本日のブログでは、ナニック 「ヒノキ・ウッドバーチカルブラインド」の特殊納品事例をご紹介いたします。
築40年・リノベーション マンションの「壁装」に合せて調色したオートクチュールの「特注色」ルーバーに、取付補助金具を駆使して取付対応外の「正面付」で設置した特殊施工。「特注」のこだわりが満載の納品事例となりました。
ナニック「ヒノキ・ウッドバーチカルブラインド」
「特注色」オーダーについて。
お客様からのご依頼は、『ヒノキ』 ウッドバーチカルブラインドに自由な組合せのカラーコーディネートを加えたいというもの。
ナニック「ウッドバーチカルブラインド」では、『バスウッド』材で73色展開、『ヒノキ』材で10色展開の対応色がありますが、各展開色で使用している色成分の組合わせ範囲内で「特注色」を調色し製品化するオプションを用意しています。
調色オプションによる製作は、1色当り+38,000円(2017年12月現在)の価格加算となるため、採用実績の多くは、店舗や商業施設など、特注色で複数台製作するケースが主流です。
要は、1台の製作であっても10台の製作であっても、特注価格は一律のため、製作台数が少ないほど割高感が強まるオプションです。
その様な理由で、小ロット製作傾向の個人宅での採用実績は少ないのですが、特注色対応のオプションを持つメーカーはナニックだけであることと、特注色により「オンリーワン・カラー」が我が物になる魅力を考えると、潜在的な需要はある知名度の低いオプションかもしれません。
特注色オーダーの流れと注意事項
① 特注色のオーダーにあたっては、製作前にお客様よりご提供いただく色見本(※必須)をもとに、ナニックの工場で調色とルーバーサンプルへのテスト塗装を行い、実際の仕上がりをお客様に確認をいただきます(製作目安:7~10日)。
特注サンプル色の確認は、実際に製品を使用する現地の「自然光」や「照明」を当てて、光の照度、陰影、反射を含めた確認をおすすめします。
また、特注色にコーディネートする家具や造作物、機器、小物などがある場合は、調和の確認もおすすめします。
② お客様ご提供のカラーイメージを、木部に着色した製品として反映する作業は難易度が高く、特に塗り潰しではない木目や木肌も見せる着色で仕上げる場合、必ず、木目や木肌に着色の濃淡が生まれるため、それが全体イメージに影響します。
そのためナニックでは、初回の調色内容に調整を加えたい場合は、具体的な指示のもと、割増料金無しで再調色の依頼を受け付けています(製作目安:7~10日)。
なお、3回目以降の調色は有料(※別途見積り)となります。
③ 2回目までの調色サンプルで、希望通りの色味が出ていないと感じられた場合でも、オプションの初期費用は発生します。
木部への塗装は、紙や布へのプリンター印刷とは異なり、あくまでも天然素材である木材(木肌と木目)の持つ特性と影響をご理解いただく必要のあるオプションとなり、そのためにサンプル製作が2回まで用意されています。
ご依頼者の主観に偏った精度を求める調色依頼については、メーカー非対応となる場合があります。
④ 調色依頼後に、標準色での製作に変更する場合や、製作自体を取り止めた場合でも、特注費用は請求されます。
以上が、「特注色」オーダーにあたっての流れと注意事項となります。
アメリカン・カントリー調の「ブルー」。
『ヒノキ・バーチカル』で特注製作。
アメリカン・カントリー調 インテリアを意識した「ブルー」の腰壁塗装にコーディネートする特注色リクエストの様子。
特注色の依頼にあたっては、原則として現物サンプルの提供が必須となりますが、腰壁の塗装から、数年の時を経ている状況では、ナニック(工場)に現物提供できるサンプルが無いため、今回はメーカーが共有できるスラットを使った比較イメージの画像を送って交渉の基礎資料としました。
ヒノキ・バーチカルブラインドの対応塗料には「ブルー系」の成分がないため、特注色の依頼にあたっては、バスウッド材対応色の「31C (ラバンドゥ)」を濃いめに調色してヒノキ材に塗装して欲しいというリクエストを行いました。
メーカーからの事前回答。
バスウッド対応色で使用される塗料は、ヒノキシリーズで使われる塗料と成分が異なるため、ヒノキ材に着色した場合、ヒノキの木目に不規則なにじみ(色ムラ)が出たり塗料が強く染み込んで、全体像が少し濃いめに仕上がる可能性が高いという、納品実績に基づいたアドバイスがありました。
つまり、「バスウッド」材に塗装するよりも、濃淡が強く濃い、個性的な印象に仕上がるということです。
