変形オーダーカーペットの採寸方法

『カーペット』は、堅固な工業製品と異なり、製造過程と施工過程において、伸縮性の生じやすい「ソフトフロア」となっていますので、採寸・施工にあたっては厳密な採寸が必要です。

(A)　現地採寸と発注の際の製図は、必ず1ｍｍ単位の正確な図面を起こしてから製作いたしますが、実際にお住まいになられるの居室のサイズは、各物件ごとに建築上の仕上がり精度誤差が発生しやすく、一見スクエア形状に見えるお部屋でも微妙な歪みが生じている可能性があります。
その様な状況を踏まえて、採寸・発注の際には、経験に基づく誤差の微調整が必要となります。

(B) 当社が主に採用しているメーカーの製品につきましては、工場側の製作単位を5mm単位(一般的なメーカーは１0mm単位)で受け付けてくれるため、現地の採寸の段階で、「ｍｍ単位」で計測した精度の図面を5mm単位に、細部の数字の調整(5mm単位での「切り上げ」・「切り捨て」)をしながら、最終的なサイズで、現場に即した発注図面を書くことができます。

(C) 当社では、変形間取りなど、「特殊施工」を要する採寸・施工にあたり、寸法加工精度の高い工場を持つメーカーの熟練の職人による裁断・加工を依頼していますが、納品当初のカーペットは、カーペットの出荷時における、ロール(巻物状)梱包による運搬過程が必須であるため、納品時初期の「巻き癖」による縮み感覚(施工や、生活の中で癖がほぐれて回復します)に起因する差異が生じる場合がございます。

以上、(A)～(C)の要因を踏まえたうえで、採寸・施工依頼のご検討をよろしくお願いいたします。

当社が推奨しております、このオーダーカーペット施工法は、マンション内に「ホテルライクでラグジュアリー感」が味わえるインテリアを嗜好されるお客様のみならず、「遮音」、「保温」、「フローリングの傷防止」、「お子様やご老人」、「ペットの股関節炎予防」等、様々な生活諸事情による必要上から、カーペットの敷き込み施工をご要望されるお客様からご好評を得ております。

私たちのご提案趣旨はは、インテリアをより美しく仕立て、生活に役立つ足触りの良いカーペットを愛用していただくことにあります。

６帖程度の居室でなおかつ、採寸の際にお部屋の間取りに歪みがない構造の居室である場合でしたら、1ｍｍ単位で正確に計測した図面を5ｍｍ単位に変換した、メーカー発注用図面の製図により、『全周オーバーロック加工』による製作もお承り致します。
ただし、建築構造上の、壁面の蛇行や、間取り寸法の違いが多い物件に関しましては、後述でご紹介をさせていただきます、『現場フイット施工』のご提案をさせていだくことになりますので、ご了承下さい。

『部分フリーカット(オーバーロツク加工と現場フィット施工の併用

マンションの居室の場合は精密な正方形、又は長方形の間取りではないことを前提に考えた採寸を行うため、精密なお部屋の図面をおこす必要がございます。
居室の歪みのないマンションは非常に少なく、壁がうねっていたり、部屋の入口と中間、そして奥のサイズが微妙狂っている事があり、カーペットの加工で対応できない場合もございます。
そのような事から、施工は、『フリーカット(オーバーロック加工)』と『現場フィット施工』の併用で調整をした施工を行います。

オーダーカーペット施工後

東京都世田谷区・「賃貸マンション」施工事例

間取りや居室の環境に合わせた特殊な施工事例。
ドアや窓辺の見切りと併せて、普段は開放して使用されている「間仕切り引戸」にも「オーバーロック加工」を採り入れました。

賃貸マンションのフローリングの保護目的と、足触りの良いカーペットの生活に馴れ親しんできたお客様が希望された、深めのグレイッシュグリーンの発色が美しい、カットタイプのウールカーペットを使用した『現場フィット施工』を行いました。
出入口や「掃出窓」周辺の縁の納まりは「オーバーロック加工」で仕上げ、壁際は、現地にて専用工具で壁に馴染む洋にピッタリとカットして仕上げました。

LDと洋室をセ分割する2枚の「間仕切り引き戸」は、右側の壁にまとめて収納できる構造。

こちらは、「間仕切り引き戸」を、右側の壁に収納した様子です。

今回は、特殊オプションとして、普段は閉めない引き戸を収納する場合を想定して、居室を区分するフロアレール部分の段差を埋める脱着式の化粧カバーも製作しました。※「細長」のカーペットは頻繁に脱着いたしますと、吸着テープの固定が悪くなりますので、「仮置き」程度とご認識ください。

部屋を区分するカーペットの両側と、化粧カバーの全周は、オーバーロック加工で丁寧に仕上げています。

カーペットと同時にバーチカルブラインドを納品させていただきました。
東京都渋谷区　賃貸マンション入居前施工事例

「オーバーロック加工」などの縁かがり加工以外にも、当社おすすめのオーダーカーペットの特殊「見切り仕上げ工法」を、「オプション」レパートリーとしてご用意しております。

車用の高品質ワイパーゴムを改良して作られている(特許取得品)専用副資材によるこの「縁かがり」加工は、土足で歩行される様な商業施設のエントランスやオフィスなどの耐久性が求めらける部位での縁かがりの発展形として使用する場合があります。

通常は、ほとんど開放して使用しているLDと段差式３枚引戸で間仕切られた隣室のそれぞれの様子です。
ドア下に突起があるためフローリング部分にカーペットを敷くと引戸が開閉できない仕組みとなっていました。

段差式３枚引戸部分を真横から見た様子です。各引戸の厚み部分は段々になった隙間が発生します。
施工事例は、居室の左右の縁と、引戸３枚分の厚みのある間仕切カバーを特殊ゴムエッジでフレーミングした様子です。

間仕切カバーを四方フレーミングした、特殊『ゴムエッジ』は優れた特許商品です。その素材は車のワイパーに使用される高耐久、防汚性能に優れた上質ゴムを採用しようしているためフロアにも優しい素材です。
また、適度な重量もあるため、そのまま置いても日常生活でめくれ上がりにくくなっています。
ボーダー部分の遮音性能に至っては、重量物に対する遮音性能も向上しています。

『ゴムエッジ』で縁をかがられたボーダーカーペットは、間仕切りドアを使用する時だけ取外し可能です。
またこの場合、左右のカーペットもゴムエッジ仕上げとしています。
段差式引戸で間仕切られた居室が開放されて、ひと続きになった様子です。
※この間仕切り部分での工法は、極めて施工難易度高い工法のため、ドア周辺の間取り状況と選定するカーペットによって、対応できない場合がございます。　