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ある程度下地の平滑が確保されたのちシーラー処理を行って本格的なパテ処理の下地を作ります。最終的には写真左側の様な状態に仕上げていきます。

輸入壁紙や塗装下地用壁紙のリフォームで一番大切なのが、この様な下地の補修作業です。この過程の善し悪しで仕上りの印象が変わります。なぜならこれらの壁紙のほとんどは紙厚が非常に薄く(国産量産品の1/2〜1/3以下)、下地処理を怠ると、貼り上がりの見栄えが悪くなってしまうためです。これではせっかくの高価なテクスチャーも台無しです。写真のように下地の凹凸に丁寧なパテ補修を繰り返し行い全面を平滑にしていきます。

下地損傷部分のパテ処理が完成しました。壁面が乾燥したら再度ペーパー処理して壁面の平滑性を高めます。そしてパテ補修後、壁紙と下地材の接着を強固にするためのシーラー処理で、壁紙施工下地を完成させます。

壁紙施工用下地が完成したら、いよいよルナファーザー(フリーズNO.741)壁紙の施工を行います。ルナファーザー(フリーズNO.741)施工の場合、目安として1部屋(6帖)に3日の工期(塗装作業含む)をかけています。徹底した下地補修を行ったうえで壁紙を貼るといったこだわりの姿勢を崩しません。輸入壁紙のリフォーム専門業者のプライドをかけた丁寧な仕事をみなさまにお届けします。

ルナファーザー(フリーズNO.741)壁紙の下地施工が完了した状態です。純白でフラットな壁面、天井面は、さながら漆喰(しっくい)壁の雰囲気が感じられます。この非常に強い繊維組織を持つ塗装専用壁紙に塗料が浸透すると、ひび割れのないクラックレスな塗装仕上げが完成いたします。
今回のリフォームでは、仕上げ塗装材として、英国の伝統的塗料として有名な、
F&B(ファローアンドボール・ペイント)を採用いたしました。壁面には、豊富なグリーン色の中から、COOKING APPLE GREEN(NO.32)を、最上部の天井面と見切りのモールディング塗装に純白のALL WHITE(NO.2005)、天井より一段下がった梁(はり)面の塗装にごく僅かにクリーム色の加味されたWHITE TIE(2002)と使い分けています。


ALL WHITE(2005)
(天井にて使用)
WHITE TIE(2002)
(梁面の下部にて使用)COOKING APPLE
GREEN(32)
(壁面にて使用)

塗装作業風景です。今回壁面に使用したCOOKING APPLE GREEN(NO.32は、イギリス製『Farrow&Ball・ファロー&ボール・ペイント』全132色の中でも特に、「ナショナルトラストカラー(ロンドン塔やウィンザー城の修復作業などの歴史的建造物の修復に採用されている伝統色)」の1つとして指定されています。天然成分の顔料をふんだんに使用した驚くほど低臭のこの塗料は、これまでの塗料に対する臭いの問題を一気に解決させたと言われています。COOKING APPLE GREENの味わい深いグリーンの発色は、伝統塗料として普遍的な支持を受ける塗料が表現できる独特な色彩表現となります。

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