今回、お客様が求めるインテリアは、「アメリカンカントリー」調であるため、木目の色ムラや強い濃淡はむしろ歓迎とのこと。
その後依頼したサンプル製作色も、居室のインテリアにマッチするとのことで本採用となりましたが、色ムラや濃淡を抑えたいインテリアテイストを求められる場合は注意が必要です。
「ヒノキ・バーチカルブラインド」にバスウッド対応色塗料を使った「ブルー」系調色事例の施工ギャラリー。
大型TV側は、
アメリカン・カントリー調の「赤味」で特注製作。
75インチ・大画面テレビが置かれているエリアの壁装は、「赤煉瓦」と赤味の強い「羽目板」壁と「建具」の組合せ。
お客様からのご依頼は、ヒノキシリーズの展開色『721(ベンガラ)』のベースに赤味を加えて、バーチカルブラインドと対面する「建具」に近い色調に仕上げて欲しいというリクエスト。
調色サンプルの製作と確認を経て、お客様のご希望通り、バーチカルブラインドに対面する「建具」と色を揃えた特注色で納めることができました。
ちなみに、2017年12月時点のカタログではアナウンスされていませんが、ナニック・ウッドバーチカルブラインドの「チルト操作(=ルーバーの回転)」が、ループコードから画像のような「タッセル仕様」に切り替わりました。
部品色近似色で塗装された木タッセルの上下操作でルーバーを回転させます。
旧仕様のループコードが、ルーバー開閉用ループコードと区別しにくいため、これは視認性の高い仕様変更となっています。
***特注施工***
ナニック ウッドバーチカルブラインドを「窓枠・正面付」で設置。
こちらは、現地お打合せ時の様子。
窓枠にカーテンレールが設置されていますが、ウッドバーチカルブラインドも、オプションバランスも窓枠「正面付」でのみ設置できる下地状況でした。
「煉瓦」仕上げの梁には不陸が多く、ウッドバーチカルブラインドとバランスを天付できないため、設置するためには窓枠「正面付」しか方法がないのですが、ナニック・ウッドバーチカルブラインドには、「正面付」対応の設置部材(ブラケット)が存在しないのです。
通常はこの様に、カーテンボックス内や窓枠内に、本体とオプションバランスが「天付」で設置できるスペースが必須の取付部材仕様となっているため、今回は、「取付補助金具」を駆使した特殊対応を考える必要がありました。
シュミレーション模型を使った、設置イメージ確認の様子。
スペースの余裕がない状況ですが何とか設置できることが確認できました。
当社オリジナルの「取付補助金具」を併用して組み立てた、「本体ブラケット」と「バランス金具」の正面付設置の様子。
取付補助金具の厚みは3mmと充分な厚みがありますが、純正の天付用ブラケットを固定するための4mmネジ穴が2箇所必要でしたので、鉄板にネジ穴を追加しています。
苦心の甲斐あって、製品全体の納まりイメージは、ほぼオリジナル通りになりました。
正面付用金具の設置にも順番があります。
最初に、取付補助金具を併用して「正面付」用にカスタマイズした本体用ブラケットを窓枠に設置します。
次に、本体ヘッドレールをセットする前に、バランスを「正面付」するためにカスタマイズしたアングル金具を窓枠に設置します。
本体・ヘッドレールを設置した後ではバランス金具を設置できないため、先付する必要があるのです。
設置完了。
一見、煉瓦仕上げの梁下にウッドバーチカルブラインド本体とバランスを直付けしているかのような自然さで納まっていますが、実はこの納めこそ本事例の最大の難所でした。
「カーテンボックス」風に仕立てたオプション・バランスには、ヒノキ・シリーズ標準色の『723(コゲチャ)』を別注して、天井周りの内装色との調和、2色使いのウッドバーチカルブラインドとの調和を図っています。
本日のまとめ
今回のような特殊施工事例は、お客様の希望を形にした記念撮影でもありますが、提案者である我々の、今後につなげる「忘備録」でもあります。
凝らした工夫を記録した作業日報としてお読みいただければ幸いです。
◆ ナニック ウッドブラインド」の特集ページ。
https://www.mitsuwa-i.com/newpage13.htm
◆ 当社・『木製ブラインドの特集ページ』を見る。
https://www.mitsuwa-i.com/tokyo-b.htm
ミツワインテリア: https://www.mitsuwa-i.com/
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