『クリサンティマム・トアレ(DMOWCH101・チャイナブルー/クリーム)』は、ロール幅・52cmの英国・輸入壁紙です。
こちらの事例の、注文戸建住宅の壁紙リフォームの際に、玄関ホール正面の天井まで伸びる「吹抜け」部分の壁面中央部に、既存の、天井の照明と、古代エジプトをイメージした絵画の魅力を引き立てる工夫を行いました。
具体的には、白い石塗調の壁紙に、「縦ストライプ・アクセント・ウォール」として、『クリサンティマム・トアレ』の壁紙を1幅そのまま、縦ボーダーとして加えて貼りあげることにより、1Fの「玄関」と、その上の「吹抜け」部分といった「エントランスエリアの空間美」を、別々ではなく、関連性を持たせた空間表現として結びつけることができました。縦に伸びる空間の、芸術的要素を強めることができるコーディネート事例です。
これにより、単に吹抜天井の高さが強調されるだけでなく、縦長のペンダント照明のフォルムとホールに伸びてゆく光線美を引き立てることも出来ました。
また、光源の下に位置する絵画の、格調高い幻想性も損なうことなく、統一感のある、ダイナミックな玄関ホールへとリニューアルいたしました。
もともとの住宅の造りが良かったということもありますが、芸術性の高い壁紙ならではの、応用施工事例であるといえます。
こちらは、ウィリアム・モリスの『葡萄(ぶどう)』のカーテン掛け替えから始まって、段階的に、モリスの輸入壁紙を取寄せてのリフォーム、そして、椅子生地のリフォームへと手を加えていただき、完成させていただきました、当社トータル・リニューアル施工事例です。
「ウィリアム・モリス」をテーマとしたインテリアは、選ばれる生地はの色・柄、作品のテーマを違えても、その組合せを、住まい手の方の感性、居室のイメージと照らし合わせながら決めてゆくと、不思議と違和感のないトータルコーディネートとして出来上がってゆくところに、今なお、世界中で愛されている、ウィリアム・モリスの洗練されたデザイン美と、普遍的な魅力の秘密があるのかもしれません。
リフォームの依頼をいただいて引き上げた時の椅子の様子。
ウィリアム・モリスの生地で、背もたれの部分のクッション追加と、座面の新調を完成した納品時の椅子の様子。
こちらのお客様宅では、リビング・ダイニングに隣接している和室の『襖』にも、モリス商会のデザイナーとして活躍した、「John Henry Dearl(ジョン・ヘンリー・ダール)」が、1904年にデザインした、『マリーゴールド(MariGold)』の輸入壁紙を英国より取寄せて施工させていただきました。
詳細は、以下の施工注意点の記述に示してありますが、お客様のご理解いただき、本施工事例では、既存の『本襖(ほんぶすま)』から、『板襖(いたぶすま)」に建具を交換させていただき、輸入壁紙の「全面・糊貼り施工」で納品させていただきました。
結果として、お客様のこだわりを反映させる形で、英国・クラシックデザインである、『マリーゴールド(MariGold)』のデザインが、和室のインテリアシーンのアクセントとして違和感無く溶け込んでいる
様子をご覧いただけるかと思います。
壁紙:
『MARIGOLD』
・「Meadow Sweet(210350・VELLUM/GREEN)
神奈川県 座間市 戸建て住宅 リフォーム事例
戸建て住宅に見られるような、本格的な和室の
『襖紙』
の貼替えの場合、通常
『本襖(ほんぶすま)』
と呼ばれる、昔ながらの特殊な襖枠を、基板として襖紙の施工が行われています。
「本襖」の
襖戸の四方枠は、それぞれ独立して脱着できるフレーム枠で固定されており、襖紙の張替えを行った後に改めて枠組みを組み立て直す建具構造をしています。
そして、襖紙の張替えの際は、枠組みむを固定している
襖戸の四方枠
を分解したのち、既存の襖紙を剥がし(場合によっては損傷している下紙の調整も適宜行う)た後に、専用の幅広の襖紙を使用して張って仕上げてゆきます。
この際の張り上げ作業は、襖枠の四方端エリアに、水で薄めて溶いた糊を、
「袋貼り」
という手法で行われます。
そして、この「袋貼り」の後に生じる、糊が乾く段階で発生する四方への外向きの張力により、適度に太鼓状に襖紙が伸ばされ、四方に適度なテンションがかかった状態になることが理想的な仕上げとされています。
「糊の引っ張り強度」の調整の際には、市販の壁紙施工用の「原液の糊」に、程よい加減で水を希釈しながら濃度を調整する必要がありますが、
「糊の引っ張り強度」
強すぎる「濃度高い糊」を使用した場合は、襖枠自体が引っ張り強度の強い仕上げ面側に反り易くなり、建具としての襖の機能性を阻害しやすくなりますので注意が必要です。
逆に、
「糊の引っ張り強度」を弱くした、水で希釈し過ぎた薄い糊の場合は、襖紙の張力が弱いため、襖紙の表面に「たわみが生じる」と言った、文字通り「締まりのない」仕上がりとなりがちです。
また、「本襖」での襖紙の施工にあたっては、
上記で説明した仕上げを必要とするために、襖紙の中央部分は基本的に、ほぼ糊を使わず、張力で仕上げられた納まりとなっていますが、これを
「太鼓貼り
」
と言
います。
以上の理由により、
「本襖(ほんぶすま)」に対して、一枚もので覆える幅広の襖紙とは異なる、壁紙の幅が52cm程度と狭いため、「2枚の壁紙のつなぎ合わせ」を必要とする、「輸入壁紙」を使用しての「本襖(ほんぶすま)」の張替え施工は、
「1枚の壁紙で覆う太鼓貼りができない」
という理由で
実施できませんことをご理解いただき、この様な場合は、襖戸を、
「本襖」から、「板襖」に交換
していただくことをご検討いただいております。
また、「本襖(ほんぶすま)」ではありませんが、集合自由宅の和室の襖などの様に、LDや廊下などとの境界となっている引き戸の、和室側に襖紙(又は和風のビニール壁紙)、他の居室側に洋風のビニール壁紙を貼られている場合、その襖戸が頑丈で重量のある「板襖」であれば、輸入壁紙の施工は可能ですが、業界用語で、
『ダンボール襖』
と呼ばれる、壁紙の施工面が板仕上げではなく、ダンボール状の軽量な板面構造となっている引き戸が使用されている場合は、基本的に施工法が
『本襖(ほんぶすま)』
と同様の仕上げである「太鼓貼り」仕上げが必要となるため、残念ながら原則として施工不可となりますので、この様な場合も、新たに
「ダンボール襖」から、「板襖」に交換
していただくことをご検討いただいております。
以上、襖戸に「輸入壁紙」を貼る際の注意事項の説明となります。
「ウィリアム・モリス」 インテリアの専門店・ミツワインテリア