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英国・「Farrow&Ball」の壁紙を使用した『アクセントウォール』施工事例。

海沿いにある「中古戸建住宅」ご入居前のLDにて、英国・「Farrow&Ball(ファローアンドボール)」の壁紙をアクセントウォール施工させていただきましたので、解り易い「輸入壁紙」施工の様子を交えてご紹介させていただきます。
当社の展示サンプルよりご採用

「Farrow&Ball」の壁紙は、同社の天然顔料による水性ペイントと美しく調和する、ペイント刷りの壁紙です。
18世紀から受け継がれるブロックプリントやトラフプリントといった伝統技法で仕上げられ、花柄、ダマスク、ストライプ、幾何学模様など多彩なデザインを展開。
光沢を抑えたペイントと組み合わせることで、奥行きのある独特な風合いを演出します。

こちらは、当社展示の「Farrow&Ball」ペイントカラーサンプル什器です。
同社のペイントには、英国の歴史的建築物の修復にも使用される「ナショナル・トラスト・カラー」など、本格的な英国スタイルに対応した色も含まれており、こだわりの空間づくりを求めるお客様から高い支持をいただいています。
壁や窓枠、建具などを好みの色で統一し、洗練されたインテリアを実現できます。

今回ご採用いただいた壁紙は、Farrow&Ballのカタログ『The Ringwold Papers』収録の「BP1648(ブルー)」です。
このカタログでは、ひとつの柄を異なるペイントカラーで展開し、まるで色見本のように構成されており、柄の持つ由緒と、ペイントメーカーならではの色へのこだわりが感じられる内容です。
ひとつのデザインにこれほど焦点を当てた構成は世界的にも珍しく、日本製の壁紙カタログには見られない独自性があります。
「アクセントウォール」施工の様子

アクセントウォールに貼り替える前に、既存の壁紙を丁寧に剥がし、下地調整を行いました。
これは壁紙施工の仕上がりを左右する重要な工程で、施工面の凹凸をパテで平滑に整えた後、糊の接着性を高めるシーラーを塗布しています。
壁紙を貼る工程よりも、この下準備に多くの時間と手間をかけることで、美しく長持ちする仕上がりが実現します。

こちらは、英国製壁紙の柄を施工面に割り付けている様子です。
イギリスの壁紙は、水性ペイントを使った伝統的な製法の都合上、10m巻きのロールが標準仕様です。
そのため、柄合わせを必要とする場合、天井高が約250cmの現場では1ロールから実質3ピッチ分(リピート)しか使用できません。
余った部分は、ドアや窓上などの低い位置に使えることもありますが、使い切れず余りが出ることもあります。
一方、日本製の壁紙は最長50m巻きが可能で、ロスが出にくいという利点があります。
ただし、量産に特化しているため、英国製のような手仕事の温かみや独特の風合いは再現が難しいという側面もあります。

今回の施工では、3ロールの壁紙を裁断して施工しました。
通常、壁紙の糊付けは専用の機械を使用するため、ロールのまま糊付けと裁断を一括して行うのが一般的です。
しかし、ハンドメイドの壁紙や、施工環境に応じては、あらかじめ柄の確認や長さの調整を行う「検尺」を兼ねた手作業による対応を行うこともあります。こうした丁寧な工程は、仕上がりの美しさに直結するため、特にこだわりの素材を扱う際には欠かせない作業です。

パターン割付後の施工風景です。
丁寧な下地処理が施されていれば、この後の施工は非常にスムーズに進みます。
特に「輸入壁紙」は繊細で薄手の素材が多いため、下地の仕上がりが仕上がりの美しさを左右します。
逆に、下地が不十分なままでは、施工が困難になり、仕上がりにも大きく影響します。

こうして美しい、ペイント仕立てのアクセントウォールが貼りあがりました。

出窓側には「グランドピアノ」が置かれて、サロン的なリビング・ダイニングとしてこのアクセントウォールが活躍するとのことです。
今回ご採用いただいた色柄の組合せは人気が高いので、改めてマンション・リフォームで「ペイント仕上げ」との組み合わせでコーディネートさせていただいた施工事例もご紹介させていただきます。
ミツワインテリア:https://www.mitsuwa-i.com/