中で最も細く、シルクのような光沢感と弾力性に富み、そのなめらかな肌触りは衣料品に最適といわれています。
水を弾き、調湿機能に優れているため、一年を通して快適に使えることができることと、燃えにくいという特性があるため、防炎製品としても優秀な素材です。

次に、「糸の太さ」は番手やデニール、デシテックスなどで表しますが、ウールなど「繊維の太さ」はミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)で表示し、その数字が小さいほど繊維が細くしなやかになります。
ニュージーランドメリノは、全世界メリノ生産量の1.5%以下ですが、繊維の太さは12ミクロンから24ミクロンまで(平均繊度は19ミクロン以下)とメリノ種の中で最も細く引っ張り強度に富み毛羽立ちが少ないのが特徴です。
主要生産国オーストラリアの平均繊度(22ミクロン)や、南アフリカ連邦(23ミクロン)と比較して、ニュージーランドメリノはより繊維が細く希少な原料とされています。
参考までに、毛の細さによって使われる製品用途も異なります。
* 「スーパーエクストラファインメリノ(16.5~17.5ミクロン)」
⇒(用途):超高級スーツ・コート・ドレスなど。
* 「エクストラファインメリノ(18.5~19.5ミクロン)」
⇒(用途):高級スーツ・コート・ドレス・ニットウェアなど。
* 「ファインメリノ(20~22ミクロン)」
⇒(用途):しっとりとしたセーターやカーディガンなどの高級ニットウェア。
* 「ストロングメリノ(22.5~25ミクロン)」
⇒(用途):ざっくりとしたセーターやカーディガンなどの高級ニットウェア。
「カーペット」で使用される一般的なウール繊維の太さは38〜40ミクロン程度(1ミクロンは1000分の1ミリ)といわれていますが、FISBA(フィスバ)の「ウール」ラグ&カーペットで扱うニュージーランドメリノは「23ミクロン以下」の衣料品クォリティの繊維をふんだんに使用して超高密度で作り上げています。


「ラグ加工」のバッキングには、ダークグレイのフェルトを使い、表面の美しさを損なわない仕上がりとなっていますが、現場でのジョイントや施工が必要なカーペットの場合は、バッキングなしでオーダーすることもできます(価格は同一)。
ウール「ラグ&カーペット」は、全製品「防炎認定」済みで「床暖房対応」となっていますので、一般住宅から商業施設まで広くお使いいただけます。
「吸音対策」工事
現状回復もできる特殊施工で
特殊製品のため前置きが長くなりましたが、このブログは、施工に対するこだわりに共感していただける方のために書いているものですので何卒ご了承ください。
エントランスに続く階段を除く「石貼り」のフロアを「ウール・カーペット」で吸音対策をすることになりましたが、間取りがご覧の様に変形ですので、現場での施工調整をして納めることになりました。
写真は、特殊加工で圧縮されたアンダー材(8mm)を下貼りしている様子です。
何故、圧縮アンダー材を使用するのかといいますと、今回の施工では、既存の石貼りフロアを傷めず、将来的には現状復帰も可能な工法で納めているからです。
原状回復のために、石材とアンダー材の固定にはボンドや粘着テープを使用しない特殊工法で納めているので、床は傷つかずに養生された状態になります。
アンダー材とカーペットは専用テープを使って固定して仕上げますし、カーペットのジョイントはアイロン溶接も行って仕上げますので手間の掛かる仕事です。
専門的な話になりますが、手間で言えば一般的な「グリッパー工法」の方がはるかに楽です。
現地で下準備をしていると、成田からの直行便で、待望のカーペットが届きました。
総勢かかって荷降ろしをすませて、輸送用の包装を外すと、5.4mのカーペットも含めて「ラグ」用の化粧カバー(筒状)で梱包されていました。
コンサートホールの様な音楽室
豪華さと「吸音効果」が両立



「音楽室」の扉を開けると、ご覧の様に敷き詰められた「レッドカーペット」にリニューアル。
カーペットが入る事により、「階段」・「壁」・「舞台」でレイアウトされている曲線美が更に美しく調和しました。

ゴールドを使った「家具」や「装飾品」も豪華に映えます。

カーペットは目にもやさしく、疲れにくいと言われています。
それは、カーペットの繊維には、音の反響だけでなく光の反射も抑える効果があるためです。
照明の光もソフトに抑えてくれるので、目の疲れを軽減してくれます。

「音楽室」全体の反響が抑えられたため、フローリング仕上げの舞台上では快適な「ピアノ演奏」がお楽しみいただける様になりました。

舞台から、サロンに向かっての「声楽演奏」も違和感なしとのこと。
何よりでございました。
こうして、単なる「反響対策」だけでなく、「部屋の格調」が高められるリニューアルとなり、お客様からも、これからは実際のコンサートホールをイメージした練習ができますとご満足いただけました。
皆様の今後益々のご活躍を願っております。
ミツワインテリア: https://www.mitsuwa-i.com/